ローマへ続く真直ぐな道

枢要徳と対神徳(署名の間、ラファエッロの間)

「署名の間」は景気のいい(笑)オールスター勢ぞろい的な作品が多いのですが、この「枢要徳と対神徳」だけは地味な作品になっています。 題名は難しいですが、とりあえず「善」を表現しているとのことです。 スペースが極端な門形になっており、三分割して…

聖体の論議(署名の間、ラファエッロの間)

ヘリオドロスの間に続いて「署名の間」に入ります。 ここは教会裁判が開かれた、ということで「署名の間」と名づけられています。ラファエッロの間の内、ラファエッロはこの部屋から装飾にとりかかりました。 ヘリオドロスの間は、史実の一場面を描いた絵画…

幻の「ボルセーナのミサ」(ヘリオドロスの間、ラファエッロの間)

このヘリオドロスの間のフレスコ画の中で、「ボルセーナのミサ」は修復中だったので見れなかったのですが、せっかくラファエッロをしっかりと見直す機会ですので、紹介しておきます。 もともとの絵のモチーフは、1263年にボルセーナで起こった奇蹟を元…

アッティラの撃退(ヘリオドロスの間、ラファエッロの間)

続いて同じヘリオドロスの間の「アッティラの撃退」です。 これは当時イタリア北部を荒らし、ローマを狙っていた、フン族のアッティラに対し、452年、イタリアから出ていってもらうようにレオ司教らが交渉した史実をもとにしています。 「ローマ人の物語…

光の中の奇跡(聖ペテロの解放  ヴァチカン より)

まばゆい外光が 聖ペテロの奇跡を じんわり下から 照らしてゆきます 絵画の中の 天使の光とあいまって 不可思議な場面を 幻想的に包み込んでゆきます

聖ペテロの解放(ヘリオドロスの間、ラファエッロの間)

この絵画は、同じくヘリオドロスの間にある「聖ペテロの解放」です。 これは新約聖書の使途行伝に叙述されている一つのエピソードを絵画にしたものです。 場面は三部に分かれています。 まず中央がヘロデ王に囚われた聖ペテロと、その前に現れた天使です。 …

「神殿から追放されるヘリオドロス」に出てくるラファエッロ

「神殿から追放されるヘリオドロス」の左半分を中心に撮った写真です。 教皇が乗っている輿を担いでいる人のうち、輿から見ると前方左側(画面を向って見ると後方の右側)の人物はラファエッロ本人ということです。 このヴァチカンの「ラファエッロの間」で…

神殿から追放されるヘリオドロス(ヘリオドロスの間、ラファエッロの間)

次にラファエッロの間の第二室「ヘリオドロスの間」に入ります。 まず画像の絵画は「神殿から追放されるヘリオドロス」です。 この絵画が描かれはじめた1511年頃、教皇ユリウス2世はフランスと皇帝軍の連合軍にとの戦いや、枢機卿内での権力闘争におけ…

コンスタンティヌスの間(ラファエッロの間、ヴァチカン)

いよいよラファエッロの間に入ります。 まずはコンスタンティヌスの間です。 この部屋の絵画は、ラファエッロにより描かれたものではなく、弟子であるジュリア・ロマーノなどによって描かれたものです。 それゆえ、ラファエッロ独自の「明快な美しさ」は無…

無原罪のマリアの間?(ヴァティカン美術館)

この画像の部屋は「無原罪のマリアの間」のようです。 最初画像を調べている時は、ここからすでにラファエッロの間の「コンスタンティヌスの間」かなと思っていました。 しかしwikiを見ても、違う画像が出ていました。 ということでガイドブックの地図…

地図のギャラリーの天井画(ヴァチカン)

「タペストリーのギャラリー」の後は、写真の「地図のギャラリー」を通りぬけます。 16世紀の後半に描かれたイタリア各地方などの地図40枚が飾られています。 実際に通った時は、地図よりも、この天井画全体の派手さに目を奪われてしまいました。 本当…

タペストリーのギャラリー(ヴァティカン)

続いて、タペストリーのギャラリーに入ります。 ここは、キリストの生涯を描いたタペストリーを展示しています。 クレメンス7世の時代に、ラファエッロの弟子による下絵をブリュッセルで織られたものが展示されているそうです。 写真のものは、聖家族でし…

円形の間(ピオ・クレメンティーノ美術館、ヴァティカン)

ピオ・クレメンティーノ美術館の「円形の間」に入ります。 シモネッティの設計によって造られています。 屋根は写真の通り丸屋根となっています。これはパンテオンをイメージしているそうです。 そう言われれば確かにパンテオンの面影がありますね。 円形の…

ピウス6世?の胸像(ピオ・クレメンティーノ美術館、ヴァチカン)

この写真、外光に映えている胸像は教皇ピウス(ピオ)6世だと思われます。 テラスのような外側からの光の解放感により、思わず写真に残してしまったようです。 教皇様の「私を撮りなさい」という、見えざる力に導かれたのかもしれませんが・・・(笑)。 …

ピオ・クレメンティーノの他の作品(ヴァチカン)

これは石棺だと思われます。 下には戦いの場面や、捕虜を従えている勝利者(椅子に座っている)などの実際にあったような場面が彫られています。 上は足が蛇のようになっている男や、闘う女などが彫られています。神話から題材をとったもののようです。 こ…

