アルザスを見つめる聖オディール

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バスは走る
ヴォージュの山の中
くねくねくねくね
緑の中を行く

バスは追い抜く
坂を登るサイクリストたち
「たいへんそうだね~」
と、それを見てニヤッと笑う
我らが運転手

山道を抜けて
辿り着くは
サント・オディールの修道院

聖オディール
盲目のため、父親に迫害されるも
洗礼により、目が見えるようになったという奇跡
崖に迫った建物の搭のてっぺん
右手をかざし
彼女はアルザスを見つめ続けている

心で見なければよく見えてこない
本当に大切なものは目には見えないんだ、
と、キツネが星の王子様に明かした「秘密」
聖オディールは
アルザスの長い歴史、そしていろんな出来事を
治った目で見ているのか
それとも心で見ているのか

聖オディールと一緒に見つめる
展望台からの美しいアルザスの大地
ふと我にかえり
見る腕時計
約束の時間ぎりぎりに
バスにたどりつけば
みんなしっかり座っている
ひやっとするわきの下
あわてて席にもぐり込む