2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

後鳥羽院 第二版 Ⅱ

しぐれの雲 五音ないし七音を六音あるいは八音にする工夫は、一つ調子をはずした、ゆったりした節回しをもたらしているようだ それはいかにも帝王調にふさわしい仕掛けで、哀愁も、悲壮美も、そして場合によってはユーモアと呼んで差し支えないような何かも…

後鳥羽院 第二版 Ⅰ

後鳥羽院 第二版 表紙 後鳥羽院 第二版 丸谷才一 著 ちくま学芸文庫 2013年3月10日 第一刷発行 丸谷才一さんによる歌人としての後鳥羽院讃歌です。 歌人としての後鳥羽院 我こそは新じま守よ沖の海のあらき浪かぜ心してふけ 藤原定家の「み渡せば花ももみぢ…

フレップ・トリップ 北原白秋 著

フレップ・トリップ 表紙 フレップ・トリップ 北原白秋 著 岩波文庫 緑48-7 2007年11月16日 第1刷発行 大正14年8月、鉄道省主催の樺太観光団に加わった時の紀行文です。 文体的に実験的な叙述になっています。 揺れ揺れ帆綱よ 海上の饒舌 小樽 挨拶の時、…

大学の起源

大学の起源 表紙 大学の起源 チャールズ・ホーマー・ハスキンズ 著 青木靖三 三浦常司 訳 八坂書房 発行 2009年11月25日 初版第1刷発行 Ⅰ 大学制度の発生 ギリシャ人やローマ人の法律や修辞学や哲学の教育の多くは凌駕しがたいほど高度なものであったが、そ…

古代ローマへの道(後半)

4 われらの大陸の縁で イベリア半島とバルカン半島の古代ローマ道路 バルカンでは、ギリシャとトラキアの文化が地中海から大山脈の縁まで入り込んできていた。 スペインでは、ジブラルタル海峡から北に伸長し、多くの商館を支えとする昔からのライバル、カ…

古代ローマへの道(前半)

古代ローマへの道 表紙 古代ローマへの道 ヘルマン・シュライバー 著 関楠生 訳 河出書房新社 発行 1989年2月22日 初版発行 原題は「ローマ人道路を通ってヨーロッパを駆け巡る」という意味だそうです。 その通り、ヨーロッパ中の古代ローマ道路を詳し…