2006-01-01から1年間の記事一覧

プティット・フランスの中洲と搭

遊覧船はプティット・フランスの水門を抜け、 狭い運河が並んだ場所に入る。 運河と中州が並行に並び、あたかも水辺に沿った緑のプロムナード 長い夏の夜、オープンテラスのレストラン 緑の木々の下、アルザスの白ワインとともに のんびり夕食を楽しむ ふと…

プティット・フランスの水門前にて

今はフランスだけれども 一番西の端っこで なおかつ取ったり取られたりしていたアルザス そこにある街ストラスブールの 一角にある プティット・フランス、小フランスと名づけられた地区 周りの家並を見ても いかにもアルザスらしい いにしえの木組みの家が…

イル川の遊覧船にて(ストラスブール)

もともとは 単に街へ荷物を運ぶため そして街自身を守るため ぐるりと旧市街をめぐるイル川の流れ 今となっては そんな機能は ほとんどなくなってしまい 街に憩いと潤いを与える存在 大聖堂前の広場から 狭くて暗い路地を抜けて イル川に達する。 夏の晴れた…

万里さんの夢見た青空

米原万里様 先生の書かれた本、今までたいへん楽しく読ませていただきました。 「ロシアは今日も荒れ模様」などのエッセイ集では、先生のロシア語通訳としての貴重な体験から、エリツィンなどの有名人のエピソードから、混乱時のさまざまな珍しい出来事まで…

村と小さな教会 街と大聖堂

フランスの田舎の村 いにしえの「教区」の区域を元にした村 教区の範囲を決める時 ほんとかどうかは知らないが 教会の鐘が聞こえる広さで決めたという 田舎に響く鐘の音 日の終わりには 農作業にいそしんでいた村人たちは 晩鐘の音を聞いて お祈りをし 仕事…

大聖堂まで(ストラスブール編)

20世紀の最後のほう やり手の女市長が やり手の男技術者を招聘し ストラスブールの大改造を依頼した。 車は便利だけれども 排ガス、騒音まきちらし 街は汚くなっていた。 技術者は 街の真ん中から、車を追い出し トラムや自転車や徒歩で 移動できるよう考…

ストラスブールの広場(クレベール広場)

ヨーロッパの街の中心に 必ず位置する「広場」 その空間は 建物に占められた街の中で ひとびとが直接空の恵みを満喫できる場所 そこで集い、出会い、そして別れる ここストラスブールでは クレベール広場が、街の中心地 クレベール将軍の記念像の後ろには 多…

ストラスブールの「鉄の男」

旧市街に入り、 「いにしえのワイン市場」通りや 「子供たちの遊び」通りなどをさまよい ホテルに到着する。 すぐ近くには 「鉄の男」という名の広場 ここは今は最新型トラムの駅 ロトンドと呼ばれる 環状ガラス屋根が 天使の輪のごとく 天と地をわける 鉄の…

ストラスブールの通りの名前

世界のどれくらいの国が また ヨーロッパのどの程度の範囲で 採用されている方法か知らないけれども 少なくともフランスとその周辺では 住所を表すには 通りの名前と番地で表す。 そのため、どんな小さい通りでも ちゃんと名前をつけてあげ そこに住んでるど…

中州の街 ストラスブール

むかし、ヨーロッパが森でいっぱいだった頃 旅をするには命がけ 追いはぎ、強盗、人殺し 野獣もうようよ森の中 そんななか 街は砂漠の中のオアシスのごとし 外敵から自分の集落守るため 堀や門を整備して ほとんど城塞のよう いざ戦いの際は レンブラントの…

ストラスブール駅にて

4時間にわたるフランスの記録映画。 BGMは列車の音のみ。 さりげない風景にひそむ、歴史と地理の融合体。 いよいよ映画の幕は下がり、 人々の住む、現実の街へ入り込む。 ストラスブール駅に着く。 荷物と一緒に、未知の街への不安と期待をしょいこんで…

ヴォージュとラインのあいだ

ヴォージュの緑を抜け 特急はいよいよアルザスの大地に入る フランスとアルザスを分かつ ヴォージュ山脈の標高 ドイツをアルザスと分かつ ライン河の水深 みんなの「不寛容と憎しみ」により 見た目は同じはずなのに こころの標高と水深は あるときはエベレス…

緑を映すフランスの運河

ナンシーを過ぎ、アルザス行き特急は更に東へ 線路と並んで運河は水をたたえてる 水面上には緑が反射されている フランスの大地を分かつ大河たち セーヌ ロワール ローヌ河 端っこにはラインが流れる 大河は人々を分け、境をなす しかし人々、河を使って水運…

ローマ人の物語Ⅳ ユリウス・カエサル

ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以前 塩野七生著 新潮社 「ローマ人の物語」の第4巻。ユリウス・カエサルの、誕生から幼年・青年期、そしてルビコン川を渡るまでの人生を描いた巻。 塩野先生の本は「イタリア人の手紙」「マキャベリ語録」「ル…

ナンシーの「名前」

アメリカがまだ 日本にとって眩しい、憧れの国だった頃、 日本語の「米国」より、 中国語の「美国」という表現が似合っていた頃、 そこに住んでいた女の子 金髪で、青い目の、あどけないアメリカの女の子 そんなステレオタイプの 女の子の名前を 大西洋をは…

