2019-01-01から1年間の記事一覧

ニームの古代ローマ貯水槽(Castellum Aquae)

画像はニームの古代ローマ時代の貯水槽です。 紀元1世紀中ごろに造られました。 大きさは直径5.9m、深さ1.4mです。 ユゼスの泉からここニームまで、なんと50㎞の導水路を建設しました。かの有名な水道橋であるポン・デュ・ガールもその一部です。…

マーニュ塔からのいい眺め(ニーム、フランス)

マーニュ塔からニームの街並みを眺めます。一枚目は中心街です。この日は霞がかったように、薄ぼんやりしていました。全体的には橙色と黄土色の間の色になるのでしょうか?どの色名で表現したらいいのかよくわかりません。そんな中、中央の白い建物がやや目…

マーニュ塔へ(ニーム、フランス)

フォンテーヌ公園・ディアナの神殿から、丘を登ってマーニュ塔に到着します。 この塔は、古代ローマのアウグストゥス皇帝が築いた城壁と一体となった監視塔のようなものではないかと言われています。 このような城壁と一体だった廃墟の塔は、ヴィエンヌ(ビ…

ニームのディアナ神殿(フランス)

画像は前回のニームのフォンテーヌ公園内にある、ディアナ神殿です。 崩れかけた建物のすき間に草も生えていますが、ずっしりとした廃墟の美も感じます。 石灰岩の大きな切り石を積んだ、紀元後2世紀頃のガロ・ロマンの代表的な建築物、とのことです。 とり…

日本海ものがたり 世界地図からの旅

日本海ものがたり 世界地図からの旅 中野美代子 著 岩波書店 発行 2015年4月22日 第1刷発行 日本海を中心とした、海をめぐる物語を徒然に語っています。 日本人で初めて世界一周した若宮丸の四人 1793年、石巻から江戸を目指した若宮丸 漂流して…

咸臨丸、大海をゆく

咸臨丸、大海をゆく サンフランシスコ航海の真相 橋本進 著 海文堂出版 発行 2010年7月19日 初版発行 安政7年(万延元年・1860年)に出航した咸臨丸の航海における真実を、航海の専門家としての視点から叙述しています。 当時の困難な船旅におけ…

ロシア日記 シベリア鉄道に乗って

ロシア日記 シベリア鉄道に乗って 高山なおみ 著 川原真由美 絵 2016年7月30日 発行 新潮社 発行 武田百合子さんの「犬が星見た」を何度も読んだ著者。 「犬が星見た」は昭和44年6月10日の日記から始まっています。 この本はその42年後、東日…

ニームのフォンテーヌ公園

ニームの歴史的中心地区から、フォンテーヌ通りを歩いていきます。 水路と並木道が涼やかな雰囲気を醸し出しています。 こちらがフォンテーヌ公園となります。 フォンテーヌとは泉を意味します。直訳すると「泉公園」となります。と聞くと、大阪の「泉の広場…

みんな昔はこどもだった 池内紀 著

みんな昔はこどもだった 池内紀 著 講談社 発行 2018年3月20日 第1刷発行 手塚治虫、林芙美子、宮本常一、柳田国男、澁澤龍彦ら、大きな、個性的な仕事をした十五人の足跡を幼少期を中心にたどっていっています。 手塚治虫版の「ファウスト」 池内さんが小…

支倉常長遣欧使節 もうひとつの遺産

支倉常長遣欧使節 もうひとつの遺産その旅路と日本姓スペイン人たち太田尚樹 著山川出版社 発行2013年8月10日 第1版第1刷発行 支倉使節団の経緯を説明すると共に、その足跡を石巻市からローマまで実際に追った記録と並行しながら綴っています。更にコリア…

第四の大陸 人類と世界地図の二千年史 第三部 新旧世界の融合

第3部 新旧世界の融合第17章 ギムナジウム(学舎)16世紀初めアルザスはドイツ領で、ストラスブールはシュトラースブルクだった。15世紀の最後の10年は書籍取引で活気を帯び、ドイツ最初の人文主義者が現れた。ドイツの人文主義者は、分裂し虐げられ…

第四の大陸 人類と世界地図の二千年史 第2部 新世界

第2部 新世界 第6章 再発見 初期のイタリア人文主義の中心人物 フランチェスコ・ペトラルカ 1304年生まれ 生涯を通じて古典書籍を求め広く旅する。文学的考古学。 古代人が知っていた世界の全体像の把握に努める。 ペトラルカの弟子ジョヴァンニ・ボッカッ…

第四の大陸 人類と世界地図の二千年史 第1部 旧j世界

第四の大陸 人類と世界地図の二千年史 トビー・レスター 著 小林 力 訳 中央公論新社 2015年8月7日 初版発行 1507年、アルザス・ロレーヌにまたがるヴォージュ山地のほとりで作成された「ヴァルトゼーミュラー世界図」 この地図の製作に関わる興味深い…

ファブライム「Ray-Rain」

Fabrhyme「ray-rain」Music Video 先日テレビでちらっと観て、気になったこの女性4人バンド「ファブライム」 ネットで調べ、すぐに気に入ってしまいました。 ジャズの味付けをしたインストゥルメンタルバンド。ヴィジュアル的にもカッコいいです。 この曲「…

野心的なニームのカレ・ダール

ニームのメゾン・カレに相対するように建っているカレ・ダールです。 メゾン・カレを現代的にしたデザインで、あたかもパリの凱旋門に対する新凱旋門のような野心的な建物です。 ノーマン・フォスターにより設計されました。 メゾン・カレはフランス語にする…

