「神殿から追放されるヘリオドロス」に出てくるラファエッロ

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「神殿から追放されるヘリオドロス」の左半分を中心に撮った写真です。
教皇が乗っている輿を担いでいる人のうち、輿から見ると前方左側(画面を向って見ると後方の右側)の人物はラファエッロ本人ということです。
このヴァチカンの「ラファエッロの間」では、後で触れる「パルナソス」でもラファエッロは登場しています。
このように、自分が描いた作品中に登場するのは珍しくなかったようです。
ただ、ほかのラファエッロの自画像などと比べても、この顔は一番男前でないような気がします。
 
 
 
ラファエッロの顔は、もっとスッとした、優男的な印象があるのですが、この絵は鼻の形も少しいびつで、ひげも中途半端に感じます。
その理由についてはまったくわからないのですが、ひとつ推測すると、教皇ユリウス2世に遠慮した、ということは考えられます。
自分は地味に描いておき、あくまで教皇の引き立て役になる、という考えがあったのかもしれません。
細かい気配りのできるラファエッロなら、そのような配慮は芸術家としてもまったく問題なかったかと思われます。
 
あと担ぎ手の内、もう一人の前列の担ぎ手は誰がモデルかは不明です。
その向かって左側の男性はフランチェスコ・マリア・デッラ・ローヴェレ(教皇のおい。アテネの学堂に出てくる)のようにも見えますが、手元の資料には特に触れられていませんでした。