#語学、教育

日本語の補助動詞とそれに対応するフランス語の表現(フランス語を考える20章 より)

日本語では、《移動》と《話し手を原点とする方向性》を示す補助動詞としての「いく/くる」が頻繁に用いられます。それは、「去っていく」、「上がっていく」のような「〜ていく」という形と、「降ってくる」、「買ってくる」のような「〜てくる」という形…

フランス語を考える20章

フランス語を考える20章 表紙 フランス語を考える20章 泉邦寿 著 白水社 発行 1978年7月20日 第1刷発行 1994年1月15日 第4刷発行 もともと、雑誌『ふらんす』に1974年4月から1976年3月まで2年間にわたって連載したもののうち、特に意味論に関連の深いものを…

B・H・チェンバレン 日欧間の往復運動に生きた世界人(後半)

Ⅳ 東西間の往復運動 日本滞在記の前期と後期を比べると、チェンバレンの日本研究の面での違いの他に、彼がヨーロッパに里帰りをした回数に大きな違いがあることがわかる。 それでも日本滞在記の後半においても、ヨーロッパに里帰りした期間よりも、日本に滞…

B・H・チェンバレン 日欧間の往復運動に生きた世界人(前半)

B・H・チェンバレン 日欧間の往復運動に生きた世界人 表紙 B・H・チェンバレン 日欧間の往復運動に生きた世界人 太田雄三 著 リブロポート 発行 シリーズ民間日本学者 24 1990年3月20日 初版第1刷発行 チェンバレン(1850−1935)の、主に書簡を通じて、その生…

不死鳥カトリーヌ・トロットマン、ストラスブール市長に返り咲き

2026年ストラスブール市長選第二回投票の得票率 ランキング参加中フランスグループ ランキング参加中外国語 DNA(Dernières Nouvelles d'Alsace アルザス最新ニュース)の記事からです。 自動翻訳を一部手直ししましたが、自分の語学力不足により、まだ不十分…

クレットマン日記 若きフランス士官の見た明治初年の日本(解説等)

解説 松崎硯子 クレットマンの学んだエコール・ポリテクニック エンジニア養成校として1794年に設立され、1804年に皇帝ナポレオン・ボナパルトが革命後に不足していた将校軍人を養成するための軍人養成校にした高等教育機関で、現在でも国防省の所管である。…

日本語を作った男 上田万年とその時代(第二部)

第二部 万年の国語愛 第八章 日本語改良への第一歩 それまでの写本の段階では方言などの影響で揺れていた表記が、印刷によって一定のものへと次第に固定化されていく。 およそ印刷は、カクストンの出版印刷所がロンドンに置かれたのと同じように、中国や我が…

日本語を作った男 上田万年とその時代(第一部)

日本語を作った男 上田万年とその時代 表紙 日本語を作った男 上田万年とその時代 山口謡司 著 集英社インターナショナル 発行 2016年2月29日 第1刷発行 近代言語学を初めて日本に導入すると同時に、標準語の制定や仮名遣いの統一などを通じて「近代日本語」…

訓読と漢語の歴史〔ものがたり〕

訓読と漢語の歴史〔ものがたり〕 表紙 訓読と漢語の歴史[ものがたり] 福島直恭 著 花鳥社 発行 2019年2月28日 初版第1刷発行 漢文の訓読文はどのような経緯で成立し、その後どのような変遷をたどったのか、そしてそれはなぜか、ということを、漢語の存在と…

小栗上野介 忘れられた悲劇の幕臣(第二章)

小栗上野介とヴェルニーの胸像 第二章 幕末期の構造改革 第一節 変わり果てた祖国の姿 アメリカ政府から、アメリカの他の町や、ヨーロッパのロンドンやパリも回ったらどうかと提案されるが、断りを入れる使節一行 ニューヨーク→(大西洋)→ベルデ岬諸島→ロアン…

柳田國男 人と思想199

柳田國男 人と思想199 表紙 柳田國男 人と思想199 菅野覚明 著 清水書院 発行 2023年9月25日 第1刷発行 柳田國男の人生を振り返り、その思想世界の全貌を明快に描き切った評伝です。 はじめに――「柳田山」の道標 柳田の文体の特徴とされる持って回ったような…

姉・米原万里 思い出は食欲と共に

姉・米原万里 思い出は食欲と共に 表紙 姉・米原万里 思い出は食欲と共に 井上ユリ 著 文藝春秋 発行 2016年6月5日 第2刷発行 米原万里さんの妹で、井上ひさしさんの妻である井上ユリさんによる、米原万里さんのエピソード集です。 ご家族というだけあって、…

パリと日本人 近代文学セレクション

パリと日本人 近代文学セレクション 表紙 パリと日本人 近代文学セレクション 高村光太郎、林芙美子ほか 著 和田博文 編 平凡社 発行 2025年12月5日 初版第1刷 平凡社ライブラリー1004 第一次世界大戦期にあたる1910年代から、五月革命が勃発する1960年代後…

読書の歴史 あるいは読者の歴史

読書の歴史 あるいは読者の歴史 表紙 読書の歴史 あるいは読者の歴史〈新装版〉 アルベルト・マングェル 著 原田範行 訳 柏書房 発行 1999年9月30日 第1刷発行 2013年1月25日 新装版第1刷発行 古今東西の読書に関するエピソードを集めています。 最後のペー…

ショックなお知らせ(ラジオフランス語講座)

まいにちフランス語 NHKテキスト2月号 表紙 NHKラジオフランス語講座、 3月30日からFMで午前2時からになるとのことです。 1日3回のラジオ放送が1回に減り、なおかつ夜中というのがあまりに急激な、落差のある変更で残念です。 まあネットで、いつでも聞ける…

