バスはヨーロッパ橋を渡りきり
いよいよドイツに入る
すぐさまかすめる、国境の街ケール
なんのことなく通り過ぎる
自転車で訪れたこの小さい街
最初の仕事はマルクの入手
現金引出機の前
カードを取りだし、周りをうかがい、ピポピポ押した暗証番号
通貨統合まで、まだあと1年半あった日々
歩行者天国のメインストリートを抜けると
やっぱりあった小さな広場
そしてやっぱり小さな教会
やっぱり色は、むりやり名づけたアルザス色
ラインを越えても影響は及ぶのか
それとも単なる偶然か
教会の向かいにあったモニュメント
夏の木漏れ日がふりそそぐなか
たおやかな裸体をもたれかけ
静かにひっそり涼んでる