パリのノートルダム大聖堂の火災に思う

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画像は、以前セーヌ河畔から撮影したパリのノートルダム大聖堂です。
この角度だと、今回の火災で崩れ落ちた尖塔が中心になっています。
天を指す尖塔はあたかも、天と地をつなぐ聖なる巨大アンテナのような感じです。
高さを追求し、ステンドグラスのために壁も極力薄くした大聖堂のつくり。
建築物としては非常に脆弱です。
火事で中心部がかなり酷い状態になってしまいましたが、正面にそびえたつ、がっしりした二つの塔、そして外側が残ったのは不幸中の幸いだったのかもしれません。
正面(ファサード)の塔の上には一度上ったことがあります。
ラ・デファンスなどを除き、建物の高さを禁欲的に抑えているパリ。
ノートルダムの高さは現代でも一際で、パリの街をガーゴイルと一緒に見下ろすことが出来ました。
そして場所もシテ島という中世、さらには古代ローマ時代にさかのぼる場所。
宗教的な面だけでなく、精神的なよりどころとしてパリ市民を真ん中の真上から見守ってきた大聖堂。
復興には時間がかかるかもしれない。
でも着実に一つ一つ基礎を積み重ねてほしい。
そして再び美しくて頼もしい姿を見せてほしいものです。