「アテネの学堂」の哲学者たち(ヴァチカン美術館)

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アテネの学堂」の中央部分の拡大写真です。
階段で横たわっている禿げたおじいさんは、犬儒派の哲学者ディオゲネスです。
この人は清貧の象徴として、エピソードに事欠かない哲学者です。
住んでいたところは酒樽の中。
財産は水を入れる皮袋のみ。それさえも子供が水を手ですくって飲んでいるのを見て、捨ててしまいました。
また飛ぶ鳥を落とす勢いのアレキサンダー大王が、彼の評判を聞きつけて会いに来たとき、何か望みのものはあるかと聞かれて「そこをのいてくれませんかね。日光が当たらないもので」と答えた・・・。
などなど物欲に支配されている我々からすると、痛快なエピソードが続きます。
 
最後に中央の主役は、アリストテレスプラトンです。
この二人の容貌は、アリストテレスミケランジェロプラトンレオナルド・ダ・ヴィンチとも言われています。
それでもラファエロの時代から数十年後には、聖パウロと聖ペテロに読み換えられたそうです。
さすがに偉大な哲学者といえども、教皇の居室の壁を異教徒で飾るのは抵抗があったようですね。
過ぎ去ったルネサンスの時代の自由闊達さを感じます。