ローマ人の物語Ⅹ ローマの傑作 橋と水道

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ローマ人の物語召らの続き。
ローマ人は、橋の建造にも才能を発揮した。
戦争時の、ライン河などに造成した簡易式の橋も素晴らしいが、なによりも石造りの立派な橋が象徴的である。
そこに人や水道を通した。
水平に、街道の延長となるよう、丁寧に造られている。

これらの立派に整備された街道や橋を通して、ローマ軍がすばやく進駐したり、情報伝達の速度を飛躍的にあげた。
ローマ街道を進む速度を人類が越える事ができたのは、19世紀半ばからはじまった鉄道の発展と、20世紀の自動車の普及によるものという。
街道沿いには、都市の間にも、旅宿や馬交換所、飲食所などがあり、今の高速道路で言えば、モーテル、ガソリンスタンド、スナック・レストランのようなものであった。
その案内として、旅行用の銅製コップに描かれたものや、実用・歴史ガイドが書かれた地図もあり、当時の旅行者の役に立ったようだ。

あとローマ人の象徴的なインフラとしては、水道があげられる。
水源の水質チェックから始まり、水道橋を通し、トンネルを通し、街の貯水槽までの長い距離を、微妙な勾配で、上手く水が通るようにしている。
基本的には流しっぱなしで、水が腐るのを防いでいる。
そのおかげで、豊富に水を利用する事ができ、風呂も楽しむ事ができ、衛生的な生活もできたわけである。
このような水道も、蛮族の侵入に備えるため、閉鎖してしまう。
街道は、徐々に死んでいくが、水道は急激に死んでしまう。
ローマにとっては、中世は確かに暗黒だった。

写真は南仏ニームの「カステラン貯水池」です。
ニームの街の北側の、やはり少し小高いところにありました。
観光用トレインが、そのそばをえっちらおっちら登っていたのを思い出します。
有名な「ポン・デュ・ガール」からの水が、ここに蓄えられ、街の大建造物や給水場など、さまざまな地区に供給されていた、とのことです。