2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ジャンヌ=ダルクと百年戦争〔新訂版〕

ジャンヌ=ダルクの百年戦争〔新訂版〕 表紙 ジャンヌ=ダルクの百年戦争〔新訂版〕 堀越孝一 著 清水書院 発行 2017年4月30日 初版第一刷発行 はじめに 18世紀の啓蒙主義は、ジャンヌの事績を迷信と反理性の表現と解説し、 19世紀のロマンティシズムは、民…

新古今集 後鳥羽院と定家の時代(後半)

第七章 帝王が支配する宮廷と文化 一 聖代を描く『源家長』日記 事務局長が見た新古今時代 二 遊興の空間 水無瀬殿の後鳥羽院と近臣たち 水無瀬殿は後鳥羽院の離宮の一つであり、水無瀬川が淀川に合流する地にあった。後鳥羽院はここで近臣と遊ぶのを非常に…

新古今集 後鳥羽院と定家の時代(前半)

新古今集 後鳥羽院と定家の時代 表紙 新古今集 後鳥羽院と定家の時代 田淵句美子 著 角川学芸出版 発行 角川選書 481 平成22年12月25日 初版発行 お名前からして「句」に人生を捧げておられるような著者による、後鳥羽院と藤原定家という熱い歌人を中心とし…

エラスムス 闘う人文主義者(後半)

ホルバインによるエラスムスの肖像画 第7章 ヴェネツィアの印刷業者 エラスムスは『格言集』刊行を実現するため、予定していたローマ行きを一時中止してヴェネツィアに移り住むようになった もともとヴェネツィアは、十五世紀中葉以来、印刷・出版活動のき…

エラスムス 闘う人文主義者(前半)

エラスムス 闘う人文主義者 表紙 エラスムス 闘う人文主義者 高階秀爾 著 筑摩書房 発行 筑摩選書 0271 2024年1月15日 初版第一刷発行 西洋美術史が専門の著者により、エラスムスの一生を叙述しています。 もともと1970年代初頭に発表された文章で、著者の学…

ダブリンに存在したソ連の残像(アイルランド)

ダブリンのバー「プラウダ」(素手に閉店) ダブリンの街を歩いていたら、画像のような赤色を中心としたファサードで、インパクトの強いソビエト連邦風の店を見つけ、写真に残していました。 店名はプラウダのようです。 プラウダとは新聞の名前で、今もまだ…

フィッツィモンズホテルのバーにて(ダブリン、アイルランド)

アイリッシュミュージシャンたち アイリッシュダンサー フィッツイモンズホテルのパンフレット フィッツイモンズホテルのパンフレット ジェームス・ジョイス・タワーからダブリンに戻り、宿泊先のフィッツィモンズホテルに帰ってきました。 ナイトクラブやバ…

中世に生きる人々

中世に生きる人々 表紙 中世に生きる人々 アイリーン・パウア 著 三好洋子 訳 東京大学出版会 発行 1990年10月5日 第15刷 マルコ・ポーロ以外は中世の平凡な無名の人を扱っています。 著者のアイリーン・パウア(1889-1940)はロンドン大学の経済史の教授で…

望遠鏡以前の天文学 古代からケプラーまで(後半)

第8章 イスラーム世界の天文学 9世紀から15世紀までの間、ムスリムの学者は科学的知識のあらゆる分野において卓越していた。特に天文学と数学への貢献は著しいものだった。 天文学が異なる二つのレベル、 すなわち理論を持たず空に見えるものだけに基づい…

望遠鏡以前の天文学 古代からケプラーまで(前半)

望遠鏡以前の天文学 古代からケプラーまで 表紙 望遠鏡以前の天文学 古代からケプラーまで クリストファー・ウォーカー 編 山本啓二・川和田昌子 訳 恒星社厚生閣 発行 2008年11月5日 初版第1刷発行 肉眼しかなく、器具も不十分な時代でも、一生懸命に天を…