ローマ人の物語Ⅳ ユリウス・カエサル

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ローマ人の物語
ユリウス・カエサル ルビコン以前
塩野七生
新潮社 

ローマ人の物語」の第4巻。ユリウス・カエサルの、誕生から幼年・青年期、そしてルビコン川を渡るまでの人生を描いた巻。
塩野先生の本は「イタリア人の手紙」「マキャベリ語録」「ルネッサンスとは何であったか」など何冊か拝読していた。
さらに以前、先生のサッカーについての解説及びインタビューも読んだ。以外とお詳しいのに驚いたが、イタリア遊学中、イタリア男から身の安全を守るためには、サッカーの知識が有効だったとのこと。
ローマ人の物語」シリーズは、今回初めて読ませていただく。
若き日の武勇伝、元老院との権力闘争、から、おしゃれで借金大王、モテモテでなおかつどの女性からも嫌われないカエサル、などなどを叙述している。
そしてガリア戦記についての詳細な解説。
岩波のそれは通読したものの、簡潔な文章ゆえ、2000年後の東洋人にはわかりにくい(単に自分の読解力及び想像力がないだけか?)点もあったが、今回この本を読ませていただいたおかげで、状況がよく理解でき、すっきりした。
ガリア戦記の叙述が、今に至るまで、フランス人やドイツ人などのメンタリティに影響を与えているのだ。
それにしても、塩野先生がカエサルについて叙述するときは特に、冷徹な筆致の奥に熱い思いを感じるのは気のせいだろうか?

(写真下はフランスの子供向けの歴史BDに描かれていた、ウェルキンゲトリクス(ヴェルチンジェトリックス)がカエサルに降伏する時の様子)