メデューサの頭部をもつペルセウス(ピオ・クレメンティーノ美術館、ヴァチカン)

この写真の右側は「メデューサの頭部をもつペルセウス」です。 この作品はイタリアの新古典主義を代表する彫刻家、カノーバによって制作されました。 制作時期は1800年ごろです。意外と新しい作品なのですね。 ポーズはベルヴェデーレのアポロと同じよ…

ベルヴェデーレのアポロ(ピオ・クレメンティーノ美術館、ヴァチカン)

ヴァチカン博物館内の、ピオ・クレメンティーノ美術館に展示されている「ベルヴェデーレのアポロ」です。 均整のとれた美しさですね。 この作品についてゲーテは 「ベルヴェデーレのアポロンよ、何故にお前は、われらにお前の美しき肢体を見せるのだ。われ…

ヴァチカン・ローマ等の紋章

翌朝は地下鉄を利用して、ヴァチカンに行きます。 美術館周辺に着いたのですが、すでに入り口から二つ目の角のところまで列が続いていました。 しかし幸い列の流れ自体はそんなに滞っておらず、じわじわと前に進んでいきました。 列に沿って「団体入場しませ…

北の玄関ポポロ門(ローマ)

写真の門はポポロ門です。 この門が、北からの訪問者を迎えました。 フィレンツェにしろシエナにしろ、城門には独特の感慨を持って眺めたものです。 いかにも都市国家の名残、という感じがするからです。 まだその点ローマは巨大な都市ということもあり、そ…

ポポロ広場のお茶目な双子寺(ローマ)

ポポロ広場に達します。 前回、ローマに行ったときも、この広場を訪れました。 そのときは、緑の自然に覆われたボルゲーゼ公園を通り抜け、この広場を高台から望む、という流れでした。そのため広場という人工的な空間が初夏の日差しの中、更にまぶしく感じ…

ローマのバイクシェアリング(公共レンタル自転車)

ゲーテの家を出て、ポポロ広場の方に向かいます。 その途中で、写真のような場所を見つけました。 バイクシェアリング、すなわち公共のレンタル自転車のようなものです。 フランスのリヨンやパリにあり、そして最近ではロンドンでも始まったシステムです。 …

ゲーテの家から見たコルソ通り(ローマ)

「ゲーテの家」からコルソ通りを眺めます。 今はどうかわかりませんが、ゲーテの時代、このコルソ通りが謝肉祭の中心となっていたそうです。 「コルソ」という名の由来は、イタリアの諸都市の若干のながい街路と同様、競馬に由来するものだそうです。謝肉祭…

カンパニアのゲーテ(ゲーテの家、ローマ)

この絵画は、当時、ゲーテと同じくローマにいた画家ティッシュバインによる「カンパニアのゲーテ」です。 この絵については、1786年12月29日に 「~私はティッシュバインがしばしば私を仔細に観察しているのに気づいていたが、彼が私の肖像画を試み…

「ゲーテの家」に入る(コルソ通り、ローマ)

中に入り、無愛想な受付の若い男性に4ユーロ払い、ゲーテに関連する書籍や絵画や記念物を見学します。 他のお客さんは二、三人程度でした 写真は、コルソ通りに面した窓です。 横の素描は、当時のものでしょうか? 当時、向かいはロンダニニ宮殿だったそう…

ゲーテの家の入口(コルソ通り、ローマ)

賑やかなコルソ通りに入ります。 人も車も多く、歩道も狭く、雨模様の中、前から来る人を避けながら歩いていきます。 目的の「ゲーテの家」の前に着きます。 この時期には、ミハエル・エンデの展示もしていました。 入り口の両隣は、普通の店舗になっていま…

アラ・パチスそばの名も知らぬ教会(ローマ)

平和の祭壇を見学した後、この建物内をうろつきます。 ちょうどこのときは、階下の部屋で、近現代の製品デザイン関連の展示会をしていました。 ローマ時代の平和の祭壇とはそぐわない気もしますが、まあせっかくのスペースをいろいろ有効活用しているのでし…

アラ・パチスの歴史(ローマ)

紀元前13年 元老院が建設を決議。着工 紀元前9年 完成 中世を経て 16世紀 発見 (ワールドガイド イタリア ’01~’02) 18世紀 発掘 (ローマ古代散歩) 1936年 ムッソリーニにより、現代の場所に移築・復元 1970年 すでにコレクションと…

アラ・パチス 裏面の女神たち(ローマ)

アラ・パチスの裏側に回ります。 こちらは二面とも女神になります。 左側は、大地の神テルス(テッルス)です。 この女神は、双子を抱えています。 その両側には、風と水の女神が座っています。 右側には、ほとんど壁画自体は紛失していますが、ギリシャ神…

白い世界のアラ・パチス正面(ローマ)

サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会を出て、北に向かいます。 途中Tomacelli通りにあった、地元の人もよく出入りしていそうなピザ屋さんで、ピッザ・マルゲリータを食べます。 すぐ近くの、ローマらしからぬ近代的な建物に入ります。それがア…

逞しいキリスト(サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会、ローマ)

パンテオンを出て、サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会に入ります。 ここの内部はかなり暗かったです。 ミケランジェロ作の「あがないの主イエス・キリスト」と呼ばれる、十字架を背負ったキリスト像です。 左下に小銭を入れるところがあります。 お金…