#世界史

日本海ものがたり 世界地図からの旅

日本海ものがたり 世界地図からの旅 中野美代子 著 岩波書店 発行 2015年4月22日 第1刷発行 日本海を中心とした、海をめぐる物語を徒然に語っています。 日本人で初めて世界一周した若宮丸の四人 1793年、石巻から江戸を目指した若宮丸 漂流して…

第四の大陸 人類と世界地図の二千年史 第三部 新旧世界の融合

第3部 新旧世界の融合第17章 ギムナジウム(学舎)16世紀初めアルザスはドイツ領で、ストラスブールはシュトラースブルクだった。15世紀の最後の10年は書籍取引で活気を帯び、ドイツ最初の人文主義者が現れた。ドイツの人文主義者は、分裂し虐げられ…

第四の大陸 人類と世界地図の二千年史 第2部 新世界

第2部 新世界 第6章 再発見 初期のイタリア人文主義の中心人物 フランチェスコ・ペトラルカ 1304年生まれ 生涯を通じて古典書籍を求め広く旅する。文学的考古学。 古代人が知っていた世界の全体像の把握に努める。 ペトラルカの弟子ジョヴァンニ・ボッカッ…

第四の大陸 人類と世界地図の二千年史 第1部 旧j世界

第四の大陸 人類と世界地図の二千年史 トビー・レスター 著 小林 力 訳 中央公論新社 2015年8月7日 初版発行 1507年、アルザス・ロレーヌにまたがるヴォージュ山地のほとりで作成された「ヴァルトゼーミュラー世界図」 この地図の製作に関わる興味深い…

最後のソ連世代 ブレジネフからペレストロイカまで 第7章~

第7章 ヴニェの皮肉 ネクロリアリズム、スチョーブ、アネクドート ミチキー 1980年代はじめのレニングラードに現れた芸術家集団 陽気な極楽とんぼの生き方を伝える。 ネクロリアリスト 好んで実験と称する馬鹿騒ぎをする。 スチョーブ 皮肉の一ジャンル。語…

最後のソ連世代 ブレジネフからペレストロイカまで 第5・6章

第5章 想像の西側 後期社会主義のヴニェ空間 ソ連の特異な概念ザクラニーツァ 国境や現実の領土ではなく想像の空間 現実味があるのに抽象的 よく知っているのに手が届かず 日常的でありながらエキゾチック ここでもありあちらでもある空間 ソ連の短波ラジオ…

最後のソ連世代 ブレジネフからペレストロイカまで 第3・4章

第3章 転倒するイデオロギー 規範(エチカ)と詩学(ポエチカ) この章では、イデオロギー形式の踏襲反復がソ連の日常の様々な場面で思いがけない意味や関係、新たなアイデンティティや社会性を生み出していたことを見ていく。 1970年代から80年代はじめに…

最後のソ連世代 ブレジネフからペレストロイカまで(第1・2章)

最後のソ連世代 ブレジネフからペレストロイカまで アレクセイ・ユルチャク 著 半谷史郎 訳 みすず書房 発行 2017年10月18日 発行 この本ではソ連時代の後期、副題の通りブレジネフからペレストロイカまでの期間について、様々な文章をもとに考察しています…

海賊の文化史

海賊の文化史 海野弘 著 朝日新聞出版 発行 2018年4月25日 第1刷発行 海賊文化の4つの様相 ・その舞台である「海」 ・利益追求である「経済」 ・「法律」や道徳を破るアウトロー性 ・ロマンのある「文化」 神話から大航海時代へ 793年、スコットランドの東…

世界の歴史 7 近代への序曲

世界の歴史 7 近代への序曲 松田智雄 責任編集 昭和41年12月1日33版 中央公論社 発行 この本では、ヨーロッパのルネサンスから宗教改革あたりを扱っています。 ルネサンスの科学技術として、大砲や遠洋航海、地動説や印刷術などを紹介し、人文主義の…

剣と清貧のヨーロッパ (後半部・托鉢修道会)

中世ヨーロッパにおける13世紀の商取引の活発化 それは輸送技術の発展を前提としている。 船の方向転換が横舵から船尾に垂直に取り付けた舵←十字軍遠征によりイスラム教徒の考案した逆風の中でも航行できる技術を取得p155 中世が過ぎてから作られたある二…

剣と清貧のヨーロッパ(前半部・騎士修道会)

剣と清貧のヨーロッパ 佐藤彰一 著 2017年12月25日 発行 中公新書 2467 旧来の修道院に加えて、12世紀に期せずして出現した騎士修道会と托鉢修道会 騎士修道会と、国王や君候に奉仕する世俗の「騎士団」とは異なる。 騎士修道会 テンプル騎士修道会、ホス…

ナポレオン時代 中公新書

ナポレオン時代 英雄は何を残したか アリステア・ホーン 著 大久保庸子 訳 2017年12月25日初版 中公新書 2466 1795年から1820年までの二十五年間を「ナポレオン時代」として、叙述しています。 全体的にナポレオンを皮肉っぽく描いていますが、それは独裁者…

パリ解放 1944-49 第3部 冷戦突入

第19章 影絵芝居 計略と逆計 ドゴール辞任でいちばん迷惑をこうむった機関は将校団だった。 1946年春に深い不安感の漂う時期であり、右翼活動の盛り上がりを見た時期でもあった。 第20章 政治と文学 1946年5月5日の国民投票 第四共和制の憲法草案は、ほとん…

