2022-01-01から1年間の記事一覧

柳田国男と事件の記録

柳田国男と事件の記録 表紙 柳田国男と事件の記録内田隆三 著講談社選書メチエ401995年2月10日第一刷発行 柳田国男による『山の人生』 その冒頭をさりげなく飾る、哀しくて悲惨だが、冷徹に美しくさえ述べられている、ある事件。 その謎に迫っています。 『…

回想録 ヨーロッパめぐり ジョージ・エリオット著

回想録 ヨーロッパめぐり ジョージ・エリオット著 表紙 回想録 ヨーロッパめぐりジョージ・エリオット 著冨田成子 訳彩流社 発行2018年9月28日 発行英国ヴィクトリア朝を代表する女性作家ジョージ・エリオット(本名メアリアン・エヴァンス 1819-80)による紀…

ナンシーのクラフ門(ロレーヌ地方、フランス)

ロレーヌ地方のナンシーのクラフ門 画像はナンシー市のクラフ門です。実は写真を見ても、これが何だったか思い出せなかったのですが、画像検索のおかげで正体が判明しました。このような門を残してくれているおかげで、過去、不安定だった時代に、街がいかに…

スタニスラス広場の像と制作者のジャコについて(ナンシー)

ナンシーのスタニスラス広場 スタニスラス広場に入ります。前回の凱旋門の反対側を望むことができます。後ろ姿の像はスタニスラス1世の立像です。正面からの姿を見てみると スタニスラス像 このようにたいそう威厳のある姿です。この立像についてナンシー市…

ナンシーのカリエール広場から見た凱旋門

ナンシーのカリエール広場から見た凱旋門 画像はフランスのロレーヌ地方の都市、ナンシーに建てられている凱旋門です。この門だけでなく、スタニスラス広場の設計者でもあるエマニュエル・エレにちなみ、エレ門とも呼ばれているようです。1753年から1755年に…

顔も眼も真ん丸なにゃんこ

顔も眼も真ん丸なにゃんこ うちのにゃんこです。 ドアップを見ていると、顔も眼も真ん丸ですね。 首輪を着けていますが、痒そうだったので、結局外してしまいました。 似合っていて残念ですが、痒さには勝てません。 変顔のにゃんこ ふにゃ~ お鼻のまわりも…

地名の研究 柳田国男 著

地名の研究 柳田国男 著 表紙 地名の研究柳田国男 著中公クラシックスJ652017年4月10日 発行「過去への道標」を毀損してはならない 今尾恵介東京の銀座は大半がニセモノそのエリアの大半が「本来の銀座」、少なくとも明治初年の銀座の範囲ではない。p16ちょ…

はじめて学ぶ西洋古代史 第Ⅱ部 ローマ

オランジュの古代ローマ劇場壁面のアウグストゥス立像 第Ⅱ部 ローマ第8章 ローマ帝国の形成 西洋型帝国の原型「現実主義(リアリズム)」とは、国際関係を決めるのは「力」であるというもので、これは古代ギリシアのトゥキュディデスに遡る考え方。ローマ拡大…

はじめて学ぶ西洋古代史 第Ⅰ部ギリシア

はじめて学ぶ西洋古代史 表紙 はじめて学ぶ 西洋古代史長谷川岳男 編著ミネルヴァ書房 発行2022年10月30日 初版第1刷発行はじめて学ぶ、と題していますが、内容はけっこう高度だと思います。第Ⅰ部 ギリシア第1章 アケメネス朝ペルシア 世界帝国とギリシア…

羊皮紙の世界 薄皮が秘める分厚い歴史

羊皮紙の世界 薄皮が秘める分厚い歴史と物語 表紙 羊皮紙の世界薄皮が秘める分厚い歴史と物語八木健治 著岩波書店 発行2022年8月30日 第1刷発行中世ヨーロッパの歴史をひもといていると、必ず出てくる羊皮紙。この本では、羊皮紙の作り方から、羊皮紙が使わ…

