2024-01-01から1年間の記事一覧

大聖堂・製鉄・水車 中世ヨーロッパのテクノロジー

大聖堂・製鉄・水車 中世ヨーロッパのテクノロジー 表紙 大聖堂・製鉄・水車 中世ヨーロッパのテクノロジー ジョゼフ・ギース/フランシス・ギース 著 栗原泉 訳 講談社学術文庫 2012年12月10日 第1刷発行 第一章 バベルの塔・ノアの箱舟 キリスト教とテクノ…

ラウンドタワー アイルランドの不思議な塔の物語

ラウンドタワー 表紙 ラウンドタワー アイルランドの不思議な塔の物語 ヘクター・マクドネル 著 富永佐知子 訳 創元社 発行 2014年12月20日 第1版第1刷発行 アイルランドのラウンドタワーは、古代アイルランドの教会遺跡の中で群を抜いて大きな遺物であり…

ルターとクラーナハへの旅(後半)

ワルシャワのコペルニクスの像 第三章 宗教改革時代の史的人物とその切手 ルター、フッガー、ミュンツァー ルターは宗教改革者、フッガーは皇帝をもつくる独占的企業家、ミュンツァーはドイツ農民戦争の指導者 宗教改革の時代は、経済史の上では「フッガー家…

ルターとクラーナハへの旅(前半)

ルターとクラーナハへの旅 表紙 ルターとクラーナハへの旅 松田至弘 著 牧野出版 発行 2001年12月15日 第1刷発行 ルターとその同時代人の足跡がよくわかる内容となっています。 第一章 ルターとその時代への旅(1) ドイツ・歴史探訪への誘い アイゼナハ …

漱石先生の手紙が教えてくれたこと

漱石先生の手紙が教えてくれたこと 表紙 漱石先生の手紙が教えてくれたこと 小山慶太 著 岩波ジュニア新書 2017年8月22日 第1刷発行 夏目漱石はおそるべき手紙魔であった。 確認されているだけでも、22歳から没する49歳までの間に書かれた手紙は、優に2500…

エンデュアランス号 大漂流

エンデュアランス号 大漂流 表紙 エンデュアランス号 大漂流 エリザベス・ゴーディー・キメル 著 千葉茂樹 訳 あすなろ書房 発行 2017年12月25日 18刷発行 1914年から1916年にかけての、南極大陸沿岸での遭難と奇跡の生還について述べられています。 1874年…

地政学×歴史で理由がわかる ロシア史 キエフ大公国からウクライナ侵攻まで

地政学×歴史で理由がわかる ロシア史 キエフ大公国からウクライナ侵攻まで 表紙 地政学×歴史で理由がわかる ロシア史 キエフ大公国からウクライナ侵攻まで 岩田秀全 監修 朝日新聞出版 発行 2022年7月30日 第1刷発行 1920年代には、「ロシアはアジアでもヨ…

遠野物語と源氏物語 物語の発生する場所とこころ

遠野物語と源氏物語 物語の発生する場所とこころ 表紙 遠野物語と源氏物語 物語の発生する場所とこころ 鎌田東二 編 創元社 発行 2011年12月1日 第一版第一刷発行 はじめに 柳田国男は文明開化の時代の後の人ですから、洋書に対しても関心を持っており、ヨー…

ヨーロッパとゲルマン部族国家

ヨーロッパとゲルマン部族国家 表紙 ヨーロッパとゲルマン部族国家 マガリー・クメール ブリューノ・デュメジル 著 大月康弘 小澤雄太郎 訳 文庫クセジュ 2019年5月30日 発行 序論 啓蒙主義時代の末期、十九世紀初頭に、ローマ帝国の破壊者はうってかわって…

姫路港(飾磨港)のシスレーのバラとにゃんこ

姫路港(飾磨港)のシスレーのバラ 姫路港(飾磨港)のシスレーのバラ、今や花盛りという感じです。 女ざかりのにゃんこ うちのにゃんこです。 久しぶりの出番ですね。 「アタシも女ざかりなのにゃ!」 シスレーのバラをライバル視しています(笑)

