必ず位置する「広場」
その空間は
建物に占められた街の中で
ひとびとが直接空の恵みを満喫できる場所
そこで集い、出会い、そして別れる
ここストラスブールでは
クレベール広場が、街の中心地
クレベール将軍の記念像の後ろには
多くの旗が風になびき
太陽光の角度を変えて
さまざまな光の効果をつくりだす
そして市民も観光客も
オープンカフェでくつろぎ
広場を横切るひとを眺めてる
定期市では
アルザス名産のお菓子から
ピカチュウのおもちゃまで
いろんなものをすすめる売り子の声
夜になれば
仮設のステージ
その上で
照らされたライトのもと
旅回りの音楽隊が
ヴァイオリンとアコーディオンを
得意げにかき鳴らす
彼らの音は
広場周囲の建物まで響いたのち
夏の夜空のはるか彼方へ
あとかたもなく
消え去っていく