最後の昼餐(ル・トラン・ブルー)

ル・トラン・ブルーの中に入る。
荷物を預けて、席に案内してもらう。
いすに座り、内部の装飾を見つめる。
フランス各地の風景画が描かれていた。いかにもここからいろんなところへ行く事ができますよ、という駅らしい、旅情をそそるようにしてある。
ちなみに、こういった天井画や壁画のモチーフは、1901年開店当時にPLM鉄道(パリ・リヨン・地中海鉄道)が走っていた各都市で、計41点あり、30人の芸術家によって描かれているとのこと。
フランスの「歴史的遺産建造物」に認定されている。

ここでまず、シャンパンをぐいっと飲む。さあ食事だ、と思ったら、ご苦労様とプレゼントを渡される。
ありがとうと受け取り、開くと、マルセイユのボスからの、銃と暗殺指令のメモだった。
向こうでブイヤベースを食べさせてもらってたから言う事を聞かざるをえない。銃をぶっぱなし、混乱の中すばやく逃げて・・・。
などと、映画「ニキータ」の一場面をリメイクしてしまう。
それにしても、せめて映画では、シャンパンだけでなく、ちゃんと全部食べさせてあげてから、任務のテストをしてあげればいいのになと思う。
満腹時で酒が入って、油断した状態で、なおかつ任務が遂行できれば、本当に合格、てな感じで上司を説得して、計画書を作成していれば、教育係のおじさんも晩飯が食えてよかったはずだ(セコい)。

などと馬鹿な事を思いつつ、魚料理を食べ、少しばかしのワインを飲み、最後はコーヒーで締め、今回の任務の打ち上げを終えるのであった。

(参考図書 パリ おしゃべり散歩 伊藤緋紗子著 光文社、映画気分でパリを散歩 澤登めぐみ著 ピエ・ブックス)