2023-01-01から1年間の記事一覧

ジョイスが滞在していた頃の塔のエピソード(アイルランド)

開館時のジェイムス・ジョイス・タワー ジョイス博物館を出て、外から開館時の写真を撮ります。 日本語パンフレットに掲載されていた、「ジョイスが滞在していた頃のタワー」について転載しておきます。 オリバー・シンジン・ゴガティが住んでいた1904年8月…

歴史読本 民俗学のふるさと 辻川

歴史読本 民俗学のふるさと 辻川 表紙 歴史読本『民俗学のふるさと 辻川』 辻川史編集委員会 編集 辻川区自治会 発行 令和5年(2023年)3月1日 発行 兵庫県神崎郡福崎町の辻川区の自治会によって発行された本です。 自治会でこれほどレベルの高い本を発行で…

天の蛇 ニコライ・ネフスキーの生涯(後半)

大正13年(10年の誤りか?)3月30日、柳田国男の第1回渡欧を記念するために撮影。前列向かって右から柳田国男、ネフスキー、金田一京助。後列左端が折口信夫 第七章 大阪在住時代 一 宮古島民俗の研究 ネフスキーは宮古群島へ1922年と26年、28年と三度にわた…

天の蛇 ニコライ・ネフスキーの生涯(前半)

天の蛇 ニコライ・ネフスキーの生涯(前半) 天の蛇 ニコライ・ネフスキーの生涯 加藤九祚 著 河出書房新社 発行 昭和54年10月15日 5版発行 柳田国男の文章にもよく出てくるロシア人ニコライ・ネフスキーの波乱の人生を叙述した本です。 悲劇的な最期を迎え…

ジェイムス・ジョイス・タワー内博物館に展示されたマティスの挿絵

マティスの挿絵 開館時間の二十分後くらいにやっと、ジョイス博物館の職員が車でやってきました。 待っていたみんながぞろぞろ中に入っていきます。 画像はジェイムス・ジョイスタワー内部で唯一撮った写真です。 あまり上手く撮れていませんが、マティス(…

尖塔に黄金の風見鶏設置 ノートルダム大聖堂 フランス・パリ

風見鶏に遺物を入れるパリ司教 尖塔に持ち上げられる風見鶏 尖塔の上には人影が 尖塔のてっぺんに設置される風見鶏 【AFP=時事】フランス・パリで16日、ノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)の新しい尖塔(せんとう)に黄金の風見鶏の像が設置された…

アイルランド 自然・歴史・物語の旅

アイルランド 自然・歴史・物語の旅 表紙 アイルランド 自然・歴史・物語の旅 渡辺洋子 著 三弥井書店 発行 平成26年10月14日 初版発行 この本は第1部では地図を片手にアイルランドを旅しながら、行く先々の自然やそれにまつわる歴史、伝説、物語を紹介する…

地中海幻想の旅から 辻邦生 著

地中海幻想の旅から 表紙 地中海幻想の旅から 辻邦生 著 第三文明社 発行 レグルス文庫187 1990年5月30日 初版第1刷発行 地中海沿岸国やパリを中心とするフランスなどへの旅のエッセイ集です。 Ⅰ 地中海幻想の旅から 世界で最も美しい街としてシエナをあげ…

星の王子さまの眠る海

星の王子さまの眠る海 表紙 星の王子さまの眠る海 エルヴェ・ヴォドワ フィリップ・カステラーノ アレクシス・ローザンフェルド 著 香川由利子 訳 ソニー・マガジンズ 発行 2005年8月10日 初版第1刷発行 1944年7月31日コルシカ島からフランス南東部サヴォワ…

ブダペスト日記 徳永康元 著

ブダペスト日記 表紙 ブタペスト日記 徳永康元 著 新宿書房 発行 2004年8月10日 第一版第一刷発行 山口昌男さんとの古書の話と1939年から1942年、第二次世界大戦の足音がひたひたと迫る中でのハンガリー留学記が特に興味深かったです。 Ⅰ ヨーロッパの旅日記…

ジェイムズ・ジョイスの塔あたりからの風景(アイルランド)

スコッツマンズ・ベイ沿岸 ジェイムズ・ジョイスの塔あたりからの風景 久しぶりにアイルランドに戻ります。ジェイムス・ジョイスの塔の博物館が開館するまで、周りの風景を写真に撮っていました。上の画像は歩いて通ってきた、ダンレアリーからの海沿いの風…

NHKテレビ しあわせ気分のドイツ語講座 救世主現る!

