マルセイユ沖まで響く大阪弁

翌日、朝から地下鉄で会場に行き、そこで1日、外に出ず、半軟禁状態である。
昼食も、会場内で売っていた、冷たいサンドイッチだけだった。
その内、こちらに晩のお誘いが来た。
またブイヤベースだが、この日は少し高級なものらしい。
もともとブイヤベースというのは、単なる魚のごった煮で、庶民的な食べ物らしいが、食べ物も進化するものらしい。
自分のグループでは、結構疲れていた人が多く、断る人も多かった。自分も少し疲れていたが、折角の機会と思い、お誘いに乗ることにした。
夜、タクシーでレストランに向かう。途中ライトアップされた要塞のそばを通る。
海に面したレストランに到着する。
ここでのブイヤべースは、ちゃんと丁寧に魚の切り身を取り分けたりしてくれる。上品で、あまり食い散らかす事もなかった。これならきれいな女性と食してもサマになる。
しかし、ここで驚いたのは料理ではなかった。
メンバーの一人に、いわゆる「大阪のおばちゃん」がおられたのだ。
がんがんローカルな話を、マシンガンのように繰り出してくる。
自分も「吉本興業電波文化圏」内の住人だったので、免疫があるものの、いざ実物に面すると、その偉大さに圧倒される。
マシンガントークに対し、ささやかながらことばを返したところ、「○○さん、いい味出してる~」とおほめの言葉をいただいたりした。
「ふるさとの訛り懐かし」ではないが、関西弁のシャワーを浴び、パワーをいただいたような気がした。
しかしながら、帰りのタクシーで同乗した、東北出身のお方は、ぼそっと「あんなに一方的に喋らなくてもいいのに・・・」と愚痴っておられた。
確かに免疫のない方には少し辛かったかもしれない・・・。