十二世紀のルネサンス ヨーロッパの目覚め

十二世紀のルネサンス ヨーロッパの目覚め 表紙 十二世紀のルネサンス ヨーロッパの目覚め チャールズ・ℍ・ハスキンズ 著 別宮貞徳・朝倉文市 訳 講談社学術文庫 2017年8月9日 第1刷発行 元の著作は1927年に発行されました。 この本では十二世紀ルネサン…

ローマ帝国と地中海文明を歩く

ローマ帝国と地中海文明を歩く 表紙 ローマ帝国と地中海文明を歩く 本村凌二 編著 講談社 発行 2013年4月22日 第1刷発行 学術的な解説を施した観光案内書です。 第一章 チルコ=マッシモ 戦車競走の興奮とファシズムの記憶 第二章 マルクス=アウレリウス帝…

柳田国男を歩く 遠野物語にいたる道

柳田国男を歩く 遠野物語にいたる道 表紙 柳田国男を歩く 遠野物語にいたる道 井出孫六 著 岩波書店 発行 2002年11月28日 第1刷発行 出生地の辻川から、遠野物語までの柳田国男の足取りを、著者自身も訪問しながらたどっています。 日本一小さい家 柳田国男…

航海の世界史

航海の世界史 表紙 航海の世界史 ヘルマン・シュライバー 著 杉浦建之 訳 白水社 発行 1977年1月25日 発行 副題は「五千年にわたる船と冒険の歴史」となっています。 1 小さな舟と大きな海 2 地中海という名の転車台 クレタ島は紀元前五十世紀に入植され、…

アルブレヒト・デューラー ネーデルラント旅日記 1520-1521

アルブレヒト・デューラー ネーデルラント旅日記 1520-1521 表紙 アルブレヒト・デューラー ネーデルラント旅日記 1520-1521 アルブレヒト・デューラー 著 前川 誠郎 訳 朝日新聞社 発行 1996年7月10日 第一刷発行 本書はデューラーが1520年7月から翌年の7月…

藤田嗣治 パリを歩く

藤田嗣治 パリを歩く 表紙 藤田嗣治 パリを歩く 清水敏男 著 東京書籍 発行 2021年9月9日 第一刷発行 藤田嗣治のフランスでの足跡を追っかけています。 文章と絵画と写真が、見事に調和とれています。 この本で扱っている絵画の中で自分が好きなのは『ホテル…

後鳥羽院 第二版 Ⅱ

しぐれの雲 五音ないし七音を六音あるいは八音にする工夫は、一つ調子をはずした、ゆったりした節回しをもたらしているようだ それはいかにも帝王調にふさわしい仕掛けで、哀愁も、悲壮美も、そして場合によってはユーモアと呼んで差し支えないような何かも…

後鳥羽院 第二版 Ⅰ

後鳥羽院 第二版 表紙 後鳥羽院 第二版 丸谷才一 著 ちくま学芸文庫 2013年3月10日 第一刷発行 丸谷才一さんによる歌人としての後鳥羽院讃歌です。 歌人としての後鳥羽院 我こそは新じま守よ沖の海のあらき浪かぜ心してふけ 藤原定家の「み渡せば花ももみぢ…

フレップ・トリップ 北原白秋 著

フレップ・トリップ 表紙 フレップ・トリップ 北原白秋 著 岩波文庫 緑48-7 2007年11月16日 第1刷発行 大正14年8月、鉄道省主催の樺太観光団に加わった時の紀行文です。 文体的に実験的な叙述になっています。 揺れ揺れ帆綱よ 海上の饒舌 小樽 挨拶の時、…

大学の起源

大学の起源 表紙 大学の起源 チャールズ・ホーマー・ハスキンズ 著 青木靖三 三浦常司 訳 八坂書房 発行 2009年11月25日 初版第1刷発行 Ⅰ 大学制度の発生 ギリシャ人やローマ人の法律や修辞学や哲学の教育の多くは凌駕しがたいほど高度なものであったが、そ…

