ヨーロッパ読書メモ
ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集 村上春樹 著 文藝春秋 2015年11月25日 第1刷発行 「遠い太鼓」や「辺境・近境」など、紀行文も結構書いている村上さん。 これは一番最近の紀行文集です。 個人的には紀行文自体好きなのですが、なおかつ…
〈通訳〉たちの幕末維新 木村直樹 著 2012年(平成24年)2月10日 第一刷発行 吉川弘文館 発行 この本では江戸時代の長崎で活躍していた「オランダ通詞」をいう集団を中心として書かれています。 幕末にかけて困難な状況の中、外国語をなんとか習得…
第3章 激烈なるラファエロ へリオドロスの追放(1511年) 「署名の間」の色彩が明るく穏やかで 明るく澄んだ屋外で 優雅に落ち着いた人物表現なのに対し 「ヘリオドロスの間」は色彩は暗く、深みのある褐色や赤が目立っている。 劇的な夜景や人工的な光…
ラファエロ 作品と時代を読む 越川倫明・松浦弘明・甲斐教行・深田麻里亜 著 河出書房新社 発行 2017年12月30日 初版発行 本書では画家ラファエロについて、年代順に代表的な作品を、一般の概説書よりもかなり詳しく論じています。 以前ヴァチカンを訪問して…
フロイスの見た戦国日本 川崎桃太 著 中央公論新社 発行 2003年2月25日 初版発行 戦国時代の本を読む時、ヨーロッパ関連のことも気にかけながら読んでいるのですが、よく目に付くのが、当時日本で宣教活動を行った伴天連ことキリスト教宣教師たちです。 その…
村上さんのところ 答えるひと 村上春樹 絵 フジモトマサル 発行 新潮社 2015年7月24日 発行 この本は読者からの質問に村上春樹さんが答えていくという形式をとっています。 以前にも同じような本を出しておられ、たいへん面白かったのですが、今回も期待にた…
漢字とアジア 文字から文明圏の歴史を読む 石川九楊 著 2018年8月10日 第1刷発行 ちくま文庫 歴史とは「文体(スタイル)の積畳である」と定義する筆者。 言葉のスタイルや言葉以外のさまざまな文化ジャンル、また言葉の前段階での表現を人類史は蓄積してきた…
信長公記 戦国覇者の一級資料 和田裕弘 著 中公新書 2503 2018年8月25日発行 太田牛一により書かれた「信長公記」は、織田信長の生涯を知る上での貴重で信頼出来る史料です。 本書ではそれについて、主な場面ごとに詳しく解説しています。 以前「現代語訳 信…
柳田國男全集 5 ちくま文庫 1989年12月25日 第2刷発行 この巻では、後狩詞記、山島民譚集などを収録しています。 後狩詞記(のちのかりことばのき) 日向国奈須の山村において行われる猪狩の故実 「土地の名目」「狩りの作法」「いろいろの口伝」の章に分けて…
Q.初めてフランスを訪問した日本人は? A.支倉常長一行だとされています。1613年に伊達政宗の使節団として、バルセロナからローマに向かう途中、悪天候のため、予定外でサン・トロペに寄ったそうです。 石巻市には、その時の船サン・ファン・バウティスタ号…
柳田國男全集 4ちくま文庫1989年11月15日 第二刷発行この巻では、「遠野物語」「山の人生」「史料としての伝説」「山人外伝資料」「山神とオコゼ」「木地屋物語」など山の民を中心とした編集になっています。このうち、遠野物語と山の人生は岩波文庫で愛読し…
辺境を歩いた人々 宮本常一 著 2018年6月20日 初版発行 河出文庫 この本では、近藤富蔵、松浦武四郎、菅江真澄、笹森儀助という、日本の辺境を歩き回った人々を取り上げています。 自分は近藤富蔵や菅江真澄については柳田国男の本で知り、笹森儀助は石光真…
鬼才伝説 私の将棋風雲録 加藤一二三 著 中央公論新社 発行 2018年2月25日 発行 今を時めく「ひふみん」こと加藤一二三さんの著書です。 基本的には自叙伝ですが、大山・升田・二上・中原・内藤・谷川・羽生・渡辺・そして藤井聡太さんなど名棋士とのエピソ…
海賊の文化史 海野弘 著 朝日新聞出版 発行 2018年4月25日 第1刷発行 海賊文化の4つの様相 ・その舞台である「海」 ・利益追求である「経済」 ・「法律」や道徳を破るアウトロー性 ・ロマンのある「文化」 神話から大航海時代へ 793年、スコットランドの東…
先日、NHKラジオフランス語講座テキスト6月号を買いました。応用編は日仏交流さんぽの再放送です。このシリーズは、日本における、過去の日仏交流の現場を取り上げているので、大変興味深く、なおかつ参考になります。ただ、今回、一件気になるところがあり…