山の旅 明治・大正篇

山の旅 明治・大正篇 表紙 山の旅 明治・大正篇近藤信行 編岩波文庫 緑170-22003年9月17日 第1刷発行明治から大正にかけて、登山について書かれた文集です。有名な作家も登場します。今以上に厳しい、当時の様々な形の山登りの描写がこちらに迫ってきます。…

森鷗外 学芸の散歩者 岩波新書

森鷗外 学芸の散歩者 表紙 森鷗外学芸の散歩者中島国彦 著2022年7月20日 第1刷発行岩波新書(新赤版)1937森鷗外のわかりやすくまとめられた評伝です。この本を再出発点として、更に鷗外を深める助けにもなりそうです。プロローグ 自伝と証言の間Ⅰ 林太郎とし…

国境で読み解くヨーロッパ 境界の地理紀行(後半)

国境で読み解くヨーロッパ 境界の地理紀行 裏表紙 6 見えない境界を巡る 北イタリアの言語境界 柳田國男の「峠に関する二、三の考察」より峠には表と裏がある峠の道には谷をたどっていく道と、尾根筋を行く道がある谷の道は平野から登っていくのに都合がい…

国境で読み解くヨーロッパ 境界の地理紀行(前半)

国境で読み解くヨーロッパ 境界の地理紀行 表紙 国境で読み解くヨーロッパ境界の地理紀行加賀美雅弘 著朝倉書店 発行2022年5月30日 初版第2刷自分が経験した国境体験で印象に残っているのはストラスブール、ケール間の仏独国境と、バーゼルそばの三国国境で…

柳田國男を歩く 肥後・奥日向路の旅

柳田國男を歩く 肥後・奥日向路の旅 表紙 柳田國男を歩く 肥後・奥日向路の旅江口司 著現代書館 発行2008年11月15日 第一版第一刷発行柳田國男が宮崎県東臼杵郡椎葉村へ足を踏み入れたのは、明治四十一(1908)年7月13日のことであった。肥後・球磨・奥日向路…

ようこそシベリア鉄道へ ユーラシア大陸横断9000kmの旅

ようこそシベリア鉄道へ ユーラシア大陸横断鉄道9000kmの旅 表紙 ようこそシベリア鉄道へユーラシア大陸横断9000kmの旅二村高史 著天夢人 発行2022年3月24日 初版第一刷発行1981年、1985年に続いて2015年の秋、著者にとって三度目であるシベリア鉄道旅行の記…

椅子の上でくつろぐにゃんこ

椅子の上でくつろぐにゃんこ だんだん寒くなってきました。 にゃんこも板張りの所よりか、この椅子のような少しざらざらした肌触りの方が居心地良さそうです。 時々のたうち回って、感触を楽しんでいます。 居座るにゃんこ ふにゃ、ここもあたしのお気に入り…

コルマールのウンターリンデン美術館の歴史

コルマールのウンターリンデン美術館の外観 画像はアルザスのコルマールにあるウンターリンデン美術館です。2000年の夏に訪問しました。この美術館はキリストの磔刑と復活を描いた「イーゼンハイム祭壇画」で有名ですが、自分は回廊に展示されていたポットに…

藤原定家『明月記』の世界

藤原定家『明月記』の世界 表紙 藤原定家『明月記』の世界村井康彦 著2020年10月20日 第1刷発行岩波新書(新赤版)1851引き続き、藤原定家の本です。明月記ということで、皆既月食の夜に図書館で借りました。(ただの偶然ですが・笑)自分的には宮中内外の細々…

藤原定家 (吉川弘文館)

藤原定家 吉川弘文館発行 表紙 藤原定家村山修一 著吉川弘文館 発行昭和37年9月25日 第1版第1刷発行平成元年10月1日 新装版第1刷発行はしがき『明月記』のおかげで、定家ほど、生活の隅々までしられる歴史的人物は、近世以前においてはちょっと他に見出だ…