パリ解放 1944-49 第2部 国家、それはドゴールなり

第9章 臨時政府 ドゴールの臨時政府と共産党の争い 共産党指導者は、ドゴールはフランスのケレンスキーであり、トレーズは権力に復帰しようとしている自分たちのレーニンであると確信していた。 第10章 外交団 パリに集まった外交団は快楽主義者と厳格主義者…

パリ解放 1944-49 第1部

パリ解放 1944-49 アントニー・ビーヴァー アーテミス・クーパー著 北代美和子 訳 2012年9月10日 発行 白水社 発行 当時のパリなどの情勢を詳しく伝えています。ドゴールやペタンなどの政治家だけでなく、サルトルなどの文化人、そしてピカソのような芸術家…

消えた国 追われた人々 東プロシアの旅 後半

消えた国 追われた人々 東プロシアの旅 後半より カリーニングラードはロシアの最も西の町である。1946年に誕生。前年までは「ケーニヒスベルク」といって、ドイツの最も東の町だった。1255年の誕生。 リトアニアのビリニュスよりカリーニングラードまで340…

消えた国 追われた人々 東プロシアの旅  前半

消えた国 追われた人々 東プロシアの旅 池内 紀 著 みすず書房 2013年5月10日 発行 いわゆる東プロシアと呼ばれた国の都市やその周辺の、2002年から2008年にかけての紀行記です。 日本ではほとんど知られていない地域の歴史をさかのぼる、極めて興味深い旅行…

エラスムス=トマス・モア 往復書簡

エラスムス=トマス・モア 往復書簡 沓掛良彦・高田康成 訳 2015年6月16日 第1刷発行 岩波文庫 青612-3 1499年から1533年までの、エラスムスとトマス・モアの間に交わされた現存する書簡五十通の日本語訳です。 一司祭の私生児としてロッテルダムで生まれたエ…

巴里籠城日誌(巻の六~)

1871年1月21日 パリ籠城後、市内と仏国諸地方との書簡の往来には、全て例の伝書鳩を使っている。そこで、独軍がこれを妨げようと、パリ城周囲の林の中に多くの鷹や鷲を放す。 1871年1月25日(籠城今日既に130日である) 近代歴史の中で約300万人の住民を…

巴里籠城日誌 維新期日本人が見た欧州(~巻の五)

校訂現代語訳 巴里籠城日誌 維新期日本人が見た欧州 渡正元 著 横堀惠一 校訂現代語訳 同時代社 2016年12月8日 初版第1刷発行 1839年生まれの渡正元が実際にパリに滞在して見聞した普仏戦争、その中で特にフランスのパリ籠城時の記録です。当時30代の日本…

パリの住人の日記 Ⅱ 1419-1429

パリの住人の日記 Ⅱ 1419-1429 堀越孝一 訳・校注 2016年10月23日 初版第1刷発行 八坂書房 発行 セーヌの氾濫や通貨の絶え間ない変動、そして戦争や群盗の跋扈、不作や食糧難、宗教的演説に対する熱狂などなど大変な時代の日記です。 こう…

パリの住人の日記Ⅰ 1405-1418

パリの住人の日記Ⅰ 1405-1418 堀越孝一 訳・校注 2013年7月14日 初版第1刷発行 ㈱八坂書房 発行 先ごろ、読売新聞の書評欄で、このⅡ巻を取り扱っており、面白そうに書かれていたので、興味を持って本屋に出かけました。 街で一番大きいと思…

イタリア現代史(中公新書)

イタリア現代史 第二次世界大戦からベルルスコーニ後まで 伊藤武 著 2016年1月25日発行 中公新書 2356 この本では、第二次世界大戦と冷戦という二つの「戦争」と「戦後体制」としてそれぞれ生まれた、二つの共和制を通してイタリアの現代史を描いています。 …

学びなおすと世界史はおもしろい

学びなおすと世界史はおもしろい 太田竜一 著 ベレ出版 発行 2015年8月25日 初版発行 世界史の全体像を要領よく学べる新しいタイプの入門書 地域を行き来しつつらせん状に時代を下るという、教科書的な構成ではなく、 「農業と都市」「宗教と文明」「交易…

庭師が語るヴェルサイユ

庭師が語るヴェルサイユ アラン・バラトン 著 鳥取絹子 訳 原書房 発行 2014年3月20日 第1刷 ヴェルサイユの庭園で30年以上働いてきた庭師が、この庭園についての経験談や過去の歴史まで、詳しく楽しく語っています。 第1章 暴風雨 1999年12月26…

文明の生態史観 梅棹忠夫 著

文明の生態史観 梅棹忠夫 著 中公文庫 1974年9月10日 初版発行 2013年9月5日 改版11刷発行 インドで道標にヒンディー語しか使われていなかったときの梅棹さん。 目の前で窓がぴしゃりと閉められたような絶望的な感じ。 日本でも日本語だけで…

ボルジア家風雲録 下 智将チェーザレの激闘

ボルジア家風雲録 下 智将チェーザレの激闘 アレクサンドル・デュマ 著 吉田良子 訳 イースト・プレス 発行 2013年8月15日 第一刷発行 下巻では、フィレンツェに神聖政治をしいたサヴァナローラとアレッサンドロ6世との争いからはじまる。 ローマからのリ…

ボルジア家風雲録 上 教皇一族の野望

ボルジア家風雲録 上 教皇一族の野望 アレクサンドル・デュマ 著 吉田良子 訳 イースト・プレス 発行 2013年8月15日 第一刷発行 かの「三銃士」や「モンテ・クリスト伯」の作者。アレクサンドル・デュマによるボルジア家の、かなり史実に近い小説です。 …