フレデリック・フォーサイス 著 アウトサイダー 陰謀の中の人生 (まずは紹介)

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アウトサイダー 陰謀の中の人生
フレデリック・フォーサイス 著
黒原敏行 訳
(株)KADOKAWA 発行
2016年12月28日 初版発行

ジャッカルの日」の作者である、フレデリック・フォーサイスの自叙伝です。
父親のエピソードから晩年に至るまでの波乱に満ちた生涯を、短い章に分けて叙述しています。
各章の内容に全てドキドキさせられ、大変楽しく読ませてもらいました。
子供の頃にフランス、ドイツ、スペインに滞在する機会に恵まれ、ロシア語も含め5か国語に堪能になります。更に空軍パイロットとしての訓練を受け、ロイターやBBCで働き、旧東ドイツやナイジェリアのビアフラ内戦にも関わり、その後作家としてデビューします。
序文にあたる「はじめに」で「ハンブルクの怒れる武器商人の魔手をからくも逃れ、ビアフラ戦争のさなかにミグ戦闘機に機銃掃射され、クーデターが起きているギニアビサウ共和国に入国。旧東ドイツの秘密警察であり情報機関であった国家保安省に身柄を拘束され、イスラエルの人々にもてなされ、アイルランド共和国軍(IRA)の黙認のもとアイルランドからイギリスに移動した。チェコの秘密警察の魅力的な女性部員はちょっと色っぽいエピソードを提供してくれた」とあります。
その他様々な危険な目に遭いますが、生き残ってきた生命力と運の良さには驚嘆するばかりです。
後半で日本の京都とかにも訪問したエピソードが出てきますが、他の土地と違い呑気なエピソードなのでほっこりしました。
自叙伝ということで百パーセント鵜呑みにすることは危険なのですが、登場人物は全て実名です。名前出しちゃっていいのかな、と不安に思ってしまうのですが、信頼度は確かに高まります。
このような人生を歩めてうらやましい面も有りますが、凡人では確実にどこかで酷いくたばり方をしているのでしょうね(笑)