NHKテレビ語学講座 しあわせ気分のドイツ語 テキスト表紙 以前の記事で、NHKテレビ「しあわせ気分のドイツ語講座」のベルリンのタトゥー娘に文句言っていたのですが(笑)、救世主が現れました。 それはミュンヘンの音大生レベッカさんです。 彼女はミュンヘ…

フリードリヒ2世 シチリア王にして神聖ローマ皇帝

フリードリヒ2世 シチリア王にして神聖ローマ皇帝 表紙 フリードリヒ2世 シチリア王にして神聖ローマ皇帝 藤澤房俊 著 平凡社 2022年3月9日 初版第1刷発行 本書は、ドイツのシュタウフェン家とシチリアのノルマン朝の血を引き、教皇と戦い続けたシチリア…

定家『明月記』の物語 書き留められた中世

定家『明月記』の物語 書き留められた中世 表紙 定家『明月記』の物語 書き留められた中世 稲村榮一 著 ミネルヴァ書房 2019年11月30日 初版第1刷発行 はしがき 明月記は同時代の方丈記や平家物語に比べて、視野が広い。 定家は時代の全体を見聞き出来る好…

ロシア万華鏡 社会・文学・芸術

ロシア万華鏡 社会・文学・芸術 表紙 ロシア万華鏡 社会・文学・芸術 沼野恭子 著 五柳書院 発行 2020年3月31日 初版発行 この本は、2007年よりおよそ十年間に書きためた、ロシアに関する文章をまとめたものです。 現在から見ると、まだロシアの風通しのよか…

アッティラ大王とフン族 神の鞭と呼ばれた男

アッティラ大王とフン族 神の鞭と呼ばれた男 アッティラ大王とフン族 神の鞭と呼ばれた男 カタリン・エッシャー ヤロスラフ・レベディンスキー 著 新保良明 訳 講談社 発行 2011年7月10日 第一刷発行 再びアッティラおよびフン族に関する本です。 本書の目的…

教養としてのゲーテ入門「ウェルテルの悩み」から「ファウスト」まで

教養としてのゲーテ入門「ウェルテルの悩み」から「ファウスト」まで 表紙 教養としてのゲーテ入門 「ウェルテルの悩み」から「ファウスト」まで 仲正昌樹 著 新潮社 2017年1月15日 発行 第一章 ウェルテルの「悩み」とは? 『若きウェルテルの悩み』は書簡…

エマニュエル・マクロン フランス大統領に上り詰めた完璧な青年

エマニュエル・マクロン フランス大統領に上り詰めた完璧な青年 表紙 エマニュエル・マクロン フランスの大統領に上り詰めた完璧な青年 アンヌ・フルダ 著 加藤かおり 訳 プレジデント社 発行 2018年4月1日 第1刷発行 フン族のアッティラの次は、フランスの…

フン族 謎の古代帝国の興亡史(後半)

アッティラの撃退(ヘリオドロスの間、ラファエッロの間、ヴァティカン美術館) 第六章 アッティラの敗北 Ⅰ アッティラ、アエティウス、西ローマ帝国 Ⅱ ガリア侵入以前の出来事 451年のガリア侵入と452年のイタリア侵入 Ⅲ ガリアから撃退 フン族は気勢をあげ…

フン族 謎の古代帝国の興亡史(前半)

フン族 古代帝国の興亡史 表紙 フン族 謎の古代帝国の興亡史 E.A.トンプソン 著 木村伸義 訳 法政大学出版局 1999年8月5日 初版第1刷発行 序文 本書は ・モンゴリアのフン族ではなく、クバン川流域に居住していたフン族の歴史を創始する ・フン族が四世紀末…

