#世界史

ローマの道の物語 Ⅵ・Ⅶ

アッピア街道 Ⅵ 道づくりの技術 盛土道は、道路上に降った雨水をいち早く道路から排除して周りの側溝に流すもので、ローマの道を乾燥した良い状態に保つためにすこぶる大切な役目を持つと同時に、ローマの道の一つの特徴を示すものだった。 ローマの道の路面…

ローマの道の物語 Ⅴ まっすぐな道

Ⅴ まっすぐな道 『プルターク英雄伝』 1世紀のローマの伝記作家プルタルコスの著した書物で、プルタークはプルタルコスの英語読みである。ギリシャ人とローマ人の互いに似たところがある高名な人物を、一人ずつ組み合わせた 22組の対比列伝と、4篇の単独伝記…

ローマの道の物語 Ⅳ ローマ世界の旅

ポイティンガー地図 Ⅳ ローマ世界の旅 ローマ帝国にあって、ローマ人が何よりも重視したのは交通であった。その頃の交通の目的は、大きく4つに分かれていた。 ・ 軍隊の移動 ・ 政府役人の公用旅行 駅伝制度を利用して、政府の伝令や飛脚、徴税吏、巡回裁判…

ローマの道の物語 Ⅲ フォルム・ロマヌム

フォルム・ロマヌム(フォロ・ロマーノ) Ⅲ フォルム・ロマヌム フォルム・ロマヌムは「ローマの広場」を意味する。 3世紀末、帝位についたディオクレティアヌス は、さっさと首都をローマから小アジアのニコメディア(イスタンブールの東80キロにあった古代都…

ローマの道の物語 Ⅱ 壮大な道路網

Ⅱ 壮大な道路網 《ローマは1日にして成らず》 セルバンテスの『ドン・キホーテ』に出てくる言葉 エドワード・ギボン(1737~94) の『ローマ帝国衰亡史』は、数多くの事実上の誤りがあるといわれながら、ローマの歴史書の中にあって群を抜いている。 カエサル…

ローマの道の物語 Ⅰ アッピア街道

ローマの道の物語 表紙 ローマの道の物語 藤原武 著 原書房 発行 1986年2月1日 第2刷 Ⅰ アッピア街道 《すべての道はローマに通ず》 この言葉の出所は、17世紀のフランスの詩人ラ・フォンテーヌの『寓話』にあり。 その最後の一篇「裁判官と病院長と隠者」に出…

漫画家が見た百年前の西洋 近藤浩一路『異国膝栗毛』の洋行

漫画家が見た百年前の西洋 近藤浩一路『異国膝栗毛』の洋行 表紙 漫画家が見た百年前の西洋 近藤浩一路『異国膝栗毛』の洋行 和田博文 著 筑摩書房 発行 筑摩選書0273 2024年2月15日 初版第1刷発行 水墨画家で漫画家の近藤浩一路が、1922年1月14日に欧州航路…

写真で行く満洲鉄道の旅 新装版

写真で行く 満洲鉄道の旅 新装版 表紙 写真で行く満洲鉄道の旅 新装版 高木宏之 著 潮書房光人新社 発行 2023年6月13日 第1刷発行 著者のコレクションより選び出した約420点の絵葉書・古写真・図版により、時空間を超えた、満洲全域の鉄道旅行の紙上再現を試…

各国史がわかるシリーズ 歴史が見えるフィンランド図鑑

各国史がわかるシリーズ 歴史が見えるフィンランド図鑑 表紙 各国史がわかるシリーズ 歴史が見えるフィンランド図鑑 石野裕子 編著 町田季句 絵 エクスナレッジ 発行 2025年12月25日 初版第1刷発行 本書は建物等を入口として、フィンランドの歴史や文化、社…

モンテーニュ 旅日記(上)(ローマ)

Ⅶ ローマ滞在(一) ローマにはフランス人がたくさんいて、通りでは必ずだれかがフランス語で挨拶してくるといった有様なので、モンテーニュ殿はごきげんななめであった。 クリスマスの日、われわれは教皇[グレゴリウス13世] のミサを聴きにサン・ピエトロ大聖…

