2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ぼくはサイード⑥

ヨウコが自分の原風景を追い求めているように、ぼくも自分の原風景を描き出してみよう。 早速下宿に帰り、予備審査用の報告用紙に、自分の作品を描いていく。 テーマははっきりした。すっすと筆がすすむ。 提出して2、3日、すぐに結果は出た。 出展OKとの…

世紀末のユーロトンネル

今日のラジオフランス語講座では、ユーロトンネルについて取り上げていた。 いわゆる英仏海峡トンネルのことである。 なんでも、このトンネルを営業している、「ユーロトンネル社」が保護手続きに入ったとのことだった。 財政難で、債務の返済を凍結せざるを…

ぼくはサイード⑤

セーヌ河沿いにだらだら、休みながら歩いていたので、パリ市立近代美術館に着いたのは夕方になってしまった。 中に入り、ぼくらの展覧会を行う場所にたどりつく。 2階の広い、U字型のフロアが、みんなのスペースになる。 ここをみんなの作品で埋める、とい…

エラスムスとトマス・モア

世界の名著 17 エラスムス トマス・モア 責任編集 渡辺一夫 昭和44年1月20日発行 中央公論社 夜中、たまにNHK教育の「高校講座 世界史」を見ることがある。 高校のとき、世界史は未履修だった。 もちろん、これは今流行の未履修問題ではなく、単に…

オルセー美術館展にて⑩頑固おやじセザンヌ

最後はセザンヌについて。 今回の展覧会では、おなじみのサント・ヴィクトワール山と、肖像画が展示されている。 何も知らない時に、セザンヌという名前を聞いたときは、きれいな名前だなと思ったが、いろいろ絵を見たり調べたりしていくうちに、とんでもな…

ぼくはサイード④

そんなふざけた格好にもかかわらず、真面目な顔でぼくを見て、 「そこのビデオで私を撮って」と真剣に言われる。 しかたなく、カメラを構え、彼女に向ける。 スイッチを入れると、彼女は一生懸命、デンマーク体操(のようなもの)をしはじめた。 延々と、手…

ピッチに泣き崩れる「カレーの市民」(フランスフットボール)

フランスフットボールの思い出の続き。 フランスにも、日本の天皇杯と同じような、トーナメント方式の大会がある。 これには、やっぱり日本と同じように、下位リーグからも参加できる。 そして、たまには、下位の弱小で、お金もあまりなさそうなチームが、一…

フランスのフットボールリーグ

今週のラジオフランス語講座応用編では、サッカーを取り上げていた。 今回は、アフリカ系の選手が、人身売買のようにリクルートされている実態を伝えていた。 アマチュアリーグのような悪条件なところで、なんの保証もなく練習しているのである。 フランスリ…

母と二人の息子の群像(ストラスブール・共和国広場)

もうあと数日でストラスブールを離れるというある夏の朝空は夏らしからぬ曇った表情寝ぼすけな自分には珍しく早起きをして石畳の旧市街を横切りたどりつくは「共和国」広場プラス・ドゥ・ラ・レプブリク円形の広場をなぞるように歩いたり対角線に歩いたりし…

ロシアはヨーロッパか

ソビエト大横断1万4千キロ―バイクで走った、見た、話した 瀧澤一郎 著 文藝春秋 1991年9月10日 第1刷 新ロシア紀行 見たこと、聞いたこと、読んだこと 聴濤弘 著 新日本出版社 2004年2月15日 第2刷 ロシアはヨーロッパなのか、とよく思う…