アルプスを駆ける兄弟仁義(ツール・ド・フランス第17ステージ)

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第17ステージも、アルプスの山の中。
上ったり下ったり、選手の皆さんにとっては本当にご苦労さんなことである。
この日はサルコジ大統領も伴走車で観戦していた。
ヴァカンス中なのだろうか、それとも仕事の一環なのだろうか。
レース後には真っ先にテレビ局のインタビューも受けていた。
まあツールドフランス自体がフランスの象徴ともいえるわけで、フランス大統領が観戦しても全く不自然ではない。

このステージは、最後の峠の頂上手前で、先頭グループがシュレク兄弟とコンタドールの3人となった。
上り得意のコンタドールは、頂上前でスパートし、第17ステージも1位になる可能性もあったが、前日まで総合2位3位だった同じアスタナのチームメイトとの差が開きすぎるのを恐れたのか、そのままシュレク兄弟に随走する作戦を選んだ。
頂上通過後、ゴールまでの道のりで、コンタドールがなにやらシュレクに話しかけていたのがいかにもサイクリングレースらしい。
ステージ優勝はキミ達にあげようかな、どうしようかな・・・うんぬんの駆け引きが行われていたのかもしれない。
その甲斐もあったかどうかわからないが、フランク・シュレクがステージ優勝、コンタドールが2位、アンディ・シュレクが3位となった。
そして総合成績では、コンタドールが少し差を広げて1位をキープ、そしてシュレク兄弟がこのステージ終了時点でアスタナ勢を押しのけ2位・3位に浮上した。

それにしても、このような長期間のロードレースは、当日の優勝、総合の優勝、チームメイトの都合、ポイント獲得などなど、いろいろ複雑な要素がかみ合って、考えさせられる。
自分のような初心者では、解説を聞いていてもなかなか追いつかないところもあるのが残念だが、とりあえず単に風景を見ているだけでも救われる。
レースの駆け引き、というだけなら、いろいろ複雑な要素もあり、純朴な?日本人にはあわないかもしれない。
しかしその一方自分のチームのエースを勝たせるために、自分の成績は無視して、エースのために身を粉にして尽くす、という状況も一般的である。
こういった点は、義理人情を重んじ、大義のために身を犠牲にする、古きよき?日本人のメンタリティにもあっているのかもしれない。

(画像はJ SPORTSのHPからです。たきもとかよさんのイラストレポートも絶好調です。)