停電中に光るオリーブ(マルセイユへ)

所要でマルセイユに行く事になった。
パリ・リヨン駅を午後2時ごろ発ち、TGVはひたすら南をめざす。
途中、アヴィニョンの駅に着く。といっても、以前訪れた時のアヴィニョンの駅ではない。
街のそばではなく、かなり街から外れたところだった。駅以外ほとんど何もない。
ここはアヴィニョンTGV駅といい、ちょうどこの当時に新設されたばかりだったらしい。
車窓からは、彼方にアヴィニョンの法王宮殿が見えたような気がするが、今は多少建物なども建てられていると思うので、見えるかどうかわからない。

エクス・アン・プロヴァンスに近づく。
ここで同行の方が、あっと声をあげる。フランスで有名な俳優がいたらしい。
自分も振り向くが、残念ながらよくわからなかった。
フランス暮らしの長い同行者にはおなじみの顔らしい。
その俳優はとっととエクスで降りていった。

午後5時半頃マルセイユ駅に着く。
駅から、地下鉄に乗り、ホテルに行く。ほんの一駅で、あとは少し歩く。
ホテルに入ると暗い。チェックインしようとフロントに行くが、手続きできないとのこと。
停電しているようだ。安い木賃宿ならともかく、ちゃんとパソコンが入っている普通のチェーンホテルでは手続きは無理なようだ。
しかたなくドリンクを飲みながら待つ。おつまみにオリーブが出てきた。
暗い中、オリーブで南仏へのイニシエーションを済ますのであった。