パンテオン(ハドリアヌス帝の建築物)

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ハドリアヌス帝にちなむ建築物「パンテオン」を紹介します。
これは、初代皇帝のアウグストゥスの腹心アグリッパが西暦27年に建設しました。
しかし80年に火災で焼失したため、118年ごろからハドリアヌス帝により再建されました。
この写真では伝統的な四角い神殿しかわかりにくいですが、後方はドーム型の神殿になっています。
昔から、ドーム型の部分が再建後のものか論議されていましたが、19世紀末の研究により、アグリッパは四角い神殿の部分で、ドーム型はハドリアヌス帝のアイディアであるとのことです。
このドームは本当にローマ建築の先進性を現しています。
ユニークなのは、上にぽっかりと穴があいていることです。
雨が降ったら、中に入ってくるのではないか、と心配になりますが、内部の空気圧のおかげで、かなりの雨でない限り中には入ってこないそうです。
この穴から、太陽の光が入ってきており、何となくありがたみが増してきました。
それにしても、保存状態の良さには感心しました。
もともとはローマ皇帝用だったのですが、ローマ教皇に寄進され、キリスト教の聖堂として使用され続けたおかげなのでしょう。

(CG世界遺産 古代ローマ 及び 須賀敦子のローマ 大竹昭子 著 河出書房新社を参考にしました。)