フランス物語

敗者が変えた世界史 上 ハンニバルからクレオパトラ、ジャンヌ・ダルク

敗者が変えた世界史 上 表紙 敗者が変えた世界史 上 ハンニバルからクレオパトラ、ジャンヌ・ダルク ジャン=クリストフ・ビュイッソン エマニュエル・エシュト 著 神田順子 田辺希久子 訳 原書房 発行 2019年9月25日 第1刷 原題は、LES GRAND VAINCUS DE L…

二人のウラジミール レーニンとプーチン

二人のウラジミール レーニンとプーチン 二人のウラジミール レーニンとプーチン 伴野文夫 著 藤原書店 発行 2024年6月30日 初版第1刷発行 題名はレーニンとプーチンになっていますが、ほとんどレーニンについて書かれており、プーチンさんはほとんど出てき…

日本脱出記 大杉栄

日本脱出記 大杉栄 表紙 日本脱出記大杉栄 著大杉豊 解説土曜社 発行2011年8月15日 初版第2刷発行このブログでは多くのヨーロッパ紀行を載せていますが、その中でもこの本は特異です。フランスの当時の牢屋の様子などが詳しく書かれています。バリやリヨンの…

海港と文明 近世フランスの港町(第五章・あとがき)

マルセイユの旧港と新港 第五章 港町のたそがれ 1 商人にせまる運命 革命は当初から内陸的・農村的性格をおびたが、それは山岳派独裁による「恐怖政治」の時期にとりわけ鮮明になり、18世紀に繁栄を謳歌した港町に対する内陸社会の復讐という色彩を濃厚にす…

海港と文明 近世フランスの港町(第三・四章)

マルセイユの旧港と市庁舎 第三章 商人社会のなりたち 1 官と民のまなざし 近代歴史学は、19世紀のヨーロッパで成立した。 史料とはすなわち公文書 20世紀後半の歴史学において、私文書も使われるようになった。 商人書簡を読んでいて印象的なことの一つは…

海港と文明 近世フランスの港町(第二章)

第二章 海と陸のあいだで 1 港町の三類型 港湾立地の自然条件 ・気象条件 ・潮汐 歴史的に港湾建設の技術がまず地中海で発達したのは、1つにはそこに潮汐がないからである。 しかし大西洋の厳しい自然条件が、かえって近代的な港湾土木工学の出現を促した。…

海港と文明 近世フランスの港町(第一章)

海港と文明 近世フランスの港町 表紙 海港と文明 近世フランスの港町 深沢克己 著 山川出版社 発行 2002年10月30日 1版1刷発行 フランスの港町といえば、自分にとってはマルセイユの印象が強いです。 マルセイユは仕事絡みで行ったので、昼間はほとんど何も…

脇役たちの西洋史 9つのライフ・ヒストリー

脇役たちの西洋史 9つのライフ・ヒストリー 表紙 脇役たちの西洋史 9つのライフ・ヒストリー 有光秀行 鈴木道也 編 八坂書房 発行 2024年2月22日 初版第1刷発行 第1章 忘れられた「第三の守護聖人」―アウクスブルク・ノイブルク司教聖シントペルトゥス(†…

五木寛之全紀行2 スペインの墓標 西欧・南欧編(フランス)

五木寛之全紀行2 スペインの墓標 西欧・南欧編 表紙 五木寛之全紀行 2 スペインの墓標[西欧・南欧編] 五木寛之 著 東京書籍 発行 平成14年6月4日 第1刷発行 フランスから割と軽い話で始まり、イギリスで五木さんは元気にゴルフをし、イタリアでは粋な靴…

ヨーロッパ運河ヨットの旅

ヨーロッパ運河ヨットの旅 表紙 ヨーロッパ運河ヨットの旅 田中憲一 著 新潮社 発行 とんぼの本 1988年7月25日 発行 (北海から地中海まで運河と川を利用して縦断した記録です。 1986年から87年にかけて、ご家族でオランダからベルギーを通過して、フランス…

世界カリヨン紀行

世界カリヨン紀行 世界カリヨン紀行 アンドレ・レア 海老沢敏 新宮晋 田村紘三 著 新潮社 とんぼの本 1994年11月25日発行 書名は世界カリヨン紀行となっていますが 、日本国内とヨーロッパのカリヨンについて多くのページを割いています。 自分がカリヨンで…

本の都市リヨン(Ⅱ~終章)

リヨンの街並み Ⅱ リオン出版業の産声 4 ものを書く商人 リヨンには知の核なるべき2つのシステムが欠如していた。 大学と高等法院である。 リヨン大学の創設は19世紀末である。 リヨンの人たちの目指す大学はどこだったか? 神学とか自由七科ならパリ大学へ…

本の都市リヨン(序章・Ⅰ)

本の都市リヨン 表紙 本の都市リヨン 宮下志朗 著 晶文社 発行 1989年12月20日 発行 シンプルな題名にひかれて読んでみました。 リヨンの「書物の世界」の光芒を、当時の社会的、経済的背景とともに物語っています。 リヨンには2回ほど行ったのですが、この…

世界の言語ガイドブック 1 ヨーロッパ・アメリカ地域(後半)

バスク語 バスク語は、周囲を取り巻いているラテン系の諸言語とは系統関係がない 。 バスク人は印欧語諸民族の侵入以前からイベリア半島に住んでいた。ずっと昔コーカサス地方から移住したのだろうと言う人もいるが 、バスク人の間では、考古学的発見を根拠…

藤田嗣治 パリからの恋文(後半)

