2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

システィーナ礼拝堂と真直ぐな廊下(ヴァティカン美術館)

ラファエッロの間を過ぎた後、いよいよミケランジェロの天井画があるシスティーナ礼拝堂に入ります。 ここは撮影禁止だったので、画像は残していません。 この天井画については、いろんなところで書き尽くされているので、下手な説明は蛇足になってしまうの…

パリの仇を鶴林寺で(将棋竜王戦第4局)

先日将棋竜王戦、渡辺竜王対羽生名人のタイトルマッチが開かれていたので、その大盤解説を見に行ってきました。 今回は7番勝負の第4局になります。 対局場の最寄りの駅には、羽海野チカさんの手書きのポスターがありました。 駅からてくてく歩いて、まず対…

「ラファエッロの間」のまとめ(ヴァティカン美術館)

「ラファエッロの間」最後は「レオ3世の信仰義認」です。 この場面はラファエッロが描いた数多くの教皇や司教の坐像の先駆をなすものと言われています。 ここまで「ラファエッロの間」の絵画をじっくり見てきましたが、全体的に思うところを簡単にまとめて…

オスティアの戦い(火災の間、ヴァティカン美術館)

こちらの絵も「火災の間」にある「オスティアの戦い」です。 この戦いは「ボルゴの火災」と同じ年の847年、ローマの外港であるオスティアが舞台のようです。 このときは、レオ4世の眼前で起きた嵐によりサラセンの艦隊が壊滅したそうです。 左側の人物…

シャルルマーニュの戴冠(火災の間、ヴァティカン美術館)

引き続きこの絵は「シャルルマーニュの戴冠」です。 これは800年のクリスマス、ローマにおいてレオ3世によりシャルルマーニュ(カール大帝)が「ローマ皇帝」の帝冠を受けたときの様子を描いています。 これはラファエッロの間の他の絵でユリウス2世が…

ボルゴの火災(火災の間、ラファエッロの間)

ラファエッロの間の「署名の間」から「火災の間」に移ります。 この部屋名の由来は、この画像の絵画「ボルゴの火災」に由来します。 この部屋の四面の絵の内、この絵がラファエッロ自身の手が最も関わっており、残りの絵はラファエッロの下絵だけで、実際の…

ルネサンス理想都市

ルネサンス理想都市 講談社選書メチエ77 中嶋和郎 著 1996年6月10日 第一刷発行 ルネサンスといえば、一般的に芸術の分野で語られることが多いです。 しかしこの本はそのような観点とは異なり、ルネサンスの人たちがどのような理想都市を目指してい…

プラハ迷宮の散歩道

地球の歩き方GEM STONE 047 プラハ迷宮の散歩道 百塔の都をさまよう愉しみ 文・写真 沖島博美 写真 土屋明 イラスト 朝倉めぐみ ダイヤモンド社 2010年10月22日 初版発行 この本は「地球の歩き方」編集室によって作成されたものです。 …

パリと南仏ねこ歩き

ダヤンのスケッチ紀行 パリと南仏ねこ歩き 池田あきこ 著 ㈱エム・ピー・シー 発行 2009年4月26日 第1刷発行 パリおよび南仏紀行を、マンガとイラストを基につづった本です。 もともと著者の方は、こねこのダヤンというキャラクターを創作し、今ま…

「アテネの学堂」の哲学者たち(ヴァチカン美術館)

「アテネの学堂」の中央部分の拡大写真です。 階段で横たわっている禿げたおじいさんは、犬儒派の哲学者ディオゲネスです。 この人は清貧の象徴として、エピソードに事欠かない哲学者です。 住んでいたところは酒樽の中。 財産は水を入れる皮袋のみ。それさ…

「アテネの学堂」の中のラファエッロたち(ヴァティカン美術館)

「アテネの学堂」の右下部分です。 右端から二番目、黒い帽子をかぶっている人がラファエッロです。 穏やかな表情で、この作品に対する気持ちが表れているのかもしれません。 その右側は、共同制作者であり友人でもあるイル・ソドマです。こちらも穏やかな…

「アテネの学堂」の謎の女性?の正体は(ヴァティカン美術館)

「アテネの学堂」の向かって左側前部の拡大写真です。 この中の、髪の長い白い服の人物が気になっていました。 外見を見る限り女性だと思っていたのですが、調べてみると男性だそうです。 名前はフランチェスコ・マリーア・デッラ・ローヴェレで、教皇ユリ…

「アテネの学堂」の人物配置(署名の間、バチカン美術館)

この「アテネの学堂」の、おおまかな配置は次のとおりになります。 まず主役となるであろう人物は、中央奥で立って議論している感じの、プラトンとアリストテレスです。 このあたりの立っているグループが「修辞学」「論理学(弁証法)」となります。 そし…

「アテネの学堂」の背景(署名の間、ラファエッロの間)

「署名の間」の最後は「アテネの学堂」です。 この作品は、登場人物にしろ舞台にしろ、このラファエッロの間全体で、難しいことは抜きにして、いい意味で一番一般受けする作品であることは間違いないでしょう。 人物を見ていく前に、その背景を見てみます。…

ヴァティカンのパルナッソス

輝く窓のむこうには ヴァティカンにある丘の上 アポロ神やミューズたちが 夢見るようにさまよう地 あたかもこの絵画のように いにしえの詩人たちも 神々の恵みを受けながら ことばを紡ぎ続けます

パルナッソス(署名の間、ラファエッロの間)

こちらの作品が、署名の間の「パルナッソス」です。 その絵は、古代神話に伝えられる詩のありかを表現したものです。 中央にはアポロン神がおり、詩の永遠の価値を象徴するリラ・ダ・ブラッチョを奏でています。 ただし、この楽器は、ラファエッロの時代の…

枢要徳と対神徳(署名の間、ラファエッロの間)

「署名の間」は景気のいい(笑)オールスター勢ぞろい的な作品が多いのですが、この「枢要徳と対神徳」だけは地味な作品になっています。 題名は難しいですが、とりあえず「善」を表現しているとのことです。 スペースが極端な門形になっており、三分割して…

聖体の論議(署名の間、ラファエッロの間)

ヘリオドロスの間に続いて「署名の間」に入ります。 ここは教会裁判が開かれた、ということで「署名の間」と名づけられています。ラファエッロの間の内、ラファエッロはこの部屋から装飾にとりかかりました。 ヘリオドロスの間は、史実の一場面を描いた絵画…