2006-01-01から1年間の記事一覧

ぼくはサイード①

ぼくはサイード パリ生れのパリ育ち といっても、「花の都」なんていうイメージとは全然違う、北の方の、地区。 ぼくのようなアラブ系や、アフリカ系が多く住む地域。 ぼくのおじいちゃんは、北アフリカからフランスに来て、ごみ掃除など白人がやりたがらな…

わが友マキアヴェッリ

わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡 塩野七生 ルネサンス著作集7 新潮社 2001年10月30日発行 マキアヴェッリについて、彼が見たこと、したこと、考えた事について叙述 フィレンツェでの彼の人生を描いている。 普通権謀術数の代名詞のように言…

カード社会フランス(リヨンの公共自転車)

最近、リヨンの公共自転車について調べる機会があった。 これは、街の200箇所ほどに駐輪所を設け、専用のカードさえあれば自由に使えるという便利なものだ。 市当局と、パリなどでおしゃれな屋外広告を手がけている会社によるSERVICEにより、駐輪所は機械…

パリ・マルモッタン美術館にて

パリの美術館の中で、どこが一番お勧めか聞かれることがある。 もちろん、その人の好みによって違うため、どこが一番かなんて簡単には答えられない。 しかし、単に自分の好みから言うと、マルモッタン美術館と即座に答える。 16区、地下鉄の駅を降りて、公…

パリのギリシャ風サンドイッチ屋さん

自分がパリの下宿に住み始めた頃、ちょうど真正面にも中華の総菜屋があった。 しかしさすがに過当競争なのだろうか、しばらくしてギリシャ風サンドイッチの店に変わってしまった。 そういう店もパリにはよくある。 大概大きな肉の塊があり、それを削ぎ落とし…

パリの中華総菜屋さん

パリといえども、いやパリだからと言うべきが、中華料理屋は多い。 特に小さな中華総菜屋などは、自分の下宿の周りにたくさんあった。 一応簡単なテーブルなどはあるのだが、狭いので、大体アンポルテにして下宿で食べていたものだった。 手軽にコメなどが食…

パリのスーペルマルシェのレジ

パリのスーペルマルシェの続き レジの人たちはみんな無愛想な人ばかりだった。(少なくとも下宿の近くのモノプリは) みんな「アメリ」のカフェのタバコ売りのところにいるおばさんみたいだといってもいい。 一応、ボンジュールとは言ってくれるのだが、言い…

パリのスーペルマルシェのパン屋さん

自分がパリにいたとき、一番よく行ったのが、モノプリという名のスーペルマルシェ(スーパーマーケット)だった。 理由は単に下宿のすぐそばにあったから、だった。 広さは中くらいなのだろうか、郊外の様に大きくなかったが、街中ではまあまあのサイズだっ…

ヨーロッパ天使の旅

ヨーロッパ天使の旅 若月伸一 文・写真 東京書籍 1600円 ヨーロッパの色々なところで、さりげなくさまざまな天使に出会います。 単に教会内だけでなく、高い搭のてっぺんだったり、建物の装飾になっていたりしています。 一口に天使といっても、小さな男…

コルマールの聖堂と鐘楼

古の通りのあいだから しっかりとサン・マルタン聖堂を支えている後陣 その向こうには小さな鐘楼が見える 他のフランスのゴシックの大聖堂のように 圧倒的な存在感はないけれども こじんまりとした古都の眺めにマッチした 独特な聖堂の姿 正面に回り 見上げ…

小ヴェニス(Petite Venise)にて

アルザス地方特有の家が並ぶ プティット・ヴェニス 小さな河沿いに きれいな花で飾られた いにしえの木枠造りの家々 激動のアルザスにもかかわらず ここコルマールはあまり戦災に遭わず 古い街を残している それが何よりも大切なこと 近くのカフェに入り ア…

三体のキリスト(ウンターリンデン美術館・コルマール)

いよいよ入る旧市街 まず訪れるは、 修道院の建物の中にある ウンターリンデン美術館 イーゼンハイム祭壇画 「ひとびとの全ての罪を背負って」 という表現がぴったりの キリストの疲れきったさま 祭壇画の裏に回る そこにははなやかに甦ったキリストの姿 磔…

コルマール 夏の噴水

ストラスブール駅を出て 郊外列車はどんどん進む 途中止まった 名前もわからぬ小さな駅 広々とした大地の向こうに 緩やかな山地が広がる それに向かって行くかのように 自転車ごと列車を降りていく人たち 夏の日の楽しいサイクリング のんびりとしたツールド…

下流から上流へ(コルマールへ)

アルザスというレジオン(州・地域圏)にある二つの県 オーラン県とバーラン県 オーはHaut、バーはBas いわゆる「高・低」「上・下」という関係 でも地図では 北の方がバーラン県、南がオーラン県 見かけだけでは少しヘン でもちょちょいと考えてみると ラン…

風呂にも入らずバーデンバーデン」

バスはゆくゆくバーデンバーデン 黒い森の中心の町 湯治場として有名 バスを降りる 帰りのバスの待ち合わせ場所はここと違うと運転手さん よくわからず、あらためて説明してもらう それでもよくわからなかったが諦めてあちこちあるく のんびりした黒い森の中…

黒い森の曲がりくねった道(サスバッハヴァルデン)

