ヘルシンキの真ん中で

お堅い女性の立像を後にし、海沿いに歩いていく。
途中フェリー乗り場で昼食を取る。前日に乗ったところに比べて、たいへんきれいで明るいところだった。
トラムに乗り、街中に戻る。
まずアテネウム美術館に入る。ここにはゴッホなどの絵画のほか、日本の鈴木春信の浮世絵もあった。
続いてヴィラ・ハカサルミというピンク色のかわいらしい邸宅に行く。ここはある日本のガイドブックでは市立博物館となっていたが、現地のパンフレットによると、その分館であり、他にも市立博物館としての建物があるらしい。
その後すぐ近くの国立博物館に行く。
「カレワラ」と呼ばれる、民族叙事詩があり、そのフレスコ画が有名だとのことだったが、見つからない。仕方なく係員に「カレワラの絵」などと聞いてみる。最初は通じなかったが、適当に説明すると、何とかわかってくれた。入り口付近の天井にあるとのこと。戻り、その絵を見上げる。
ここにはフィンランド人の生活の歴史的変遷がわかる物も展示している。フィンランドの有名な絵のパロディで、ノキアを取られそうになって焦っている女性(フィンランドの象徴)のマンガがあった。フランスの象徴もマリアンヌという女性だが、いろいろな形で表現している。そういったのをパロッて、かわいらしく描いているのを見ると妙にうれしくなってしまう。
あとコインのコレクションがあったのが印象に残った。
博物館を出て、オリンピック競技場方面に行くためトラムに乗る。するとパンクの連中が乗っていた。じろじろ見ると怒られそうなので、ちらちら見るにとどめる。こんな平和な街といっても、一国の首都だから、パンクがいても何の不思議もない。
トラムを降り、オリンピック競技場の博物館および展望台に入りたかったが、残念ながら、もう時間が遅く入れなかった。
競技場周辺を、ヘルシンキの夕焼けの中を歩いていく。元気にサッカーをする少年たちの歓声が聞こえていた。