アルザス行きの特急

フランス中を走り回っているTGV。 パリ~ストラスブール間には、まだそれがない。 よくわからないけれども、 アルザス地方へ続く道、またパリへ向う道への 心の傷が竣工を遅らせたのだろうか。 しかたなく自分は特急に乗っていた。 4時間かけて、東へ真…

パリ東駅から東へ

まだフランスが、フランスらしくフランを使っていた年の初夏。 日本では、なぜか「パリ祭」と呼ぶらしいが 革命記念日の日、 私はパリの東駅の中に立っていた。 「アメリ」の映画そのままの、 東駅の、がらんとした、構内。 そこを抜けて、プラットフォーム…

「コメディ・フランセーズ」で「ヴェニスの商人」を見る

あるきっかけで、「コメディ・フランセーズ」に芝居を見に行く事になった。 この建物の前は、よく通っていたが、実際に中に入るのはこれが初めてであった。 劇の内容は、かのシェイクスピアによる「ヴェニスの商人」である。 かなり久しぶりの上演になるらし…

最後の昼餐(ル・トラン・ブルー)

ル・トラン・ブルーの中に入る。 荷物を預けて、席に案内してもらう。 いすに座り、内部の装飾を見つめる。 フランス各地の風景画が描かれていた。いかにもここからいろんなところへ行く事ができますよ、という駅らしい、旅情をそそるようにしてある。 ちな…

さよならマルセイユ

翌日、朝すぐにマルセイユを発たなければならない。 フロントに集まり、運ぶ荷物をみんなで分ける。 自分のチェックインをあわただしく済ませるが、明細の十分な確認をしていなかった。 あとで連れの人に注意される。 確かにこういうことが積み重なると、日…

マルセーユ 朝の魚市 夜の地下鉄

ノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院からからの風景で、松の木と海が入ると、セザンヌの「エスタック」の風景画を思い出す。確かマルセイユの近くだったと思う。 思いのこもった寺院を離れる。坂道をどんどん降りていき、また旧港のそばまで戻る。 港の周りで…

マルセイユ 聖なる丘より(ノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院)

マルセイユ旧港沿いを抜け、ノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院を目指す。 途中、真っ直ぐで、坂道になっている大通りを登っていく。両側に建物はあるものの、まだ朝で、人通りも少ない事もあり、がらんとした、妙な雰囲気だった。 寺院のふもとにたどりつく…

朝焼けのマルセイユ

レストランからホテルに戻る。 明日でマルセイユ三日目、やはり1日会場で軟禁状態。 更に、片付けなどで、晩遅くなるとの事だった。 せっかくマルセイユまで来て、本場のブイヤベースをいただいただけとは残念だ。もう二度と来れないのかもしれないのに。 …

マルセイユ沖まで響く大阪弁

翌日、朝から地下鉄で会場に行き、そこで1日、外に出ず、半軟禁状態である。 昼食も、会場内で売っていた、冷たいサンドイッチだけだった。 その内、こちらに晩のお誘いが来た。 またブイヤベースだが、この日は少し高級なものらしい。 もともとブイヤベー…

回想のブイヤベース(マルセイユ旧港)

停電中の暗闇の中、我々よそ者は、黙々とオリーブをつまみながら、南仏マルセイユ滞在のための通過儀礼を行う。 我々の真摯なイニシエーションが功を奏したのだろう、幸いそんなに時間もかからず、停電は直り、無事チェックインすることが出来た。 ただ、上…

停電中に光るオリーブ(マルセイユへ)

所要でマルセイユに行く事になった。 パリ・リヨン駅を午後2時ごろ発ち、TGVはひたすら南をめざす。 途中、アヴィニョンの駅に着く。といっても、以前訪れた時のアヴィニョンの駅ではない。 街のそばではなく、かなり街から外れたところだった。駅以外ほ…

工事中の預言者たち(モーセの井戸・ディジョン)

昼食を終え、少し街をさまよった後、モーゼ(モーセ)の井戸まで行こうか迷う。 雨はすっかり止んでいた。 ただ、街中からは少し遠い。またガイドブックには工事中とあったため、そこまで行っても実際見学できるかわからなかった。 結局、またディジョンの来…

ブルゴーニュの定番

美術館を出た後、同じブルゴーニュ公宮殿で、お隣にある、市庁舎に入る。 ここから、フィリップ・ル・ボンの搭という、宮殿にある搭の上に登れるのだ。しかし、時間制になっており、決まった時間に、ガイドつきでしか登れない。このときは時間が合わず、残念…

ディジョン美術館の知られていない絵

ディジョンのサン・ミシェル教会のファサード パリからTGVに乗りブルゴーニュの都市、ディジョンを目指す。 駅から、まず、ブルゴーニュ公宮殿のある方向へ進む。 駅から緩やかな上り坂を歩いていくと、すぐ観光案内所があった。ここで大き目の地図と、小…

コンピエーニュ 冬の果てしない緑

一旦、コンピエーニュの宮殿を出て、昼食を食べに行く。 市庁舎前の広場辺りに戻るが、日曜という事で、あまり店が開いていない。 結局角地にあるブラッセリーに入る。 何を食べようかと思ったが、まだRがつく月だった事もあり、生牡蠣に決める。 当然辛口…