ペトラルカ 生涯と文学

ペトラルカ 生涯と文学 表紙 ペトラルカ 生涯と文学 近藤恒一 著 岩波書店 発行 2002年12月20日 第1刷発行 ペトラルカの生涯と思想・文学について述べた本格的な入門書です。 イタリア人で、なおかつフランスのアヴィニョンにも深い関りがあったペトラルカ…

イタリア中世都市国家研究 清水廣一郎 著

イタリア中世都市国家研究 清水廣一郎 著 表紙 イタリア中世都市国家研究 清水廣一郎 著 岩波書店 発行 昭和50年3月28日 第一刷発行 内容はかなり専門的です。日本語に当てはめにくいイタリア語の単語が沢山出てきます。 一 イタリア中世都市国家の構造 12世…

新版 ヨーロッパの中世(後半)

第11章 新しい宗教生活 1 異端:ワルド派、カタリ派 異端とは、当該の時代や社会において、しかるべき権威によって異端とされたもの 2 托鉢修道会 フランチェスコ会、ドミニコ会、カルメル会、アウグスティヌス隠修士会 3 民衆のキリスト教化 第12章 知の…

新版 ヨーロッパの中世(前半)

新版 ヨーロッパの中世 表紙 新版 ヨーロッパの中世 神崎忠昭 著 慶応義塾大学出版会 2022年5月18日 新版第1刷発行 本書は大学でヨーロッパ中世史を学ぶ人のための「入口」にあたります、とのことです。 イントロダクション 1 時代区分 本書では中世のはじ…

テクストとしての柳田国男

テクストのしての柳田国男 表紙 テクストのとしての柳田国男 知の巨人の誕生 石井正己 著 三弥井書店 発行 平成27年1月9日 初版発行 多くの著作だけでなく、編集にも関わってきた著者による、テクストからみた柳田国男論です。 それにしても、いろいろな柳田…

堀米庸三著 ヨーロッパ歴史紀行(後半)

地中海世界の覚え書(1) 極度に偶像を忌み嫌ったキリスト教が偶像崇拝的になったのは、ヘレニズムのせいであったということ、そしてキリスト教のヘレニズム化になしには、キリスト教は世界宗教たりえなかった。 フィディアスがアテナ女神像のコンクールに…

堀米庸三 著 ヨーロッパ歴史紀行 (前半)

堀米庸三 著 ヨーロッパ歴史紀行 表紙 ヨーロッパ歴史紀行 堀米庸三 著 筑摩書房 発行 1981年7月20日 第1刷発行 はしがき わがうちなる「ヨーロッパ」をもとめて 1971年、梅雨明け頃から2か月ほどヨーロッパを巡る堀米さん ドナウ諸国をゆく ベオグラードは…

NHK テレビ語学講座 しあわせ気分のイタリア語・フランス語・ドイツ語・スペイン語

NHKテレビ語学講座 しあわせ気分のイタリア語 テキスト表紙 10月開講のNHKテレビ語学講座。 月から木まで、イタリア語、フランス語、ドイツ語、スペイン語と、勉強しているわけではなく、朝の準備をしながらヨーロッパの映像を楽しく観ています。 しっかり…

中世イタリア都市国家成立史研究

中世イタリア都市国家成立史研究 表紙 中世イタリア都市国家成立史研究 佐藤眞典 著 ミネルヴァ書房 発行 2001年2月25日 初版第1刷発行 この本の具体的な内容 ・興隆してきた北イタリアのコムーネが、十二世紀後半、帝国の再建に粉骨砕身するフリードリッヒ…

パリとアヴィニョン 第二部 アヴィニョン 教皇庁の再編 第四章 人間たち

アヴィニョンの教皇宮殿 第四章 人間たち 第一節 教皇 1 クレメンス五世 クレメンス五世の行動は一貫性を欠き、フランス王権の理不尽な主張に十分に対抗しえていない。 クレメンス五世の気質は、きわめて慎重にして温和であり、極端な判断・決定を嫌い、妥…