モンテーニュ 旅日記(上)(バーデン~シエナ)

Ⅲ バーデンからアウクスブルグへ スイスの国とはお別れであることがわかった。コンスタンツに着く少し前から、ちらほらと貴族の城館を見かけていたからである。スイスには、その種の建物はまずないのだ。 モンテーニュ殿は、この旅において3つのことを後悔さ…

モンテーニュ 旅日記(上)(~バーデン)

モンテーニュ 旅日記(上)表紙 モンテーニュ 旅日記(上) 宮下志朗 訳 岩波書店 発行 岩波文庫 赤 509-7 2026年2月13日 第1刷発行 1580年、地元ボルドーで『エセー』初版を出したモンテーニュは、同年9月から1581年11月まで旅に出ます。 この上巻ではパリ近…

【新訳】フロンティヌス戦術書(本文、注)

ランキング参加中読書 凡例 固有名詞は、英訳読みを避け、当時のラテン語音に近そうなカタカナ読みを考えた。例えば「ジュリアス」「シーザー」ではなく「ユリウス」「カエサル」とする、等。ただし、もとより専門家の作業ではない。 (本文中にガイウス・カエサルと…

【新訳】フロンティヌス戦術書(解題)

【新訳】フロンティヌス戦術書 表紙 [新訳]フロンティヌス戦術書 古代西洋の兵学を集成したローマ人の覇道 フロンティヌス 著 兵頭二十八 訳 PHP研究所 発行 2013年12月27日 第1版第1刷発行 古代ローマ水道橋について調べる過程でフロンティヌスを知ったので…

感動する地図帖 世界って面白い!となる100テーマ

感動する地図帖 世界って面白い!となる100テーマ 表紙 感動する地図帖 世界って面白い!となる100 テーマ イアン・ライト 編著 片山美佳子 訳 日経ナショナルジオグラフィック 発行 2024年8月26日 第1版 1刷 様々な地図を見るだけで、世界を色々な角度から…

地中海の慰め 旅と物語の思い出(ダンテ天国篇・スペイン等)

ランキング参加中ヨーロッパ旅行 ランキング参加中読書 地中海の慰め ダンテ〈天国篇〉 〈天国篇〉の〈第一歌〉で天国を歌うに先立って、ダンテはここでも前口上を述べております。その趣旨は天国を見事に歌い上げたい熾烈な願いにもかかわらず、これはまこ…

地中海の慰め 旅と物語の思い出(新約・アッシジのフランシスコ)

地中海の慰め 旅と物語の思い出 表紙 地中海の慰め 旅と物語の思い出 小川国夫 著 小沢書店 発行 1989年1月15日 初版発行 以前著者の文章を読んだ時、シンプルでわかりやすい文章にもかかわらず、格調高い文体に魅かれました。 新約について キリスト歴の元…

私はチェコびいき 大人のための旅案内

私はチェコびいき 大人のための旅案内 表紙 私はチェコびいき 大人のための旅案内 大鷹節子 著 朝日新聞社 発行 2002年6月5日 第1刷発行 以前このブログで取り上げさせていただいた『チェコとスロバキア』を全く違った角度から書き直した(というよりも新たに…

交路からみる古代ローマ繁栄史(第二部~)

地中海からブリタンニアへの輸送 第二部 河川・海上交通がローマの繁栄をもたらした 第五章 何を、どこから運んだのか 地中海西部〜ブリタンニアのルートには 一番西側の「ジブラルタル海峡〜大西洋」 東側の「陸路を含むローヌ川〜モーゼル川〜ライン川〜北…

交路からみる古代ローマ繁栄史(第一部)

交路からみる古代ローマ繁栄史 表紙 交路からみる古代ローマ繁栄史 陸の道・河の道・海の道が古代ローマの繁栄をつくった 中川良隆 著 鹿島出版会 2011年9月10日 第1刷発行 本書は、陸と水の交易路とはどのようなもので、いつ、どうしてつくったのか、そして…