色の辞典 新井美樹 著 雷鳥社 発行 2018年3月7日 初版1刷発行 この本では、日常的な色名や慣用的な色名、日本や欧米諸国の伝統的色名など367色を取り上げ、由来や歴史などの解説と色見本をつけて紹介しています。 奈良時代や平安時代からの色は雅に感じ、江…
基本はバッハ ハーバート・クッファーバーグ 著 横山一雄 訳 音楽之友社 発行 1992年6月20日 第一刷発行 この本はアメリカ人音楽評論家による、軽いタッチのバッハの入門書です。 原題はBacically Bachです。BasicallyではなくBacicallyとして韻を踏んだ図書…
世界の歴史 7 近代への序曲 松田智雄 責任編集 昭和41年12月1日33版 中央公論社 発行 この本では、ヨーロッパのルネサンスから宗教改革あたりを扱っています。 ルネサンスの科学技術として、大砲や遠洋航海、地動説や印刷術などを紹介し、人文主義の…
1926年(大正15年)28歳4月上旬 佐伯祐三家族は東京下落合のアトリエに帰る 東京で「下落合風景」、大阪で「滞船」の連作 更に積極的にヨーロッパ的風景を求めて、大阪の「肥後橋風景」や東京の「ガード風景」など連作するが、筆を途中で置いた。これらの風景…
永遠の画家 佐伯祐三 朝日晃 著 講談社 発行 昭和53年9月28日 第1刷発行 画家、佐伯祐三の伝記です。 著者は執筆に当たり「佐伯の芸術と本質的に無関係な興味的部分はむしろさけた。逆にその本質を理解するための事実関係、年譜の訂正にはわたしなりの時間…
フォーサイスの父。若い頃イギリスからマラヤに行きゴム農園に職を得る。 そこで村在住の大工の日本人夫婦の息子の命を救う。 後日お礼に来たその日本人。貧乏でお礼するものが無いので助言を行う。それはマラヤを出て下さいというもの。 その助言が理由だっ…
アウトサイダー 陰謀の中の人生 フレデリック・フォーサイス 著 黒原敏行 訳 (株)KADOKAWA 発行 2016年12月28日 初版発行 「ジャッカルの日」の作者である、フレデリック・フォーサイスの自叙伝です。 父親のエピソードから晩年に至るまでの波乱に満ちた生…
天正14年(1586)キリシタンのパードレ(宣教師)であるクエリヨは東上の途中家船の所見を次のように述べている。 「筑前の海岸に沿うて博多を過ぎて諸島の間に出たとき、これまで見たことのないものを見た。我らの乗っていた船の付近に6~7艘の小さ…
瀬戸内文化誌 宮本常一 著 田村善次郎 編 八坂書房 発行 2018年1月30日 初版第1刷発行 瀬戸内・いまむかし 瀬戸内の文化 瀬戸内往来 内海の漁業とくらし 安芸と備後の漁村と漁業 の章に分け、宮本常一の文章を編集して掲載しています。 大阪が発達した原因の…
柳田國男全集1 ちくま文庫 1989年9月26日 第一刷発行 この巻では、「海上の道」「海南小記」「島の人生」「海女部史のエチュウド」という、海、そして島に関する著作をおさめています。 「海南小記」の自序、柳田はジュネヴ(ジュネーブ)の寂しい冬を回顧する…
坂本龍馬の正体 加来耕三 著 講談社+α文庫 2017年9月20日 第1刷発行 坂本龍馬が成し遂げたこととして、「薩長同盟を仲介したこと」「大政奉還を献策」の二つがあげられる。 しかし近年の歴史研究において、薩長同盟は中岡慎太郎、小松帯刀などの力の方が大…
中世ヨーロッパにおける13世紀の商取引の活発化 それは輸送技術の発展を前提としている。 船の方向転換が横舵から船尾に垂直に取り付けた舵←十字軍遠征によりイスラム教徒の考案した逆風の中でも航行できる技術を取得p155 中世が過ぎてから作られたある二…
剣と清貧のヨーロッパ 佐藤彰一 著 2017年12月25日 発行 中公新書 2467 旧来の修道院に加えて、12世紀に期せずして出現した騎士修道会と托鉢修道会 騎士修道会と、国王や君候に奉仕する世俗の「騎士団」とは異なる。 騎士修道会 テンプル騎士修道会、ホス…
NHKラジオフランス語講座、応用編1月は生野銀山(La mine d'argent d'Ikuno)を取り上げていました。 主な関連単語 幕府…shogunat(m.) 財政…finances(f.pl.) 銅…cuivre(m.) 鉛…plomb(m.) 亜鉛…zinc(m.) 雇う…embaucher la Restauration de Meiji 明治維新 使…
ナポレオン時代 英雄は何を残したか アリステア・ホーン 著 大久保庸子 訳 2017年12月25日初版 中公新書 2466 1795年から1820年までの二十五年間を「ナポレオン時代」として、叙述しています。 全体的にナポレオンを皮肉っぽく描いていますが、それは独裁者…