2023-01-01から1年間の記事一覧

パリとアヴィニョン 第二部 アヴィニョン 教皇庁の再編 第一~三章

サン・ベネゼ橋から見たアヴィニョン教皇庁 第二部 アヴィニョン 教皇庁の再編 第一章 問題のありか ペトラルカや聖カタリーナ、ヴィラーニなどイタリア人によるアヴィニョン教皇庁への強い反発 その一方、ローマにあっては、伝統的なローマ市貴族の支配下で…

パリとアヴィニョン 西洋中世の知と政治 樺山紘一 著 第一部 パリ フィリップ四世王政府

パリとアヴィニョン 樺山紘一 著 表紙 パリとアヴィニョン 西洋中世の知と政治 樺山紘一 著 人文書院 発行 1990年3月30日 初版第一刷発行 題名は「パリとアヴィニョン」という曖昧なものになっていますが、具体的な内容は ・1285年から1314年のパリにおける…

歴史家のひとり旅 堀米庸三 著 (後半)

フランス、ロワール地方のシノン城(2001年当時) Ⅲ 思い出と再考 運動神経について 雪のカノッサ行 1966年11月25日、ミュンヘンを出発 雨期のイタリアのアペニン半島を縦横に走り回る。 カノッサは、アペニン山脈がロンバルディアにいたって、西方に大きく…

歴史家のひとり旅 堀米庸三 著 (前半)

歴史家のひとり旅 堀米庸三 著 表紙 歴史家のひとり旅 堀米庸三 著 新潮社 発行 昭和46年12月10日 発行 Ⅰ ヨーロッパ中世の旅 アイルランド紀行 1959年5月、ボストン空港から生まれて初めてのヨーロッパ旅行の途につく堀米さん。 アイルランドのリメリ…

ケルト海三か国、花と散る(ラグビーワールドカップ)

ケルト海の範囲 ラグビーワールドカップ応援していた三か国、ウェールズ、アイルランド、そしてフランスが準々決勝で揃いも揃って負けてしまうとは。ショックです。この三か国、6カ国対抗以外の共通点を無理やり探しだすと、ケルト海が共通の海ということに…

古代ローマの建築家たち 場としての建築へ

古代ローマの建築家たち 表紙 古代ローマの建築家たち 場としての建築へ 板屋リョク 著 丸善 発行 平成13年8月25日 発行 はじめに 本書では古代ローマ時代以後の二千年間にとって重要な建築が集中的に現れた特別な時期に注目しています。 その時期は、マルグ…

聖母の都市シエナ 第二部 都市建設 第三部 美術作品

第二部 都市建設 第四章 城壁・道路・フォンテ ある十九世紀の歴史家は「イタリア語ほど道という言葉の縮小辞(つまり細道、小路、路地といった類の言葉)をたくさん発明した言語はない。もしいろいろな方言を集めたならば、相当の数にのぼることだろう」と…

聖母の都市シエナ 第一部 都市国家

聖母の都市シエナ 表紙 聖母の都市シエナ 中世イタリアの都市国家と美術 石鍋真澄 著 吉川弘文館 発行 昭和63年4月10日 初版発行 本書は、まず十三世紀末から十四世紀前半のシエナの都市国家体制とその市民たちの姿を生き生きと語り、つづいてシエナの市民た…

ラファエッロと古代ローマ建築 教皇レオ10世宛書簡に関する研究を中心に

ラファエッロと古代ローマ建築 表紙 ラファエッロと古代ローマ建築 教皇レオ10世宛書簡に関する研究を中心に 小佐野重利 編 小佐野重利、姜雄 翻訳・注解・解説 平成5年11月25日 発行 中央公論美術出版 ラファエッロの教皇レオ10世宛書簡の翻訳およ…

青空に映える 中谷芙二子 霧の彫刻 姫路市立美術館前庭

中谷芙二子 霧の彫刻 姫路市立美術館前庭 先日、NHKEテレ日曜美術館でも紹介されていた中谷芙二子さんの霧の彫刻です。 この日は青空が映えていました。 残念ながら霧の勢いは低いのですが、鮮やかな青空のおかげで、白っぽい姫路城や石畳、美術館のレンガ色…

ラグビーワールドカップフランス大会、ウェールズがオーストラリアを圧倒!