廃墟のリモナ城(Leamaneh Castle)(アイルランド クレア県)

リモナ城(Leamaneh Castle) 巨人のテーブルの後、画像のような廃墟の前でバスは止まりました。 席と反対側で、どのような建物かもよくわからなかったのですが、せっかくの機会なので、写真を撮っていました。 改めて画像検索するとLeamaneh Castleだという…

ウラジオストクの旅 海の向こうにあった日本人町(後半)

裏表紙裏のウラジオストク案内図 “熱烈歓迎”の入港 訪問者のうち「富山県日ソ友好視察団」は主に新湊市関係者で構成された。 「新潟代表団」は県を挙げてという意気込みがうかがえた。 新潟市は定期航路復活への期待を込めて、姉妹港締結を提案し、新湊市は…

ウラジオストクの旅 海の向こうにあった日本人町(前半)

ウラジオストクの旅 海の向こうにあった日本人町 表紙 ウラジオストクの旅 海の向こうにあった日本人町 杉山公子 著 地久館 発行 原書房 発売 1989年12月15日 発行 1989年の5月、新潟港からウラジオストク(ウラジオストック)に客船で旅行した著者の紀行文…

近寄れなかった「巨人のテーブル」(アイルランド バレン高原)

バレン高原の「巨人のテーブル」 エルウィ洞窟を出て、再びバスに乗り込みます。 その途中で、画像のようなモニュメントに出くわしました。 ここではバスから降りることなく、バス内部からの見学でした。 そばで見ることができなかったのが残念です。 これは…

古代ローマ歴史散歩 最盛期の帝国の街並みをたどる

古代ローマ歴史散歩 最盛期の帝国の街並みをたどる 表紙 古代ローマ歴史散歩 最盛期の帝国の街並みをたどる フィリップ・マティザック 著 大槻敦子 訳 原書房 発行 2026年1月30日 第1刷 本書では4世紀末から5世紀にかけてローマの街を散歩した情景を描いてい…

マルテの手記 リルケ著

リルケ著 マルテの手記 表紙 マルテの手記 リルケ 著 松永美穂 訳 光文社 発行 2014年6月20日 初版第1刷発行 ヨハネス22世(1245〜1334 在位1316〜1334)の時代に、彼を支持するキリスト教徒が大挙してアヴィニョンをやってきたのだった。彼らが不本意ながら避…

漢字が日本語をほろぼす(後半)

第三章 漢字についての文明論的考察 漢字文化圏は亀井孝が言うように、「日本を最終の局限」とし、「最後の実験室」として、「それ以上先へ進む」ことはなかったのである。つまり日本は漢字文化圏の行き止まりの役目を果たしたのである。そして、これ以後、…

古代のローマ水道 フロンティヌスの『水道書』とその世界(第二・三編)

第二編 古代ローマ水道の遺跡 6 ローマ水道の補修の歴史 スペイン広場とコルソ通りを結ぶ「コンドティ通り」は、現在では革製品のグッチ、フェラガモ、陶器のジノリなど、ローマ最高級の店が並び、観光客にも人気のある目抜き通りとなっているが、通りの名…

古代のローマ水道 フロンティヌスの『水道書』とその世界(第一編)

古代のローマ水道 フロンティヌスの『水道書』とその世界 表紙 古代のローマ水道 フロンティヌスの『水道書』とその世界 今井宏 著訳 原書房 発行 1987年10月31日 第1刷 第一編で古代ローマ水道の概要を解説し、第二編で水道遺跡について述べ、第三編で『水…

革命と住宅

革命と住宅 革命と住宅 ゲンロン叢書015 本田晃子 著 ゲンロン 発行 2023年9月25日 第1刷発行 ソ連成立からの建築、特に住宅の歴史が詳しく書かれています。 はじめに ソ連建築の2つの相 ソ連、そしてロシアでは、絶対王政の時代のように指導者が国民を分断…