プティット・フランスの水門前にて

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今はフランスだけれども
一番西の端っこで
なおかつ取ったり取られたりしていたアルザス
そこにある街ストラスブール
一角にある
プティット・フランス、小フランスと名づけられた地区
周りの家並を見ても
いかにもアルザスらしい
いにしえの木組みの家が見えるのみで
いわゆる「フランス」というイメージには遠い街並み
なぜかと本をひも解いてみると
愛国主義とは無関係」とわざわざ断った上で
もともとここにあった病院の名が「プティット・フランス」だったからに過ぎないよ、と書いてある。
その病院は今はあとかたもなく
ただ名前だけが過去の面影を伝えるだけ

そんなストラスブールの「小さな」フランスで
遊覧船は水門により足止めをくらう
目の前に迫る激しい水の流れ
なぜか妙にワクワクし
よみがえる子供のときの記憶

水門前での立ち往生のあいだ
ふと目をあげると
木組みの家の素朴なテラスには
きれいな花が飾られている
石畳の広場では
画家がお客を相手にしている
小さなフランスでくりひろげられる
のんびりした夏の日の
つかの間の出会い