古代ローマへの道(後半)

4 われらの大陸の縁で イベリア半島とバルカン半島の古代ローマ道路 バルカンでは、ギリシャとトラキアの文化が地中海から大山脈の縁まで入り込んできていた。 スペインでは、ジブラルタル海峡から北に伸長し、多くの商館を支えとする昔からのライバル、カ…

古代ローマへの道(前半)

古代ローマへの道 表紙 古代ローマへの道 ヘルマン・シュライバー 著 関楠生 訳 河出書房新社 発行 1989年2月22日 初版発行 原題は「ローマ人道路を通ってヨーロッパを駆け巡る」という意味だそうです。 その通り、ヨーロッパ中の古代ローマ道路を詳し…

フェニキア人 古代海洋民族の謎(後半)

黄色がフェニキアの都市 11 黄金時代の終末 フェニキア人の黄金時代は紀元前1150年から紀元前850年くらいの約300年だった。 このあたり一帯は、国境を彼らのところまで推し進めるほどの強力な大国がなかった。 緩慢な衰退は、紀元前850年から350年の500年続…

フェニキア人 古代海洋民族の謎(前半)

フェニキア人 古代海洋民族の謎 表紙 フェニキア人 古代海洋民族の謎 ゲルハルト・ヘルム 著 関楠生 訳 河出書房新社 発行 1976年4月15日 初版発行 1992年11月10日 新装初版発行 レバノンに海上都市国家を築き、商業民族として地中海を支配したフェニキア人 …

アイルランドのハチの巣型の謎のモニュメント

アイルランドのハチの巣型モニュメント 翌日はダブリンからニューグレンジ、モナスターボイスという遺跡を訪問する、現地法人バスエーランの旅行に参加します。 その途中で画像のような場所でバスは止まり、運転手さんがバスに乗ったまま解説してくれました…

坊勢島へようこそ!

BOZEみなとガーデン BOZEみなとガーデン 兵庫県姫路市家島町坊勢の坊勢旅客船ターミナルそばにある、BOZEみなとガーデンです。 オープンガーデンなかはりま2024に参加します。 姫路港から坊勢島にお立ち寄りいただき、ぜひご覧ください!

ジャンヌ=ダルクと百年戦争〔新訂版〕

ジャンヌ=ダルクの百年戦争〔新訂版〕 表紙 ジャンヌ=ダルクの百年戦争〔新訂版〕 堀越孝一 著 清水書院 発行 2017年4月30日 初版第一刷発行 はじめに 18世紀の啓蒙主義は、ジャンヌの事績を迷信と反理性の表現と解説し、 19世紀のロマンティシズムは、民…

新古今集 後鳥羽院と定家の時代(後半)

第七章 帝王が支配する宮廷と文化 一 聖代を描く『源家長』日記 事務局長が見た新古今時代 二 遊興の空間 水無瀬殿の後鳥羽院と近臣たち 水無瀬殿は後鳥羽院の離宮の一つであり、水無瀬川が淀川に合流する地にあった。後鳥羽院はここで近臣と遊ぶのを非常に…

新古今集 後鳥羽院と定家の時代(前半)

新古今集 後鳥羽院と定家の時代 表紙 新古今集 後鳥羽院と定家の時代 田淵句美子 著 角川学芸出版 発行 角川選書 481 平成22年12月25日 初版発行 お名前からして「句」に人生を捧げておられるような著者による、後鳥羽院と藤原定家という熱い歌人を中心とし…

エラスムス 闘う人文主義者(後半)

ホルバインによるエラスムスの肖像画 第7章 ヴェネツィアの印刷業者 エラスムスは『格言集』刊行を実現するため、予定していたローマ行きを一時中止してヴェネツィアに移り住むようになった もともとヴェネツィアは、十五世紀中葉以来、印刷・出版活動のき…