ニームの古代ローマ貯水槽(Castellum Aquae)

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画像はニーム古代ローマ時代の貯水槽です。
紀元1世紀中ごろに造られました。
大きさは直径5.9m、深さ1.4mです。
ユゼスの泉からここニームまで、なんと50㎞の導水路を建設しました。かの有名な水道橋であるポン・デュ・ガールもその一部です。
画像中央の四角い取水口からその導水路の水が入ってきます。
そしてここで貯水し、不純物を金網のようなものに水を通したり、沈殿させたりして取り除きます。
沈殿には貯水槽の底にある三つの排水口を使ったのかもしれません。
それから丸い穴の部分から鉛の配水管を使って、ニームの大建造物や給水所などのさまざまな
地区に配水していたようです。
こういう形式の遺跡は、ここ以外ではポンペイのものが現存する唯一のものだそうです。
ポンペイのものは、貯水槽を覆う外側の建物もあるようですが、ニームはそこまでは残っていません。
地味ですが、貴重な古代ローマ遺跡と言えるでしょう。

ラテン語ではここはCastellum Aquaeと書かれています。
Castellumは城とか城塞を意味します。
城塞というものは兵士を集めて駐留させ、必要に応じて出動させるという役割があります。
兵士を水に置き換えると同じような役割があることから、この単語を使ったのかもしれません。

ローマ人の物語Ⅹ すべての道はローマに通ず も参考にしました)