2009-01-01から1年間の記事一覧

ダンテ(コンパクト評伝シリーズ9)

ダンテ (コンパクト評伝シリーズ9) G・ホームズ 著 高柳俊一・光用行江 訳 教文館 1995年4月25日発行 13世紀ころのフィレンツェでは、喜劇的な詩、散文の物語、政治的な記録の中で、実在の人物をリアリスティックに描くことが多かった。それが…

マキャヴェッリの生涯 その微笑みの謎

マキャヴェッリの生涯 その微笑みの謎 マウリツィオ・ヴィローリ 著 武田好 訳 白水社 2007年6月20日 発行 フィレンツェの、ヴェッキオ宮の一角に、かつてマキャヴェッリが仕事をした場所がある。 そこに飾られている、マキャヴェッリの肖像画。 その…

ビゴさんのフランスパン物語

ビゴさんのフランスパン物語塚本有紀 著晶文社2000年2月10日初版日本でフランスパンをある程度「かじった」方なら、誰でも知っているであろう、フィリップ・ビゴさんについて書かれた本です。ビゴさんの小さいころのフランスでの生活、日本に来たきっ…

フランス短編映画特集

先日フランス短編映画特集をしていたので見に行きました。 無料でこのような貴重な企画をしていただいて、スタッフの皆様にはありがたい限りです。 入り口で、せめてもの感謝の気持ちとして、些少な額を寄付させていただきましたが、募金箱とアンケート回収…

米原万里 著 「真昼の星空」

真昼の星空 米原万里 著 中央公論新社 2003年10月7日 初版発行 前回紹介した本の著者である塩野七生さんが、イタリア代表日本人作家とするならば、この本の著者である米原万里さんは、ロシア代表日本人作家といえるでしょう。 ロシア語通訳として活躍…

イタリア遺聞

イタリア遺聞 塩野七生 著 新潮社 1982年7月15日 発行 塩野七生さんの、イタリアに関するショートエッセイ集です。 当時、「海の都の物語」という、ヴェネツィアに関する本を執筆されておられたようなので、どうしてもヴェネチアの話題が多くなってい…

アルプスを駆ける兄弟仁義(ツール・ド・フランス第17ステージ)

第17ステージも、アルプスの山の中。 上ったり下ったり、選手の皆さんにとっては本当にご苦労さんなことである。 この日はサルコジ大統領も伴走車で観戦していた。 ヴァカンス中なのだろうか、それとも仕事の一環なのだろうか。 レース後には真っ先にテレ…

サン・ベルナール峠の攻防(ツール・ド・フランス第16ステージ)

第16ステージはマルティニィ~ブール・サン・モーリス。 スイス領内を出発し、イタリアのアオスタ地方を抜けて、フランス領に達するという、三ヶ国にまたがるコースである。 また二つのアルプスの峠、グラン・サン・ベルナール峠とプティ・サン・ベルナー…

ヴィッテルで乾杯!(ツール・ド・フランス第11・12ステージ)

第11ステージはヴァタン~サン・ファルジョ。 そして第12ステージはヴィッテルまで。 両日とも、家に帰ってから、食事後少し疲れて寝てしまい、起きたのが11時、12時ごろになってしまった。 サイクルロードレースTV観戦途中で寝てしまうことを「落…

革命記念日の平坦なフランス(ツール・ド・フランス第10ステージ)

第10ステージは7月14日、フランスは革命記念日。 コースはリモージュ~イスーダン。フランス中部の割と平坦なコースで、緑の木々、刈り取りの終わった麦畑などの美しい田園の中を選手は走る。 白い牛がのんびり寝そべっている姿や、かたつむり(エスカ…

ピレネーのあたりを登ったり下ったり(ツール・ド・フランス第5~8ステージ)

ツール・ド・フランス第5~8ステージは、フランスからスペインそしてアンドラに至りフランス領にもどる、というコースを取る。地中海沿岸もあるが、主にピレネーの山々を登ったり下ったりだった。 第5ステージでは、逃げ切ってフランス人のヴォクレールが…

最速のチームを決めるモンペリエ(ツール・ド・フランス第4ステージ)

第4ステージはモンペリエ周辺のチームタイムトライアル。 チームタイムトライアル(以下TTTと略す)を自分が観戦するのは、今年のジロ・デ・イタリアに続き二度目である。 スタートに、それぞれのチームの9選手が勢ぞろいをする。 そこで各選手の自転車…

フランスの南になびけ日の丸の旗(ツールドフランス第2ステージ)

ゴール直前、 先頭の小集団の後ろから サングラスをかけたクレヨンしんちゃんのような選手が 姿を現す 必死の形相で スパートするも トップには及ばず 5位という順位 しかしその5位というのは 日本人のツールドフランスの歴史を 大きく塗り替えた偉大な結…

ツールドフランス開幕

昨日、いよいよ待ちに待ったツールドフランス開幕。 自分にとっては、今日からテレビ観戦。 今日はモナコからブルニョルまでの南仏コース。 今、ちょうどグラースを通ったところ。 だいだい色の屋根群が、南仏の初夏の光により輝いている。 賑やかな観衆の中…

「三つの帝国」の時代

「三つの帝国」の時代 アメリカ・EU・中国のどこが世界を制覇するか パラグ・カンナ 著 玉置悟 訳 講談社 2009年2月19日 第1刷発行 この本では、冷戦後のアメリカの一人勝ちとなった後の、現在から未来の状況を、アメリカ・EU・そして中国の三つ…

