2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧
美しい装飾の部屋にある ラファエロらの作品に陶然とした後 いわゆる君主の居室に入る 歴代のトスカーナ大公らが 住まいとした所 あまりの豪華さに 出るのはため息ばかり 改めて感じるフィレンツェの底力 チケット売り場の連中が 偉そうになるのもうなずける…
再び「永遠の星の王子さま」より、サン=テグジュペリの言い訳を二つ転載いたします。 どちらも夢があって面白いです。 その1 サン=テグジュペリも、多くの作家がそうであるように、原稿を書けない言い訳をいろいろ伝え、それがなくなるとはじめて書き始め…
16世紀初頭のある日のフィレンツェにて、成功した商人アニョロ・ドーニが妻、マッダレーナ・ドーニに相談を持ちかける。 マッダレーナ「あなた、その嬉しそうな顔は何。また新しい芸術作品でも見つけたの?」 アニョロ「いや、常々考えていたことなんだが…
永遠の星の王子さま サン=テグジュペリの最後の日々 ジョン・フィリップス 山崎庸一郎 訳 1994年6月20日 発行 飛行士としてのサン=テグジュペリ、特に消息を絶つ1944年7月31日、コルシカ島からグルノーブル附近に飛び立つ時の、直前の様子に…
天使は舞う 聖母子と 聖人たちを 祝福するため 天使は翔ぶ ラファエロの 芸術家としての成功を 予言するため 天使は告げる 神に選ばれしラフェエロが 天に召されし後 華やかなルネサンスが終焉することを
あまりにも穏やかで 美しい表情の聖母マリア 彼女のどこまでも澄んだ瞳が 限りない安らぎを我々に与える 優しい御手で 抱かれる幼きイエスキリスト 左手は聖母の胸に触れ 眼は遠くをじっと見つめる 人々の全ての罪を背負って 生れてきたその身の重さ 幼子の…
フィレンツェ貴族からの招待状 山下史路 著 1998年9月20日 第1刷 文藝春秋 最初題名で「貴族」とあったので、自分のような庶民としては少し抵抗があったのだが、読み進めて見ると、どんどん面白くなってきた。 それもそのはずで、品の無いセレブ自慢…
ヴェッキオ宮を出て ヴェッキオ橋を渡り グイッチャルディーニ通りを歩き ピッティ宮の前に出る 広場を登っていき まずはチケット売り場へ 三人の売り子がおり 右端の男性の売り場へ行くが 自分の番が来た所 さっとクローズの札を出されてしまう 仕方なく隣…
百合の間から見た マキアヴェッリの「いにしえの書記局」 今はがらんとした雰囲気だが その昔フィレンツェが都市国家 あるいは首都だった時は ここにイタリアの小国から ヴェネチア・ナポリ・ミラノなどのライバル国まで そして教皇有するローマの情勢 さら…
マキアヴェッリの執務室であった アンティーカ・カンチェレリア(いにしえの書記局)の中にある もう一人のマキアヴェッリ この胸像の表情は どことなくしょぼくれた面影 この部屋やトスカーナ周辺で いきいきと仕事をこなしていたのに 政変に巻き込まれ 反…
ルネサンスの芸術家工房 ブルース・コール著 1995年5月10日 初版第2刷発行 ぺりかん社 発行 ルネサンス期の名作についての画集や解説本はよく見かけるが、この本は、そういった名作が創られた工房についてや、美術作品に使われた材料、そしてルネサ…
昨日、ケーブルテレビでサイクルレース「パリ~ルーベ」をやっていたので見る。 このレースは、今回で第106回目という、いわゆるクラッシック・レースと呼ばれるたぐいのものである。 名前はいちおう「パリ~」となっているが、実際はパリ北西のコンピエ…
塩野七生先生のように 「わが友」と呼べるほど偉くなく イタリア流に 「わがマエストロ」と呼べるほど 思想を理解しているわけでもなく かといって関西流に 「わがオッサン」と呼ぶには あまりにも失礼すぎるため とりあえず 「フィレンツェのわがおじさん」…
ひろーい五百人広間から 階段をのぼり 他の小さな部屋を見て回る 五百人広間が フィレンツェの顔だとしたら 他の小さな部屋部屋は もともと執務や接見の場として使われ フィレンツェの頭脳であり 心臓だった所 その中で 壁一面に金色の百合の柄が描かれてい…
切符売り場から 階段を登り 五百人広間に達する 広い広間に 数々の彫像 そして天井には ヴァザーリによる トスカーナ公国の支配者としての コジモ一世を礼讃する 天井画が描かれている 正面の窓からは 強い光が差し込み 広間全体を おぼろげに照らしだす ピ…
リピーターの旅 ふたたびフランスへ パリの休日 発行 2008年2月29日 第1刷発行 発行所 有限会社 アップオン 発売 主婦の友社 この本は、4部から構成されています。 まず第1部は、パリの日常の暮らしを伝えてくださる方としては第一人者の、稲葉由…
ウッフィツィ美術館を出て 一旦ヴェッキオ宮の裏手に回り 小さなバールでアイスティを買う ピーチ味のアイスティ ヨーロッパにアイスコーヒーは無いけれども アイスティはあるんだなと 今更ながら気づく そしていよいよヴェッキオ宮へ まずはダヴィデ像のそ…
ウッフィツィ美術館のテラスから 何気なく撮った一葉の風景 中途半端にフィレンツェの上半身が見える どうしてこんな写真を撮ったんだろう その理由は 曇り空からほんの少し覗いた フィレンツェの青空と その下にある 近くて遠い トスカーナのなだらかな 丘…
ウッフィツィとの名称は 英語でオフィスという意味で 最初は行政機関として 1560年に建設された 内部の廊下は 古い田舎の校舎のよう それでもここには ローマ皇帝の彫像や 偉人たちの肖像があり イタリアの歴史の重みが 両側から迫ってくる 南へは アル…
いよいよウッフィツィの内部を進む 多人数の日本人グループのそばを 近寄ったり離れたりして ガイドさんの説明も少しは耳に入れながら 名画の数々を鑑賞していく 従来の聖母子像から 少し堅さが取れてきた時代の ジョットが描く聖母子像 華やかで官能的な ボ…