武蔵野
国木田独歩 作
2006年2月16日 改版第1刷発行
『武蔵野』をはじめとする国木田独歩の短編集です。モーパッサンの短編『糸くず』の翻訳を含みます。
『柳田国男の青春』の中に、独歩の死が柳田の青春の終わりとなった、という一文がきっかけで、独歩の作品を読んでみようという気になりました。
1871年(明治4年)、旧播州竜野藩士の父のもと、下総国銚子に生まれる
1891年 (明治24年)、洗礼を受ける
1894年 国民新聞社に出勤、日清戦争の従軍記者として軍艦千代田に乗船
1896年 渋谷村に移住
1908年 満36歳10ヶ月で死去
独歩に自然の観察の方法を教えてくれたのは、英国のワーズワス とロシアのツルゲーネフの自然観察態度であった。
『武蔵野』の描写の特徴
・武蔵野を色彩的にとらえているばかりではなく、音響的にも敏感にとらえている
・単に静止して眺めるばかりでなく移動することによって、地理的な特徴をとらえている
・我が国自然の重要な季節である、春の描写がほとんど欠けている
『忘れえぬ人々』
宿場に泊まった男が忘れえぬ人々について語る
『鹿狩』
十二歳の僕は叔父と鹿狩に行く。見るだけのつもりが…
『河霧』
故郷に戻ってきた男の運命は…
『遺言』
日清戦争時の艦隊内のある出来事
『糸くず』
路上の糸くずを拾った男の運命は…