フランドルに広がる平原

自転車に乗り、ダムの村を、離れていく。
広い平原と並木が見える。こんな風景でも、全然飽きない。
少し村から離れたところで振り返ってみる。
静かな小川と、ゆるやかな曲線を描く牧草地。
そこには羊がのんびりと草をついばんでいる。
牧草地が、少しこんもりしているため、向こうの聖母教会の搭と市庁舎の上部だけが見える。

ゆるやかに曲がった道を進んでいく。
一応、小さな標示があったので、それを目安に進んでいく。
集落らしい集落は無く、ぽつんぽつんと人家があるのみだ。

かなり進み、並木も無い見晴らしの良いところに出る。
はるか彼方に、小さい教会が見える。
あそこまで行ってみたいと思う。ひょっとしたら、オランダ国境にも近いんじゃないかと思う。
しかし疲れと不安で、さすがに諦めた。ここまでで十分だ。

来た道を戻っていく。
間違えていないか少し心配になる。
背の高い並木の向こうに、搭と市庁舎の集落が見えてきた。
フランドルの一家が、道を歩いている。
厚着をした子供たちに気をつけながら、追い抜いた。
ダムの村中に戻る。