ニームのメゾン・カレの建造時期について

画像はニームのメゾン・カレです。これについていろいろ書こうと思い、手元の資料とか見てたら、いきなり建造時期でつまずいてしまいました。以前読書メモで書いた時は西暦315年頃と書いていました。というのは訪問した2000年当時、ニームでもらった日本語パ…

「新デザイン」か「忠実復元」か  ノートルダム大聖堂修復で論争

「新デザイン」か「忠実復元」か ノートルダム大聖堂修復で論争 産経新聞 4/19(金) 17:50配信 【パリ=三井美奈】火災で損壊したフランスのノートルダム大聖堂の再建をめぐり、元通りの姿に復元すべきか、新デザインにすべきかで、国内論争が起きている。 政…

パリのノートルダム大聖堂の火災に思う

画像は、以前セーヌ河畔から撮影したパリのノートルダム大聖堂です。 この角度だと、今回の火災で崩れ落ちた尖塔が中心になっています。 天を指す尖塔はあたかも、天と地をつなぐ聖なる巨大アンテナのような感じです。 高さを追求し、ステンドグラスのために…

名画の食卓を読み解く

名画の食卓を読み解く 大原千晴 著 2012年7月20日 初版第1刷 大修館書店 発行 欧州の古い銀器を専門とする骨董商の著者が、欧米の食卓の歴史を、絵画を手掛かりとして伝えた本です。 15世紀 フランス王族の宴 表紙の絵は「ベリー公のいとも豪華な…

ドイツ職人紀行 池内紀 著

ドイツ職人紀行池内紀 著2018年10月10日 初版発行東京堂出版 発行1568年に刊行された、ドイツの古い手職を絵と詩句で紹介した古書「身分と手職の本(日本の訳書の題名は「西洋職人づくし」)」をもとに、池内さんのドイツでの体験記を加えて、ドイツでの様々な…

ブレグジットによる、フランスの税関のストについて、など

ブレグジットによる、フランスの税関などに関連するニュースです。 英の合意なき離脱 仏も備え 税関・検疫 建設急ピッチ 3/30(土) 20:25配信 英下院で29日、欧州連合(EU)との離脱合意案のうち離脱条件を定めた「離脱協定」が否決され、離脱問題の行方はよ…

柳田國男全集 8

柳田國男全集 8 1990年1月30日 第1刷発行ちくま文庫この巻では「口承文芸史考」「昔話と文学」「昔話覚書」を収録しています。いずれも昔話や伝説をもとに、口承文芸を研究しています。口承文芸とは何かはじめて口承文芸(la litérature orale)という名を用…

兵庫県の不思議事典

兵庫県の不思議事典有井基、大国正美、橘川真一 編2007年12月10日 第一刷発行新人物往来社 発行 兵庫県の様々な謎や不思議を考古、歴史、産業・鉄道、街道・舟運、人物、神話・伝説、文学、宗教、民俗・芸能、地理・地質、植物の各編に分けて紹介しています…

語るは涙、聞くは笑いのパリ独り暮らし やまさか爺回想録

語るは涙、聞くは笑いのパリ独り暮らし ーやまさか爺回想録ー やまさかのぼる 著第一法規 発行平成31年2月5日 初版発行やまさかのぼる先生の「脱ミシュラン フランス地域巡り」に続く待望の「双子編」です。フランスに関する、他者の追随を許さない、独自の…

ニームのローマ円形闘技場からの眺め

円形闘技場から、ニームの街並みを眺めます。高さ的には街並みというよりも、その上っ面という感じですね。遠くの緑の丘の上にポツンと見える岩のような物体はマーニュ塔です。この辺りにはこの後に訪ねることになります。オレンジ色の屋根が目立つ中、にょ…

今も生きてる古代ローマ円形闘技場(ニーム、フランス)

ニームの古代ローマ円形闘技場の中に入ります。 内部はきちんと整備され、現在でも様々な用途に使用されています。 まさしく今も生きている円形闘技場と言えるでしょう。 最近ではサイクルロードレースにも使われていました。 Summary - Stage 1 - La Vuelta…

ニームの古代ローマ円形闘技場の外観

ニームのプラディエの噴水のそばにある、古代ローマ円形闘技場に着きます。 まずは外観から。 二層からなる、がっしりとした造りになっています。 一階も二階も同じような感じなのですが、よく見ると、一階は角型の「付け柱」(ピラストル)で飾り、二階は変形…

おいでよ、小豆島

おいでよ、小豆島 平野公子と島民のみなさん 著 晶文社 発行 2016年2月5日 初版 日本の地中海と呼ばれる瀬戸内海で二番目に大きな島、小豆島。 そこに住む、Iターン、Uターン、ネイティブからノンネイティブまで、様々な住民の方の経験談やイラストレ…

ニームを象徴するプラディエの噴水

古の写真で巡るフランスシリーズ、続いてはニームを取り上げます。 この時はアヴィニョンからほとんど人が乗っていないバスでニームまで行きました。 駅前でバスを降りて、フシェール大通りの突き当たりが画像の場所です。 この場所はシャルル・ド・ゴール広…

白米城の伝説について(柳田國男全集 7 より)

白米城の伝説ある山の上の城砦が水攻めにあう。城中では水の乏しいことを隠すために、馬を崖の端に牽き出して白米をもって脚を洗う真似をして見せた。遠くからこれを望んだ寄せ手は欺かれて、水攻めは無益といったん引き揚げて還ろうとしたが、たまたま鳥類…