ラオスにいったい何があるというんですか? 村上春樹 著

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ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集
2015年11月25日 第1刷発行

「遠い太鼓」や「辺境・近境」など、紀行文も結構書いている村上さん。
これは一番最近の紀行文集です。
個人的には紀行文自体好きなのですが、なおかつ自分は「村上主義者メンシェヴィキ」なので、図書館で見つけるとすぐに借りてしまいました。
あっという間に読めます。
題名のラオスや、ボストン、アイスランドギリシャの島やフィンランド、そして最後は熊本でしめています。

ボストンでマラソンを走る村上さん。
ボストン・マラソンには情景的な魅力があるという。そして決意された概念がある、とのこと。

アイスランドから「世界作家会議」みたいなのに招待を受けた村上さん。
どうしようか迷うが、世界の端っこにあるみたいに見えるから、行ってみたくなった。
またちょうど、「国境の南、太陽の西」に続く「スプートニクの恋人」がアイスランド語で翻訳されるタイミングだった。
人口30万人くらいの国でも翻訳される村上文学。

アメリカの東西にある同名の町、ポートランドでおいしいご飯を食べる村上さん。

かつて住んだギリシャの島、ミコノス島とスペッツェス島を再訪する村上さん。
センティメンタルジャーニーだが、変わったところと変わっていないところが、当たり前だけど、ある。
オフシーズンばかり訪問していた。まるで化粧を落とした時間を選んで、女性に会いに行くみたいに・・・。

ニューヨークのジャズクラブ
キッシンジャー氏に対しても同じように応対するヴィレッジ・ヴァンガード

カウリスマキ監督兄弟が経営する「カフェ・モスクワ」
基本経営方針は「冷たいサービスと、温かいビール」
村上さんが行ったときは従業員らしき人さえいなかった。
フィンランド人とエストニア人のカップルの客がいただけ。
結局従業員は戻ってこず、「カフェ・モスクワ」をあとにする村上さん
(放置プレーという言葉を思い出した・笑)

ラオスに行く途中ハノイで「いったいラオスに何があるというんですか」と聞かれる村上さん
ルアンプラバンで托鉢に餅米ご飯を「差し上げ」る。
高級ホテルの「トランス状態にも似た、微かな狂気さえ感じられるような」民族音楽の演奏に感動する。

再びボストンで、レッドソックスと鯨と見て、ダンキン・ドーナッツを味わう。

イタリアはトスカナの白い道と赤いワイン

東京するめクラブの吉本さんを訪ねて熊本へ
橙書店の招き猫のしらたまくん
くまモンにやたらとからむ村上さん