サン・キリアス参事会聖堂の物言わぬ痕跡(プロヴァン・フランス)

イメージ 1

この写真の聖堂は、サン・キリアス参事会管理聖堂と呼ばれるものです。
我々が訪問した時は、まだ日本語の観光案内のチラシは無かったようですが、現在ではプロヴァンの観光案内書のホームページで、日本語の案内も見ることができます。
それによると、この聖堂は、アンリ・ル・リベラル伯爵の意志により、12世紀に建設を開始したそうですが、フィリップ4世治下、王国の予算不足により未完成のまま終わった、とのことです。
この写真は、セザールの塔の方向から写したものと思われますが、本来の当初の計画では、手前のサン・キリアス広場の端まで建設される予定だったそうです。
フィリップ4世の時代、戦争などでかなりお金を浪費しており、その一つの痕跡がこのような地味な聖堂にも残っているようです。

そのフィリップ4世というと、日本語だと「美男王」「端麗王」を意味する le Belという人称がつけられていました。
そういえば、アヴィニオン・ヴィルヌーヴに、王の名前を冠した塔がありました。
その聖堂の建設をはじめたアンリ伯爵には、「リベラル」という称がついていますが、どういう意味なのでしょうか。
自由人として気ままに生きていたのか、放縦な性格だったのか、あるいは部下や領地民に寛容だったのか、などなど気になるところです。