ブレグジットによる、フランスの税関のストについて、など

ブレグジットによる、フランスの税関などに関連するニュースです。

英の合意なき離脱 仏も備え 税関・検疫 建設急ピッチ

3/30(土) 20:25配信

   英下院で29日、欧州連合EU)との離脱合意案のうち離脱条件を定めた「離脱協定」が否決され、離脱問題の行方はより不安定になった。EUが離脱期限とする4月12日に「合意なき離脱」となる懸念は払拭(ふっしょく)されず、英国とのフェリーが往来するフランス北西部の城壁に囲まれた港街サンマロでは、そのリスクに備え税関や検疫施設の新設工事が急ピッチで行われている。

 英仏の海峡に面したサンマロは、16~17世紀に「コルセール」と呼ばれる海賊が拠点として活用。海峡を通る英国船などから金品を略奪してきた歴史を持つ。

 現在、港では、英国が「合意なき離脱」となった場合の関税の復活などを想定し、約200万ユーロ(2億5000万円)をかけて、税関や検疫施設の建設が進められている。

 港を管轄するサンマロ郡のバンサン・ラゴゲ郡長によると、サンマロ港と英ポーツマス港を毎日結ぶフェリーは、毎年90万人が利用する。これまでも入国審査は行われていたが、英国はEU加盟国であったため簡単な身分検査などで済んでいた。離脱後は税関職員8人と検疫職員3人が配備され、厳しく身分や身元をチェックすることになる。

 フェリーの運営会社「ブリタニーフェリーズ」のクリストフ・マチュー最高経営責任者(CEO)によると、フェリー利用客の85%が英国人。離脱すればこれまでのように気軽に行き来する英国人旅行者の減少は避けられないとみている。

 2018年には、サンマロ近くの港から、EU加盟国のアイルランドへの航路を新設。だが、アイルランドの人口は英国の7%ほどで、マチューCEOは英国人旅行者の減少は「死活問題になりかねない」と頭を抱える。

サンマローポーツマス間のフェリーの税関も普通の国境のようになってしまうのですね。
サンマロからアイルランドへの航路も開設したとのことですが、確かに乗客も少なそうで、なおかつ距離も長く、英仏海峡よりもやや外海で荒れやすくなると思いますので、なかなか大変そうです。


  英仏の海峡トンネルを通ってロンドンに向かう高速鉄道ユーロスター」の出発駅であるパリ北駅では、フランスの税関職員が賃上げや離脱に向けた職員数の増加を求めて、税関検査を意図的に強化する「熱心なストライキを実施。一部の列車の遅延や運休が起きている。ストは4月3日まで続く見通しで、運行会社は28日、不要不急の利用を控えるように呼びかけた。【サンマロで賀有勇】

 

高速鉄道ユーロスター使わないで 4月3日まで税関「スト」で

3/29(金) 8:29配信
【パリ共同】フランスの税関職員らが労働条件の改善を求め、パリの駅で税関検査を強化する「ストライキ」を続けている問題で、ロンドンとの間を結ぶ高速鉄道ユーロスターは28日、運行の混乱が4月3日まで続く見通しだとして、必要がなければパリ―ロンドン間のユーロスターを利用しないよう強く勧告した。

 税関職員は今月上旬、賃上げや英国の欧州連合EU)離脱に向けた職員数の増加を求め「熱意のストライキと称して国境の検問で検査を強化する活動を始めた。ユーロスターの発着するパリ北駅では長い列ができ、ユーロスターは運行の大幅な遅れや一部列車の運休を強いられている。

パリ北駅では、この対策としてというか、この機に乗じてというか「熱心な(熱意)のスト」が行われるそうです
やはりフランスらしいです。
フランス語原語だと、 grève du zèleとなるようです。
zèleは辞書で調べると、記事の通り「熱心さ、熱意」とありました。
自分がパリからロンドンに行った2000年頃でも、それなりにちょっとした手続きがあったのを思い出します。
逆に帰りのロンドンからパリは特に何もなかったのが対照的で、印象に残りました。