フジタ作 『カフェにて』 第三章 エコール・ド・パリ エコール・ド・パリ、というのは、1900年代初頭から1930年にかけて、世界中からパリに集まり、新しい美術を生み出していった一群の芸術家たちを総称する名称である。 1920年代を中心に、パリにはレ・ザン…

藤田嗣治 パリからの恋文(前半)

藤田嗣治 パリからの恋文 表紙 藤田嗣治 パリからの恋文 湯原かの子 著 新潮社 発行 2006年3月25日 発行 書名だけ見るとロマンチックな内容のように見えますが、中身は骨太の力作です。 パリでの修行時代から第一次世界対戦下のフランス、そして狂乱のエコー…

フランスの伝統色

ランキング参加中読書 ランキング参加中フランスグループ フランスの伝統色 表紙 フランスの伝統色 城一夫 著 澤地真由美 デザイン パメラ・ミキ 翻訳 奥山光洋 撮影 西岡詠美 編集 ピエ・ブックス 発行 2010年11月3日 第3刷発行 以前『色の辞典』という本を…

ニームのサント=ペルペデュ教会(フランス)

古の写真で巡るフランスのニーム編、主に古代ローマ関係遺跡の画像が多かったのですが、ニームの最後はこの写真を撮っていました。 ファサードとそれに伴う尖塔の美しさに魅かれていたのかもしれません。 改めてグーグルマップ等で確認すると、サント=ペル…

ニームのアウグストゥス門(フランス)

画像はニームのアウグストゥス門、別名アルル門と呼ばれる古代ローマ遺跡です。 古代ニームの主要な城門の一つです。 入り口は4つあり、大きな中央の2つは車両通行用で、その両側の小さい入り口は歩行者用だった、とのことです。 右側の大きな入り口の向こ…

ニームの古代ローマ貯水槽(Castellum Aquae)

画像はニームの古代ローマ時代の貯水槽です。 紀元1世紀中ごろに造られました。 大きさは直径5.9m、深さ1.4mです。 ユゼスの泉からここニームまで、なんと50㎞の導水路を建設しました。かの有名な水道橋であるポン・デュ・ガールもその一部です。…

マーニュ塔からのいい眺め(ニーム、フランス)

マーニュ塔からニームの街並みを眺めます。一枚目は中心街です。この日は霞がかったように、薄ぼんやりしていました。全体的には橙色と黄土色の間の色になるのでしょうか?どの色名で表現したらいいのかよくわかりません。そんな中、中央の白い建物がやや目…

マーニュ塔へ(ニーム、フランス)

フォンテーヌ公園・ディアナの神殿から、丘を登ってマーニュ塔に到着します。 この塔は、古代ローマのアウグストゥス皇帝が築いた城壁と一体となった監視塔のようなものではないかと言われています。 このような城壁と一体だった廃墟の塔は、ヴィエンヌ(ビ…

ニームのディアナ神殿(フランス)

画像は前回のニームのフォンテーヌ公園内にある、ディアナ神殿です。 崩れかけた建物のすき間に草も生えていますが、ずっしりとした廃墟の美も感じます。 石灰岩の大きな切り石を積んだ、紀元後2世紀頃のガロ・ロマンの代表的な建築物、とのことです。 とり…

ニームのフォンテーヌ公園

ニームの歴史的中心地区から、フォンテーヌ通りを歩いていきます。 水路と並木道が涼やかな雰囲気を醸し出しています。 こちらがフォンテーヌ公園となります。 フォンテーヌとは泉を意味します。直訳すると「泉公園」となります。と聞くと、大阪の「泉の広場…

野心的なニームのカレ・ダール

ニームのメゾン・カレに相対するように建っているカレ・ダールです。 メゾン・カレを現代的にしたデザインで、あたかもパリの凱旋門に対する新凱旋門のような野心的な建物です。 ノーマン・フォスターにより設計されました。 メゾン・カレはフランス語にする…

ニームのメゾン・カレの建造時期について

画像はニームのメゾン・カレです。これについていろいろ書こうと思い、手元の資料とか見てたら、いきなり建造時期でつまずいてしまいました。以前読書メモで書いた時は西暦315年頃と書いていました。というのは訪問した2000年当時、ニームでもらった日本語パ…

ブレグジットによる、フランスの税関のストについて、など

ブレグジットによる、フランスの税関などに関連するニュースです。 英の合意なき離脱 仏も備え 税関・検疫 建設急ピッチ 3/30(土) 20:25配信 英下院で29日、欧州連合(EU)との離脱合意案のうち離脱条件を定めた「離脱協定」が否決され、離脱問題の行方はよ…

ニームのローマ円形闘技場からの眺め

円形闘技場から、ニームの街並みを眺めます。高さ的には街並みというよりも、その上っ面という感じですね。遠くの緑の丘の上にポツンと見える岩のような物体はマーニュ塔です。この辺りにはこの後に訪ねることになります。オレンジ色の屋根が目立つ中、にょ…

今も生きてる古代ローマ円形闘技場(ニーム、フランス)

ニームの古代ローマ円形闘技場の中に入ります。 内部はきちんと整備され、現在でも様々な用途に使用されています。 まさしく今も生きている円形闘技場と言えるでしょう。 最近ではサイクルロードレースにも使われていました。 Summary - Stage 1 - La Vuelta…

ニームの古代ローマ円形闘技場の外観

ニームのプラディエの噴水のそばにある、古代ローマ円形闘技場に着きます。 まずは外観から。 二層からなる、がっしりとした造りになっています。 一階も二階も同じような感じなのですが、よく見ると、一階は角型の「付け柱」(ピラストル)で飾り、二階は変形…