リヨンの橙と緑

フルヴィエールの丘から リヨン市街の北を眺めると だいだい色の屋根が なだらかに広がっていきます 緑の木々の近景と 橙屋根の遠景が フランス中部の街の中に 南仏の趣きを垣間見せます

シベリア鉄道9300キロ

シベリア鉄道9300キロ 蔵前仁一 著 (有)旅行人 発行 2008年8月10日 初版第1刷発行 2005年の5月に、ウラジオストックからフィンランドのヘルシンキまで、シベリア鉄道に乗って行った紀行録。 写真も豊富で、所々の町々の風景も楽しめる。 …

丘の真下のサン・ジャン大聖堂(リヨン・フランス)

リヨンの遠景を眺めてから 丘の真下に目を転ずると サン・ジャン大聖堂が どっしりと控えています 旧市街の大親分のように 貫禄のあるゴシックの姿 若くて白いフルヴィエールの寺院に 負けじとしっかり対峙してます

フルヴィエールの丘からの眺め(リヨン・フランス)

丘の上の聖堂目指して リヨン旧市街の坂道を よく晴れた10月の日に 汗をかきかき登りきります フルヴィエールの丘から リヨンの街を眺めます ソーヌ河とローヌ河に沿って 緑の帯も流れていきます

パリ・リヨン駅からそのままリヨンへ

ある年の10月中旬 パリのリヨン駅からTGVに乗り その名の通りリヨンへ出発 リヨン・ペラーシュ駅に着き、FAXで予約したホテルに向かう。 そこで返送されてきた紙を見せる しかしそれは単に「予約しますか」という意味だけだったようで さらにもう一…

ヨーロッパの四季

ヨーロッパの四季 機Ν 饗庭孝男 文と写真 東京書籍 イタリアはスポレートの街で見かけた、古代的な俤をもつサン・ピエトロ教会。このように、イタリアなど、ヨーロッパの南の方では、古代ローマの建物からの転用が目につく。 (フランスのゴシック大聖堂に見…

フランスのサイクリングレース ドーフィネ・リブレ初観戦

先日、ジロ・デ・イタリアが終わったばっかりなのに、またまたヨーロッパでの自転車レースの中継をしてくれていた。 「ドーフィネ・リベレ」と呼ばれるその大会、グルノーブルやヴァランスあたりのドーフィネ地方(地図参照)で、8ステージにわたって行われ…

サン・キリアス参事会聖堂の物言わぬ痕跡(プロヴァン・フランス)

この写真の聖堂は、サン・キリアス参事会管理聖堂と呼ばれるものです。 我々が訪問した時は、まだ日本語の観光案内のチラシは無かったようですが、現在ではプロヴァンの観光案内書のホームページで、日本語の案内も見ることができます。 それによると、この…

プロヴァンの青空に消えた鷹(フランス)

プロヴァンの鷹のショーの続きです。 最初は地面に近いところを浮遊していた鷹達だったのですが、次第に上空に舞い上がるようになってきました。 アリーナの高い所に立っている中世の衣装をまとった鷹匠の手から、青空に向かって飛び立ち、そして鷹匠のとこ…

ハンニバルの象使い

ハンニバルの象使い ハンス・バウマン作 大塚勇三 訳 1967年5月8日 第2刷発行 岩波書店 この本は、武将ハンニバルのアルプス越え前後の出来事を、それに随行した象使いの少年の目を通して描いたものです。 これも子供向けの図書なのですが、史実を元…

勇士を迎えるローマの神々(ジロ・デ・イタリア最終日)

ジロ・デ・イタリア、いよいよローマで最終日を迎えた。 前日までメンショフが総合1位を守り、ディルーカは2位にとどまっている。 どこかでディルーカが1位を奪うかと思ったが、それを防いだメンショフはさすがだ。 ディルーカが何度スパートをかけても、…

ホメーロスのオデュッセイア物語

ホメーロスのオデュッセイア物語 バーバラ・レオニ・ピカード著 高杉一郎 訳 1987年5月25日 第10刷発行 岩波書店 この本は、ホメーロスのオデュッセイアを子供向けに書きなおしたものです。 しかしながら、その割には、文字数も多く、少なくとも自…

アペニンの熱い人間ドラマ(ジロ・デ・イタリア)

第15ステージは、フォルリ~ファエンツァ間となる。 といっても、直線距離ではなく、昨日と同じく、アペニン山脈の中の道が多い。 途中のブドウ畑や、オリーブの木がのどかである。 といっても、気温も暑い中、レースも熱かった? 坂道で、総合2位のディ…

ボローニャの急勾配の激走(ジロデイタリア 第14ステージ)

ジロ・デ・イタリア第14ステージ、この日はボローニャまでのコースである。 ディルーカ有するLPRのチームがレースを引っ張る。 本来はマリア・ローザのチームが引っ張るべきなのだが、解説によると、先行グループに追いついて、ディルーカのポイントを…

フィレンツェの石畳は避けて(ジロ・デ・イタリア13ステージ)

ジロ・デ・イタリア、金曜日は第13ステージ、フィレツェまでのコースだった。 前日の個人タイムトライアルの疲れもあって、全体的にのんびりした雰囲気だった。 途中の町で、観衆に手を振る選手たち。 結構このあたりに住んでいる選手も多いようだ。 レー…