シャルルマーニュの戴冠(火災の間、ヴァティカン美術館)

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引き続きこの絵は「シャルルマーニュの戴冠」です。
これは800年のクリスマス、ローマにおいてレオ3世によりシャルルマーニュカール大帝)が「ローマ皇帝」の帝冠を受けたときの様子を描いています。
これはラファエッロの間の他の絵でユリウス2世が描かれたものと同様、その当時君臨した教皇の政治的事業を称賛することと組み合わされています。
ここではレオ10世の実現させたフランスとの和平を称賛する意図があったようです
その和平はおそらく、1494年、フランス王シャルル8世がイタリアに出兵し「イタリア戦争」となったのですが、その後1516年フランスワ1世が教皇やスイスとノワイヨンの和議を結んだこと、あたりだと思われます。
 
この絵はラファエッロの手はほとんどかかっておらず(下絵程度?)、工房によるものだと思います。
絵自体にラファエッロ特有の柔らかさもない様に思えます。
あとこの火災の間では、非対称的な斜線型の構図が使われるようになったことが特徴といえます。
この絵と次に紹介する「オスティアの戦い」はその傾向が顕著だと思いますね。
 
フランス史10講 岩波新書 を参考にしました)