古代の演劇好きの気持ちで(ディオニソス劇場ほか)

アテネ競技場を離れ、ザピオン公園を通り抜け、ハドリアヌスの門を横目に見ながら、アクロポリスの南側に行く。
路地を抜け、ディオニソス劇場に着く。
ここは、ギリシャ最古の劇場とのことだ。紀元前6世紀ころのものらしい。
今は舞台裏の彫刻像と観客席が残っている。今は使用されておらず、いかにも遺跡らしい風情を残している。
観客席に座り、しばし古代の悲劇好きの気持ちを味わう。
舞台の上はゆるやかな坂になっており、緑の雑草が生えている。そこから遺跡の全景を眺める。
さらに上に行くと、アスクレピオスと呼ばれる医療の神を祭った小さな神殿があった。ペストの大流行後に建造されたとのことだ。

西に行くと、長い壁のような遺跡があった。エウメニスのストア跡と呼ぶ。ここは劇場や音楽堂での観覧中に雨が降ったときの避難所や、遊歩道として使われたらしい。
さらに進むと、イロド・アティコス音楽堂に着く。
ここは前日上から見た。こちらは現在でもコンサートに使用されており、席や舞台もきちんと整備されている。
舞台背景も、フランスのオランジュほどではないが、かなり残っており、ギリシャ古代の雰囲気を漂わせていた。この時は、残念ながら中には入れなかった。

ふと目を後ろ側に転じる。
アテネのごちゃごちゃした白い街並みの向こうに、海と島がかすんで見える。
午後からスニオン岬に行き、海を存分に見ていこうと思う。