海賊の文化史

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海賊の文化史
海野弘 著
朝日新聞出版 発行
2018年4月25日 第1刷発行

海賊文化の4つの様相
・その舞台である「海」
・利益追求である「経済」
・「法律」や道徳を破るアウトロー
・ロマンのある「文化」

神話から大航海時代
793年、スコットランド東海岸、ヘブリーデス諸島のリンディスファーン修道院が海賊に襲われた時が、北方海賊ヴァイキングの歴史のはじまりといわれる。p27

ノルウェーヴァイキングは人里離れた修道院のような、抵抗の少ないところを襲い、植民するにもあまり人のいない土地を選ぶ傾向がある。
一方、デンマークヴァイキングは大きな港などを狙い、軍隊との衝突も辞さなかった。p32

930年、ヨーロッパで最初といわれる議会が開かれ、アイスランド共和国が出来る。自由と自治を求めてノルウェーから独立したのだ。p34
(古代ギリシャのものは、ヨーロッパの議会ではないということか?)

北方のヴァイキングに対して、南方には新しい勢力があらわれていた。イスラム教徒のアラビア人が地中海に進出してきたのである。
十字軍時代、サラセン人と呼ばれた彼らは驚くほどの速さで世界に広がる。p44-45

15世紀末になるとイスラム系の海賊は、再び地中海を席巻する。
彼らはバルバリア(バーバリー)海賊と呼ばれる。p50

海賊の黄金時代
大航海時代は海賊の舞台を世界中に広げた。
17・18世紀は「海賊の黄金時代」といわれるが、その中心となったのはイギリス海賊である。
今日、私たちが抱いている「海賊」のイメージはイギリス海賊によるものである。p144

16世紀は海賊史にとっても大きな変換期であった。
それまで地中海や北海など、ヨーロッパ沿岸にはびこった海賊は、大西洋に出て、新大陸の東海岸カリブ海を舞台とするようになった。p172

19世紀 海賊文化の創生
18世紀に古典主義海賊が去ると、19世紀にはロマン主義海賊があらわれる。
リアルな世界からフィクショナルな、文学から絵画にいたる想像力の世界で海賊が活躍するようになる。
バイロンの長編詩「海賊」がその典型p228

子どもたちの世界に開かれることによって、一挙に大衆文化となる「海賊」
その幕開けとなったのはスティーヴンソンの「宝島」p236

現代の海賊文化 情報の海の海賊
海賊版、パイレーツ・パンク、リミックス海賊