闇夜に浮かぶパリの凱旋門

闇夜に浮かぶパリの凱旋門 夜の闇に浮かぶパリの凱旋門です。凱旋門というだけあって、ナポレオンがフランス軍の栄光を讃えるために1806年建築を依頼したそうですが、完成は1836年になってしまい、ナポレオンは既にこの世におらず、1840年葬儀時にご遺体が凱…

中世の覚醒 アリストテレス再発見から知の革命へ

中世の覚醒 アリストテレス再発見から知の革命へ 表紙 中世の覚醒アリストテレス再発見から知の革命へリチャード・E.ルーベンスタイン 著小沢千重子 訳紀伊國屋書店 発行2008年3月31日 第1刷発行はじめに12世紀にキリスト教の聖職者たちがムスリムの支配か…

エコール・ミリテールとエッフェル塔のツーショット

エコール・ミリテールとエッフェル塔 画像はエコール・ミリテール(陸軍士官学校)とおなじみのエッフェル塔です。横に伸びるエコール・ミリテールと縦にそびえるエッフェル塔、という感じですね。パリ在住時代はメトロ8号線をよく利用したので、モグラのよう…

ピサロ/砂の記憶 印象派の内なる闇

ピサロ/砂の記憶 印象派の内なる闇 表紙 ピサロ/砂の記憶印象派の内なる闇有木宏二 著人文書館 発行2005年11月30日 初版第1刷発行ピサロは印象派の中でも、シスレーやベルト・モリゾなどとともに好きな画家の1人です。パリ在住時にはポントワーズまで彼の…

日本語はいかにつくられたか?(後半)

Ⅲ 日本語の「仮名遣」の創始 藤原定家1 『明月記』の定家治承四年(1180)2月5日、定家は、以後、断続的ではあるが、嘉禎元年(1235)12月30日まで、五十六年間書き続けることになる準漢文体の日記、『明月記』を書き始める。p802 「古典」の定位と『仮名遣』…

日本語はいかにつくられたか(前半)

日本語はいかにつくられたか? 表紙 日本語はいかにつくられたか?小池清治 著筑摩書房 発行ちくまライブラリー251989年5月30日 発行日本語は書きことば、読みことばとしては本当に複雑な言語だなぁとよく実感することから、日本語のルーツを調べたくなり、…

播磨の街道 『中国行程記』を歩く

播磨の街道 『中国行程記』を歩く 表紙 播磨の街道 『中国行程記』を歩く橘川真一 著大国正美 解説ひめしん文化会 発行姫路文庫102004年1月25日 第1刷発行萩藩(山口県)の絵師、有馬喜惣太が、藩主へ江戸への参勤の道を示すために制作した詳細な絵図である『…

パリのアンヴァリッドのドーム聖堂

アンヴァリッドのドーム聖堂 画像はパリのアンヴァリッドのドーム聖堂です。西側のルイ・コデ通りから撮ったものと思われます。グーグルマップで一生懸命見比べてみたのですが、なにぶん二十年ほど前の写真で、並木などかなり違っていたので、確証は持てませ…

リュクサンブール公園そばの大探検家庭園の世界四地域噴水

大探検家庭園の世界四地域噴水とリュクサンブール宮殿(上院) リュクサンブール公園付近の地図 この画像は、地図の通り、パリのリュクサンブール公園から長く伸びた庭園で、「大探検家マルコ・ポーロとカヴリエ・ドゥ・ラ・サル庭園」(Jardin des Grands Expl…

渋沢栄一、パリ万博へ

渋沢栄一、パリ万博へ 表紙 渋沢栄一、パリ万博へ渋沢華子 著国書刊行会 発行1995年5月25日 初版第一刷発行1867年(慶応3年)パリ万国博覧会使節団に加わり、更に徳川昭武のヨーロッパ及びフランス地方視察に随行した渋沢栄一。それを中心とした栄一の活躍の叙…