ウェールズの国旗 今日は早朝、ワールドカップラグビーフランス大会、ウェールズ対オーストラリア戦を後半から見る。 すでにウェールズリードで、そのままウェールズが圧倒して勝利。 堂々の予選突破である。 個人的にはフランスかウエールズか、アイルラン…

ダブリンからダブリンへ

ダブリンからダブリンへ 表紙 ダブリンからダブリンへ 栩木伸明 著 みすず書房 発行 2022年1月7日 第1刷発行 『ダブリンからダブリンへ』というタイトルには、時間的な移動、つまりは歴史的観察と空間的な移動、ようするに旅という二つの意味合いが込められ…

ヨーロッパ近現代の200年 くらべて楽しむ地図帳

ヨーロッパ近現代の200年 くらべて楽しむ地図帳 表紙 ヨーロッパ近現代の200年 くらべて楽しむ地図帳 関眞興 編著 山川出版社 発行 2023年8月30日 第1版第1刷発行 この本では ・ウイーン体制が成立した1815年 ・第一次世界大戦が始まる1914年 ・第…

中世イタリアの都市と商人 清水廣一郎 著

中世イタリアの都市と商人 清水廣一郎 著 表紙 中世イタリアの都市と商人 清水廣一郎 著 講談社学術文庫 2021年10月12日 第1刷発行 Ⅰ 地中海商業と海賊 地中海の波はおだやかである。秋から冬までの冷たく風の強い季節を別にすれば、海は時にものうげに、時…

ル・コルビュジエ 機械時代における建築の叙情性

ル・コルビュジエ 機械時代における建築の叙情性 表紙 ル・コルビュジエ 機械時代における建築の叙情性 ジャン=ルイ・コーエン 著 タッシェン・ジャパン 発行 2006年12月31日 第1刷発行 ル・コルビュジエほど、工業時代の希望と幻滅を具現化した建築家もい…

ラグビーワールドカップフランス大会開幕!フランス、イングランドの勝利

イングランドのジョージ・フォード選手 ラグビーワールドカップフランス大会開幕!初戦は開催国フランスとニュージーランドの闘いフランスいきなり強豪である。 後半、まだフランス負けているところから観たが、大歓声に押されて見事逆転勝利!対戦後のテレ…

なかなか開館しないジェイムズ・ジョイスの塔(アイルランド)

開館前のジェイムズ・ジョイスの塔 ジェイムズ・ジョイスの塔に開館時間前に到着します。まだ電気も着いておらず、旗も掲げられていません。しばらく待ち、開館時間になりましたが、開きません。入り口の前には、結構観光客も集まっています。二十分ほどして…

EU結束基金の看板(アイルランド)

EU結束基金援助の看板 ダンレアリー湾から、ジェイムス・ジョイスの塔へ、海沿いをてくてく歩いて向かいます。途中で、画像のような看板を見かけました。Dun Laoghaire-RathdownCounty Councilダンレアリー=ラスダウン市議会Dun Laoghaire drainage Bulloc…

ダンレアリー港の建造物と謎の島?(アイルランド)

ダンレアリー港の建造物とホウスヘッド半島 ダンレアリー港のイースト・ピア(東桟橋)から、目を転じて海側に向かって写真を撮ります。向こうに、ちょっとした建造物があります。ネットで確認すると、BandstandとSunshelterと書かれていました。Bandstandを辞…

ダンレアリーの三つの塔(アイルランド)

ダンレアリー港から見た街並み ダンレアリー港のイースト・ピア(東桟橋)をてくてく歩いていき、振り返ってダンレアリーの街を眺めます。三つの塔が普通の街並みの中にアクセントを与えてくれています。アルルのローヌ川そばから、街並みに紛れていろいろな…

