フランドルに射す朝日(ダム)

運河のそばに、昔の白い風車が、でんと構えていたのだ。
ただし、もう今は動いてないようだ。
こんな風車があることだけでも、結構嬉しかった。
単純な人間は本当に幸せだ。

運河を離れ、ダムの町に入る。
小さな町の小さな広場、その前に小さな市庁舎がある。
15世紀に建てられたものだ。ゴシック様式による建築である。
側面は、例のごとく、ギザギザ凸型になっている。
とがった鐘楼がかわいらしい。
開いている時期は限られているそうで、こんなオフシーズンの入場は無理だった。

町のはずれに、聖母教会がある。
廃墟のような感じで、周りには誰もいない。
入り口を探してみたが、閉められているようだ。外から眺めるにとどめる。
しかし実際には、中にも入ることができ、搭にも登れるらしい。

そばの道を、サイクリストがすーっと通り過ぎていく。
それを見て、自分もさらに進みたくなる。
目の前には、フランドルの平原が広がる。
ダムからさらに離れてみよう。
幸い陽も少し射してきたようだ。