アイルランド 自然・歴史・物語の旅

アイルランド 自然・歴史・物語の旅 表紙

アイルランド 自然・歴史・物語の旅

渡辺洋子 著

三弥井書店 発行

平成26年10月14日 初版発行

 

この本は第1部では地図を片手にアイルランドを旅しながら、行く先々の自然やそれにまつわる歴史、伝説、物語を紹介するという、いわゆるディンシェンハス(名だたる土地にまつわる伝承)の旅です。

第2部ではアイルランドの伝承の中でも最も人気のある英雄、フィン・マックールの物語を読みながらアイルランド各地を訪ねています。

 

第1部 アイルランドを旅する 旅のガイドブック

アイルランド本土には、ローマ人の侵攻はなかったが、アイルランド東部の沿岸の島々には、ローマ人の商人が渡来していた形跡が見られる。

 

第1章 首都ダブリンとその周辺

1 ダブリン市歴史散歩

わずかに残るゲルタハト(日常的にアイルランド語を話す地域)を除いては、全島民が英語を話している。

2 ダブリン市のランドマーク

3 ダンレアリー・ラスダウン地区

1807年、ダブリン港を出てイギリスに向かう二隻のイギリス客船が風に流され、ダンレアリー沿岸の岩礁にぶつかり、400名の命が奪われた。この事件を機にそれまで小さい村だった、ダンレアリーが発展することになる。

1817年から1857年の40年をかけて、現在のような西と東の埠頭を持つ港が完成する。

1821年に当時のイギリス王ジョージ四世が建設中の西埠頭からアイルランドに上陸したため、その後の100年間、ダンレアリーはキングスタウンを呼ばれるようになる。

1921年自治を獲得した後、名前はダンレアリーに戻る。

4 フィンガル地区

マーテルロー・タワー

イギリス軍が1804年から6年にかけて、ナポレオンの進軍に備えて、防御用の要塞としてアイルランドの主に東岸に建てた塔。ジョイス博物館もその一つ。

 

第2章 ボイン川を下る旅

1 ボイン川発祥の伝説

2 トリム城とその周辺

3 タラの丘

4 ニューグレンジとノウス

5 モナスターボイス

6 メリフォント修道院

7 ドロヘダ

 

第3章 「固い土」と「柔らかい土」 コネマラの泥炭地とバレン高原

1 泥炭地コネマラ

カイレモア・アビー

2 ゴールウェイ市

3 バレン高原

4 アラン諸島

 

第4章 山と海に囲まれた隠れ里 ディングル半島

1 地勢、気候、暮らし

2 リング・オブ・ディングル歴史探訪

オガム文字は四世紀から六世紀頃に使われていた、アイルランドで最も古い文字で、一本の直線の上下に、あるいはその線をクロスした、数本の短い線の組み合わせでアルファベットを表すものである。

 

第5章 シャノン川をさかのぼる

1 シャノン川

アイルランドの中央部を北から南に流れるアイルランドで最も長い川

2 リメリック市

3 クロンマックノイス

4 アスローン

アイルランドのちょうど真ん中にあり、交通の要衝として、流通業が盛んである。

5 リー湖

6 カリック・オン・シャノン周辺

 

第6章 スライゴー 不思議の世界への入り口

1 スライゴーの歴史

2 スライゴー市

3 スライゴーとイエイツ兄弟

4 スライゴー南西部 ノックナリーとキャラモア

5 ギル湖周辺

6 スライゴー北部 ベンブルベン山の麓

 

第7章 共和国の離れ小島 ドネゴール県

1 ドネゴール県の歴史と地形

2 ドネゴール沿岸の風景を楽しむ

3 トーリー島

4 ドネゴール山岳地帯を行く

 

第8章 最北の風景と歴史 北アイルランドを旅する

1 アルスターの歴史

2 ベルファスト

3 デリー市の歴史

1618年に完成した城壁都市は、レイアウトも城壁も当時のまま残っていて、しかも現役である。これはアイルランドだけでなくヨーロッパでも稀有なことである。

4 アルスター沿岸の風景と伝承を楽しむ

 

第2部 フィン・マックールと旅する フィンの物語を読む

第1章 アイルランドの伝承文学について

アイルランドの伝承文学は古い時代に書かれた写本に残る物語と、農民たちが口承によって語り伝えられた物語の二つに分けられる。

 

第2章 写本に書かれたフィンの話を読む

1 フィン・マックールの誕生から少年時代

2 知恵の鮭

3 フィンがフィアナ戦士団の団長になる

4 ナナカマドの魔法の館

5 ヂアムジとグローニャの追跡

6 ガウラの戦い

 

第3章 アイルランドの民間伝承のフィンの話を読む

1 鍛冶屋ルーン・マック・リーファとフィンの仲間

2 フィン・マックールと小さい男たち

3 フィンの誕生