ローマ 永遠の都

ローマ 永遠の都 一千年の発掘物語
クロード・モアッテイ 著
青柳正規 監修
1993年2月20日第1版

建築でもその偉大さを示したローマ人。
しかし長い年月の間に、彼らの建造したものは削り取られ、土に埋もれていった。
さらに略奪にあい、多くのものが失われていった。
しかし発掘、そして保存における様々な苦労のもと、現在の人類はそれを鑑賞する事ができる。

ローマをもっと発掘しまくったらいいのに、という声に対し、
「それは後世のために残しておく。そうすれば酸性雨などの被害にもあわずに、後の人類のチャンスとして残る」
もし人類に、酸性雨どころではなく、後世自体があれば、の話だが。

この本の中で、シャトーブリアンの言葉がカッコよかったので引用しておきます。
ちなみにナポレオン展で見た氏の肖像もカッコよかったです。

「自分の人生にもはや絆のない人は、ローマへ来て住むべきです。そこでは、仲間としてじっくり考えを養ってくれる土地が見つかり、いつも何かを話しかけてもらえる散歩ができるでしょう。足で踏みつける石が語りかけ、歩くたびに風が巻き上げる埃には、何か人間の偉大さが包まれているでしょう。」
「ローマは廃墟の真ん中でまどろんでいます。夜空に上がった月、世界が終わり、住む人が絶えてしまったと思われているあの天体が、その青白い孤独な光をローマの孤独に包まれた場所の上に投げかけています。」

ああ、こんなローマを歩いてみたい。
実際のローマはうるさいだけかなあ?