ライン河のほとりから いよいよ入る黒い森 妙に新鮮なドイツ語の標識 自分にとっては見慣れないアルファベットでも 運転手にとっては馴染みの道 バスは坂を登っていく みんなを迎えてくれるのは 木組みの家にきれいに飾った花、そして花 ここサスバッハヴァ…

国境の街ケール

バスはヨーロッパ橋を渡りきりいよいよドイツに入るすぐさまかすめる、国境の街ケールなんのことなく通り過ぎる自転車で訪れたこの小さい街最初の仕事はマルクの入手現金引出機の前カードを取りだし、周りをうかがい、ピポピポ押した暗証番号通貨統合まで、…

ヨーロッパ橋から黒い森へ

夏の暑い日、対外試合に行く高校生場所は隣町の高校、適当な交通機関はなく、自転車で行く渡るのは一級河川、結構幅の広い河その高校と対戦するのは初めてで、どんな選手がいるのやら・・・もしその橋がフランスとドイツの間でなければまた、もし過去の深く…

ストラスブールに広がる青い空(ツールドフランス開幕)

フランスの夏の象徴 ツールドフランスいよいよ開幕 出発地は我がストラスブール 7月の初夏の青空のもと 街中の、平坦コースを疾走する 上空に浮かぶヘリコプターから 映し出されるストラスブールの旧市街 やっぱり今日も元気な大聖堂 いにしえの街並みを従…

オベルネの夕暮れ

小さな旗群の下を通り やっぱりあったオベルネの広場 大きな古都には大きい広場 小さな古都にはそれなりに でも、街の中心には違いなく 周りを囲む建物は 16世紀の余韻を残す市庁舎と 小麦市場がしっかり構え 街の魅力をひき立てる 街の広場を中心に ほろ…

十都市同盟都市オベルネ

やや太陽が傾きかけた時刻 欧州の長い夏の夜の前ぶれ 最後の訪問地、オベルネに着く 聖オディール生誕の地 そして更に昔 ローマ時代にさかのぼる古い街 パンフレットにはDECAPOLE(1354)の街とある この時は 辞書をひいても何のことだかわからずに 読み…

アルザスのワイン畑(バール Barrにて)

フランスのぶどう畑について語ろうとする時 思わず言ってしまう 「ワイン畑」と 日本では、ぶどうはそのまま食べるけど ヨーロッパでは、あくまでワインの原料として ぶどうを利用する そして畑の周りでは 素晴らしいワインを創るため 知恵と手間をかけて え…

アルザスを見つめる聖オディール

バスは走る ヴォージュの山の中 くねくねくねくね 緑の中を行く バスは追い抜く 坂を登るサイクリストたち 「たいへんそうだね~」 と、それを見てニヤッと笑う 我らが運転手 山道を抜けて 辿り着くは サント・オディールの修道院 聖オディール 盲目のため、…

ロスハイムに佇む教会と井戸

雄大な姿をあらわす ゴシックの大聖堂 その立派さは、おらが街の象徴で 訪れる人も数知れず その一方 ロマネスクの教会 たいてい交通の便の悪いところにあり ひっそりとした その地味な姿 しかしその地味さゆえに 感じるひとびとの静かで、深い思い アルザス…

アルザスの村々を夢見て

ストラスブールの夏の午後 謎の旅人、歩いて大聖堂に向かう この日は大聖堂の中に入らず そばにある観光案内所に入る 手にはきれいな日帰り旅行のパンフレット アルザスの田舎のぶどう畑の斜面 こうのとり、そして木組みの家 緑の風情が彼を誘う 案内所で受…

陸から攻める欧州議会

みんなトラムから、旧市街の南の周縁、堀のような川のそばで、バスに乗り換える。 バスに乗り、改めて感じる、ゆったりとしたトラムのありがたさ。 バスは並木に挟まれた、緑の通りを走っていく。 旧市街ほどの風情はないけれども、普通のいわゆるヨーロッパ…

欧州連合の中心(欧州議会)

むかし、ある男たちが書いた「宣言」 ヨーロッパに幽霊が出る、共産主義という幽霊である というその出だし 第二次世界大戦後、その幽霊は東半分にとどまり、 西側では、まず石炭と鉄に目をつけ いさかいの根源を管理しようとした 東の幽霊が消え去った後 西…

欧州評議会にて(ヨーロッパ地区)

遊覧船はいよいよ入る カルティエ・ウーロペアン(ヨーロッパ地区)ヘ せっかくなので触れておきたい欧州評議会 欧州議会と紛らわしいけれど 欧州連合とは関係はない 第二次世界大戦後 1949年に設立された 今の加盟国は40数ヶ国 旧ソ連・旧ユーゴの国…

聖パウロ教会(ストラスブール大学前)

ストラスブールのノートルダム大聖堂ほど 大きくもなく 歴史もなく 大学のそばの中州の端の いわゆる街のはずれにあり なおかつフランスでは少数派の プロテスタントの教会だけれども 自分にとっては とっても気になる 聖パウロ教会 赤い砂岩の聖堂の色は ア…

ヴォーバンの堤防(ストラスブールの防御)

ルイ14世の時代 ヴォーバンという天才がいた。 要塞の建築家であり なおかつ攻城の専門家だった人 「矛盾」と言う字のなりたちは 一方でこれは最強の矛だといい 他方でこれは最強の盾だという人が出会い 両者の言っている事が矛盾しているとの言い伝え そ…