夜空のもとで響くステップ(ギリシャ民族舞踏)

岩場を降りて、アクロポリスの入り口に行く。
もう閉まっているのはわかっていたが、明日の入場時間を確認したかったのだ。
入り口の標示を見ておき、明日の参考にする。

夕食を食べれるところを探す。
ギリシャに着いたばかりで、慣れていないため、「ファミリーレストラン感覚」とガイドブックにあった店に入る。
書いている通りだったが、やはりその分つまらなかった。少し後悔して店を出る。
外は既に暗くなっていた。
ふと近くの広場を見ると、大きいツリー型の照明があり、周りに人が集まっている。
近づいてみると、舞台があり、そこでギリシャ舞踏のショーをやっていたのだ。
結構人がいたので、とりあえず舞台の側面に陣取って見まもる。
割と若い、民族衣装を着た男女が、手をつなぎ踊っている。
やはり若い子はピチピチして良い。(おっさんくさい表現だ)
一番端っこの踊り手が握っている手を支えに危うくバランスをとっている。
そしてここぞ、という時に手を離し、スケートの回転ジャンプのように跳ぶ。なかなかきびきびしてかっこいい。
バックはマンドリンのような楽器を持ってジャカジャカ伴奏している。
このあといろいろなグループが出演した。ギリシャ各地から来ているのだろうか。服装や踊りの内容がバラエティに富んでいて楽しい。
自分は途中で正面に移動し、背を伸び上げて見る。
中には老若男女集まり、みんな前を向いて起立し、代わりばんこに何か力強く言っているようなグループもあった。
子供も真面目な顔をしてなにやら大きな声を出しているが、少しいやな気分になった。子供なんだからもっとのびのびさせてあげればいいのに、と思ってしまった。
それでも全体的には、ギリシャの踊りと音楽をいっぱい楽しませてもらい、おもいっきり得をした気分だった。
アテネの夜空の下、夢見ごこちで、ホテルに戻る。