パリの中華総菜屋さん

パリといえども、いやパリだからと言うべきが、中華料理屋は多い。
特に小さな中華総菜屋などは、自分の下宿の周りにたくさんあった。
一応簡単なテーブルなどはあるのだが、狭いので、大体アンポルテにして下宿で食べていたものだった。
手軽にコメなどが食べられるので、結構重宝したものだった。
大体広東風ライスと、揚げ春巻き、あと魚か豚肉の料理を注文して、ついでに冷えたクローネンブルグあたりを買っていたものだった。
一番近いところは、だいたい若い女の子が何人かいた。
自分が来ると、後ろの方にいる女の子たちが、何かこそこそ言っていたのだが、愛想自体はスーペルマルシェのレジのようにあまりよくなかった。
下宿から二番目にある中華の総菜屋さんは、若夫婦で経営しているところだった。
この人たちは、パリには珍しくニコーと笑顔で応対してくれるので、気分がよかった思い出がある。
その笑顔の力で、料理もおいしく感じ、少し遠くても、そこに通ったものだった。