大聖堂まで(ストラスブール編)

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20世紀の最後のほう
やり手の女市長が
やり手の男技術者を招聘し
ストラスブールの大改造を依頼した。
車は便利だけれども
排ガス、騒音まきちらし
街は汚くなっていた。

技術者は
街の真ん中から、車を追い出し
トラムや自転車や徒歩で
移動できるよう考えた。
もちろんいろんな意見があり
ケンケンガクガク、ケンケンガクガク
お話好きなフランス人
公共の精神というけれど
総論サンセイ、各論ハンタイ
個々の都合もいろいろある
そんなごちゃごちゃ葛藤の末
新たに創りあげられた旧市街

謎の旅人
クレベール広場をてくてく横切り
歩行者道路をてくてく歩く
石畳の道を
他の旅行者や街人と、一緒に歩き、すれ違う
踏みしめる足からわき上がる
ヨーロッパのいにしえの街を歩く歓び

目の前に迫ってくる
大聖堂の赤茶けたファサードの色
フランスのほかの大聖堂とは
また違った独特の色の調べ