漢字が日本語をほろぼす(後半)

第三章 漢字についての文明論的考察 漢字文化圏は亀井孝が言うように、「日本を最終の局限」とし、「最後の実験室」として、「それ以上先へ進む」ことはなかったのである。つまり日本は漢字文化圏の行き止まりの役目を果たしたのである。そして、これ以後、…

漢字が日本語をほろぼす(前半)

漢字が日本語をほろぼす 表紙 漢字が日本語をほろぼす 田中克彦 著 角川 マーケティング 発行 角川SSC新書126 2011年5月25日 第1刷発行 『漢字が日本語を滅ぼす』という刺激的なタイトルですが、確かに漢字の難しさを考えると、伝達手段としての言葉としては…

星の王子さまのトートバッグ

星の王子さまのトートバッグ 駅前の百貨店に行ったら、「星の王子さまマルシェ」と題して、『星の王子さま』のイラストをあしらった小物類の販売会をしていました。 嬉しくなって色々見ていましたが、結局、写真のようなトートバッグを買ってしまいました。 …

Aillwee(Ailwee)洞窟の綴りと発音(アイルランド、バレン高原)

エルウィ洞窟内部 画像はAilweeの洞窟内部です。 基本的なことですが、まずこのAilweeという名から。 現地でもらったパンフレットにそう書いてあったのですが、ホームページとかだとAillweeとLが重なっていました。 どちらも使えそうですが、今後はとりあえ…

世界中で言葉のかけらを 日本語教師の旅と記憶

世界中で言葉のかけらを 日本語教師の旅と記憶 世界中で言葉のかけらを 日本語教師の旅と記憶 山本冴里 著 2023年10月15日 初版第1刷発行 この本では、日本語教師としての体験や、複数言語使用への肯定、同業者の話、旅、日常などについて書いています。いず…

ラテン語の世界史

ラテン語の世界史 表紙 ラテン語の世界史 村上寛 著 ちくま新書 1860 2025年6月10日 第1刷発行 第1章 現代のラテン語 日本の国立大学では86校中28校というおよそ1/3の大学で、初級文法相当のラテン語の講座が開かれています(2022年度) 第2章 ラテン語の起…

ジョージア旅暮らし20景(後半)

ジョージアにおけるワイン造り トビリシ近郊&ラチャ=レチュフミ地方 9 ジョージアの古都・ムツヘタ ムツヘタは栃ノ心関の故郷で、5世紀までジョージア東部に存在したイベリア王国の首都でもあった。 ジョージアではどの教会へ入る時も、女性は髪の毛をス…

ジョージア旅暮らし20景(前半・トビリシ)

ジョージア旅暮らし20景 表紙 ジョージア旅暮らし20景 ERIKO 著 東海教育研究所 発行 2022年2月17日 第1刷発行 2017年の夏の終わりの、ジョージア(グルジア)滞在記です。 カラー写真や地図も豊富で、分かりやすい本になっています。 著者の方はロシア語も…

閉ざされた言語・日本語の世界

閉ざされた言語・日本語の世界【増補新版】表紙 閉ざされた言語・日本語の世界【増補新版】 鈴木孝夫 著 新潮社 発行 2017年2月25日 発行 初版は1975年に出版されましたが、それにやや詳しい注を増やすという形の増補版です。 第一章 日本人は日本語をどう考…

フランス語の歴史

フランス語の歴史 表紙 フランス語の歴史 島岡茂 著 大学書林 発行 平成5年10月20日 第4版発行 フランス語の起源 フランス語の歴史はローマ人がガリアに進出した時期に始まる。この進出は ほぼ紀元前120年頃、まず南仏ナルボンヌを中心にプロヴァンスへ 100…

ことばはフラフラ変わる

ことばはフラフラ変わる 表紙 ことばはフラフラ変わる 黒田龍之助 著 白水社 発行 2018年1月12日 発行 黒田先生の本は何冊も読ませていただいてます。この本は著者が大学で行った比較言語学の講義をもとに書かれました。 1 言語が変化する理由を想像する 言…

エスペラントの話

エスペラントの話 表紙 エスペラントの話 三宅史平 著 大学書林 発行 昭和57年2月20日 第3版発行 著者がこの本を書き始めたのは、1959年の初めということです。 第一部 国際語エスペラントの話 エスペラントの創案者ザメンホフは、1859年ロシア領ポーランド…

パリの本屋さん(Ⅱ~終)

Ⅱ パリところどころ 最新の研究によれば、ゴシック建築とはイベリア半島から北漸したイスラムの石組法と、ノルマンディー半島から南斬したヴァイキング船の木組法が、12世紀に北フランスで出会って生まれたものとされる。 Ⅲ パリの本屋さん パリの古書店に入…

海港と文明 近世フランスの港町(第五章・あとがき)

マルセイユの旧港と新港 第五章 港町のたそがれ 1 商人にせまる運命 革命は当初から内陸的・農村的性格をおびたが、それは山岳派独裁による「恐怖政治」の時期にとりわけ鮮明になり、18世紀に繁栄を謳歌した港町に対する内陸社会の復讐という色彩を濃厚にす…

ロシアの空の下(橘耕斎正伝)

橘耕斎とゴシケーヴィチが編纂した『和魯通言比考』 三 幕末・明治の人々 橘耕斎正伝 帝政ロシア外務省に勤務した日本人の話 耕斎は何よりも好奇心が強く、幾分軽率さを備えた人間だったと思う。 明治7年の日本帰国以来、さらに明治18年の他界以後、諸々の新…