ダンレアリーの浜辺(アイルランド)

ダンレアリーの浜辺(アイルランド) ダブリンから電車で東に向かい、画像のような海岸に出ます。この辺りはダンレアリーと呼ばれる、アイリッシュ海に面した街で、ダブリンの外港というべき場所でした。19世紀から、アイルランドとイギリスのフェリーの旅客…

ダブリンのオコンネル像(アイルランド)

ダブリンのオコンネル像 画像はダブリンのオコンネル像です。このダニエル・オコンネル(1775-1847)はアイルランドの解放者として尊敬されています。アイリッシュ・カトリックの家に生まれたオコンネルは、富裕な叔父の遺産を相続し、フランスに留学しました…

リフィー川に架かるミレニアム橋とフィッツィモンズホテル(ダブリン・アイルランド)

ダブリンのリフィー川に架かるミレニアム橋とフィッツィモンズホテル 今まで「古の写真でめぐるフランス」シリーズを書いてきたのですが、自分が訪問したフランスのパリ以外の地方は一通り紹介できたので、これからは「古の写真でめぐるヨーロッパ」シリーズ…

イタリア中世の都市社会

イタリア中世の都市社会 表紙 イタリア中世の都市社会 清水廣一郎 著 岩波書店 発行 1990年12月10日 第一刷発行 中世イタリアの人たちの日々の営みの記録が、登記簿や会計簿、そして覚書などのかたちで"フリーズドライ”されていたのを、著者のような優秀な研…

写真と地図でたどるパリ歴史散歩

写真と地図でたどるパリ歴史散歩 表紙 写真と地図でたどる パリ歴史散歩 古さと新しさが交錯する街パリを発見する18の旅 PARIS PROMENADES dans le centre historique パスカル・ヴァレジカ 著 蔵持不三也 訳 ミュリエル・モンティニ 写真 パリ中心部、アン…

サンチアゴ巡礼の道4000km

サンチアゴ巡礼の道4000km 表紙 サンチアゴ巡礼の道 4000km 石田昇二 著 東京図書出版 発行 2017年12月24日 初版第1刷発行 サンチアゴ巡礼の道のうち、スペインとポルトガル国内の巡礼道の徒歩による踏破記です。 もともと海外登山の豊富な経験をお持ち…

スラヴの十字路

スラヴの十字路 表紙 スラヴの十字路 嵐田浩吉 著 里文出版 発行 平成25年9月4日 発行 スラヴ民族について、コンパクトにわかりやすくまとめられています。 序章 スラヴ民族とスラヴ世界 ヨーロッパ最大の民族グループはゲルマン民族やラテン民族ではなくス…

日本語の謎を解く 最新言語学Q&A

日本語の謎を解く 最新言語学Q&A 表紙 日本語の謎を解く 最新言語学Q&A 橋本陽介 著 新潮新書 2016年4月20日 発行 この本では、日本語に関する高校生の疑問に対して、言語学に基づいて明らかにしていくという方式で解説しています。 第一章 日本語の起源の…

ヨーロッパの文化景観 風土・農村・都市

ヨーロッパの文化景観 風土・農村・都市 表紙 ヨーロッパの文化景観 風土・農村・都市 佐々木博 著 二宮書店 発行 平成元年6月1日 第3刷発行 Ⅰ ヨーロッパの輪郭 ヴァレリーは「ヨーロッパ人」の定義として、その歴史の過程において次の三つの影響を受け…

中世イタリア商人の世界 ルネサンス前夜の年代記

中世イタリア商人の世界 表紙 中世イタリア商人の世界 ルネサンス前夜の年代記 清水廣一郎 著 平凡社ライブラリー 1993年6月30日 初版第1刷 フィレンツェの商人、ジョヴァンニ・ヴィッラーニの年代記をもとに書かれた本です。 Ⅰ めでたし聖年 1300年2月、教…