2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧
ローマ人の物語Ⅹ、ソフトなインフラについて帝国の首都にもかかわらず、ローマには大規模な医療と教育の施設が無い。まず医療については、長い間専門の医師が存在しなかった。その代わりになるのは、家庭医療と神頼みだった。家父長や奴隷医師と呼ばれる人た…
ローマ人の物語召らの続き。 ローマ人は、橋の建造にも才能を発揮した。 戦争時の、ライン河などに造成した簡易式の橋も素晴らしいが、なによりも石造りの立派な橋が象徴的である。 そこに人や水道を通した。 水平に、街道の延長となるよう、丁寧に造られて…
再びカルヴァドスの民宿に話を戻す。 食事も終わり、夜遅くなってきたので、各自民宿の部屋に戻る。 シャワーを浴びて、寝ようとするが、どうも寝付けない。 相部屋で、慣れないベッドということもあるが、温度のアンバランスさもその原因の様だ。 パリの下…
引き続きローマの街道について。 紀元前220年、ローマの歴史によく出てくる「フラミニア街道」の工事が始まる。 この街道は山中を通るので、工事の苦労も格別である。 橋を架け、山腹に土を盛り、トンネルまで造っている。 場所選択には、雪や増水の影響…
ローマ人の物語勝,垢戮討瞭擦魯蹇璽泙膨未 塩野七生 著 新潮社 2001年12月20日 発行 このローマ人の物語召蓮∈までの巻と異なった趣である。 というのも、今までは編年、あるいは皇帝ごと、にしていたのに対し、この巻では、「インフラ」に焦点をあ…
今まで車でウロチョロした所、大雑把にノルマンディと呼んでいたが、厳密にはバス・ノルマンディ州のカルヴァドス県になる。 お酒の名前が県の名前に、いや、県の名前がお酒になったようだが、なんとなく面白い。 ちなみに県のマークにはちゃんとリンゴもモ…
車はドーヴィルを離れ、ノルマンディの内陸部に向かう。 なだらかな丘陵地帯の道を進んでいき、宿泊場所についた。 写真のように、草原の中で、ヤギ?がのんびり草をついばんでいる様な所だった。 のどかな雰囲気である。 他にも、鶏や馬なども飼っており、…
海沿いの小さな街から、ドーヴィルに行きましょう、という車の中。 「ドーヴィルって、あの『シャバダヴァダ、シャヴァダヴァダ、ルールールー』のところでしたよね」と思わず聞いてしまう。 クロード・ルルーシュ監督の「男と女」という映画の舞台だが、そ…
最初に行ったこのノルマンディーの海、多分いわゆるカルヴァドス海岸と呼ばれる所だったのだろうと思う。 カルヴァドスはリンゴ酒シードルを蒸留させて作ったお酒である。 このあたりではぶどうは無理なので、仕方なくリンゴでお酒を作った。 とりあえず、な…
2月頃だったか、みんなでノルマンディ方面に行こうということになった。 何組かが車に分乗し、食事と宿泊場所は一緒だが、それ以外は別行動に近いような状況だった。 やはりフランス、日本人が半分くらいでも個人主義が入っているようだ。 自分と言えば、一…
ハドリアヌス帝の回想 マルグリット・ユルスナール著 多田智満子 訳 白水社 1993年8月20日 発行 ユルスナールの名前は、もともと須賀敦子さんの著書から知った。 彼女のシャルトル巡礼の経験を書いた「大聖堂まで」などのエッセイに感動し、別の著書…
ハドリアヌス帝に続き、アントニヌス・ピヌス帝にちなんだ建造物も通り過ぎていました。 今ではサンタンジェロ城と呼ばれていますが、もともとはハドリアヌス帝の霊廟とされていました。 123年にハドリアヌス帝自身が自らの墓として建築を開始し、139…
ハドリアヌス帝にちなむ建築物「パンテオン」を紹介します。 これは、初代皇帝のアウグストゥスの腹心アグリッパが西暦27年に建設しました。 しかし80年に火災で焼失したため、118年ごろからハドリアヌス帝により再建されました。 この写真では伝統的…
ハドリアヌス死後、「慈悲深い」アントニヌス・ピヌスが皇帝の座につく。 この時代は「秩序の支配する平穏」と呼ばれる時代だった。 また、特にゴシップもなく、醜聞好きな人類にとっての興味も少ない。 といっても、同時代を共有した人々にとっては、それが…
ローマ 永遠の都 一千年の発掘物語 クロード・モアッテイ 著 青柳正規 監修 1993年2月20日第1版 建築でもその偉大さを示したローマ人。 しかし長い年月の間に、彼らの建造したものは削り取られ、土に埋もれていった。 さらに略奪にあい、多くのもの…
一日で鑑賞するルーヴル美術館 小池寿子 芸術新潮編集部 著 新潮社 2006年5月20日発行 ルーヴルといえば、とりあえずモナリザとミロのビーナス。 というのに飽き足らない方に、88作を選んで、豊富なカラー写真と共に解説している。 更にルーヴルに…
トライアヌスの次はハドリアヌスがローマ皇帝となる。 少年の頃からギリシャ文明と狩猟を好む。 ローマの感覚では質実剛健には反する、ある種官能的な男。 年上の女性プロティナからの援助。 皇帝登位時の謎。トライアヌスは本当にハドリアヌスを指名したの…
皇帝トライアヌスにちなみ、ローマの「トライアヌスの市場」を訪れた時の思い出です。 たまたま泊まったホテルが、ちょうどその近くだったので、有名な「フォロ・ロマーノ」に行く前に、この市場を訪ねました。 そこは保存状態もよかったです。また実際に修…
皇帝ネルヴァの指名により、属州出身のトライアヌスが皇帝となる。 皇帝としての責務の一つである安全保障。 その障害として、ダキア(今のルーマニアあたり)問題に突き当たる。 トライアヌスはカエサルのごとく「ダキア戦記」を記したと言われるが、残念な…
ローマ人の物語宗仝帝の世紀 2000年9月30日発行 塩野七生 著 新潮社 賢帝の世紀ということで、まずトライアヌス帝から取り上げている。 しかしまず最初に「読者へ」ということで、今回の巻での困惑を伝えていた。 というのも、今までなら、タキトゥス…